エピソード34 黒羊と願い事
今まで見たことがないくらい大きな魔法陣が浮かび上がるその時、私の耳には綺麗な鈴の音が聞こえる。一体、どこからこの音がなっているのだろう、?そう思い左右を見渡しても何も無い。「ほー、あいつなかなかやるな、思ったよりも見直したぞ」そう腕を組みながら悪魔が言う。「やっぱり、強いの、?」そう言うと悪魔は少し間を開けて「ただ、物足りないな、少し俺が手を加えてやろう」そう言った。気が付くと私は、暗い空間から抜けていて近くにはレオンがいた。現実の世界に戻ってきたのだろうか、?私は周囲を見渡すとその時レオンは自分が羽織っていたマントを私の肩へかけてくれた。なんだかホッとする。それを見てマドは「マズイ、マズイマズイマズイ!!」そう叫んで逃げようとしていた。その時隣からレオが怒った声で言った。「お前だけは許さん……メリーをここまでした罪は償ってもらう…」そう言うと何か強力な魔法を放つ。すると蔦のようなものがマドの足に絡みつきさらにそのまま業火がマドを包む。こんなに圧倒的な力があるなんて…するとマドは私に向かって叫び始める。「メリー!!何をしているんだ!!さっさとこっちに来ないか!!お前の家族がどうなってもいいのか!?」そう私に叫んだ。私の脳裏には家族の衰弱した様子が浮かぶ。私は思わず下を向いた。マドは私に向かって何度も、何度も、叫び続けた。するとレオは静かに「さっきっから本当にメリーを道具としか見ていないんだな…お前…こんな可愛い子を兵器として使うとか性根が腐りすぎてんだろ…もはや救いようもないな」そう言いながら静かにマドに向かって近づいていく。明らかに何か強い魔力がこもっているのを感じる。




