エピソード35 黒羊と親玉
するとマドはそれに気づいたのか焦った口調で話し始めた。「もういい…!全て、全て、全て!!メリー!お前の力ならばすべてを支配できる!そう伝えただろう!?それなのにお前は…!お前は…!!!」そう言いながらマドも負けじと魔力をためる。「もういい…最終手段だ!お前なんかの使えないやつを相手にした俺が間違いだった!!」そう言い魔法を放つ。その時私の首が締められる感覚がする。思わず私は首をおさえる。苦しい、今までも相当きつかったが群を抜いてきつい、これは一体…?すると今までの影のようなものがだんだんと私に集まってくる。何かはわからない、マズイ!!その時、レオはマドを思いきり魔法で攻撃していた。そのままマドはそのままあっけなくやられ、灰のようにさらさらと風に舞っていった。しかし、私の痛みはとどまることを知らずどんどん、影が私を渦巻く、「お前の体じゃ扱いにくい。悪いがこっちを借りるぞ」そう低い声が聞こえる。きっと、あいつだ。私の影はそのまま羊の化け物のような見た目に変わっていく。おぞましい見た目、というのだろうか、頭部には羊の頭蓋骨のようなものをつけていて顔は見えない、体は黒い布のようなもの。そこに悪魔の翼のようなものが生えている。私の力や魔力がどんどん吸い取られていくような気がする。意識も失いかけそうだ。




