エピソード27 黒羊と勇者
それを見てマドは私の手を引いて急いで下に降りて行く。外に行く途中に私に向かって小さくつぶやいた。「何かあったら、俺は迷わすお前の親を手に掛ける。お前はもう人間ではなく俺等の仲間だ」そういいって私に首輪をかけた。紐はついていないが黒い首輪、その瞬間私は力が抜ける感覚がした。きっとこの首輪のせいなのだろうか?私はそのままマドについていく。するとそこには檻に捕まった人間、よく知っているの人間がいた。声を上げようとした瞬間マドは手を私の前にかざしそのまま後ろに下がるように言った。私はその指示に従うように後ろに下がる。すると何人かの羊達が人間を手前の入り口の方へ追いやっていた。入り口まで来るとその人間はこちらを見た。その瞬間ゆっくりと時が流れているような感覚がした。人間はこちらを見ると目が少し大きくなる。やっと会えた、私は心からそう思った。私はニッコリと微笑む。すると風が吹く。風は男の子の青い髪くて少し長い髪が揺れ耳についた見覚えのある花がきらめく。私とお揃いの花だ、間違いない、彼はレオンだ。すると彼は驚いた顔をしてポツリと呟いた。「……メリー…?」