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エピソード29 黒羊の本音
やっぱり、レオンと私は違う。私はこんなに平和ボケしていない、そう思った。私がその気になれば彼を土に返すことも簡単だろう。悪魔のせいなのかそんな考えになってしまう。「何も変わっていないのね、あの時から」私はそう微笑みながら言う。すると彼は少し下を向いて考えた様に言う。「本当に君はメリーなんだね…小さい頃と比べて凄く美しい女性になってる…本当に会えて嬉しいよ」そういいこちらを見て少し微笑んだ。嬉しい、はずだった。元々好きだった相手からそんなことを言われて、きっと今にも宙を舞いたい気持ちもあった、はずなのに…何故だかはわからない、私はその時強く思った。お前と一緒にするな、と。私はレオンを睨みつける。そして思わず今まで隠していたことを言った。




