第三章 僕が僕であるために
前回のあらすじ
メリーのことを伝えたレオンだったが村人たちには信じずそれどころか争いを生んでしまった…
何度行っても花畑にメリーが戻ってきてくれるわけではない。そんな事分かりきっている。それでも僕はメリーが消えた事実を受け止めることができなかった。何度も花畑へ行って絶望している時だった。お父さんは僕にもう一度剣の使い方を教えると言ってくれた。正直もう武器を持つのは嫌だがこれ以上止まっていても仕方がないとお父さんから言われた。そこから僕の剣の修行が始まった。朝からつきっきりでお父さんが剣の使い方を教えてくれた。正直もう武器を握りたくもないがお父さんからは「これからはもう二度と好きな人が離れていかないように、そのために強くなるんだ」そう言われて自分の力を磨き続けた。初めは止まったものに武器を当てることすらできなかったが修行を重ねていくに連れて動いている物にも攻撃を当てることができるようになった。これも全てメリーが戻ってきたときに頼りになる旦那さんになるための修行だ、そう思い必死に修行に打ち込んだ。普段優しいお父さんも武器を持った瞬間に厳しくなる。僕は歯を食いしばりながら頑張った。少しづつ勉強もしていくうちに村の外にも大きな森があってそこを抜けたら王国があることを知った。僕は「メリーの情報があるかもしれない!僕は王国に行きたい!」そう言ったが親はみんな反対をした。「お前はここで木こりとして生きていってもらわないと村の生活が持たない」そう言われて否定された。その日からメリーの事は家では禁句になっていた。「メリー」という言葉を言っただけで軽く怒られてしまった。仕方がない、メリーも事は心の中で考えよう。そう思った僕は家では一切メリーという言葉を使わないようになった。