エピソード14 黒羊と悪の儀式
「儀式を始める」そうリーダーは言った瞬間、周りがわっとうるさくなった。それからは何か唄を読んだり何か捧げ物をしたりしていた。そういえばやり方を知らない、そう思った私はただ見ているだけだった。日が落ちてしまった時、リーダーは私の袖を小さく引いて真ん中の方へ立つように指示をした。私はゆっくり中心に行くと後ろからビシッとスーツを着たマドが何かをもって後ろをついてきた。他の人はただ黙ってこっちを見ているだけだった。中心につくとそこだけ地面が凹んでいる気がした。よく地面を見ると魔法陣のようなものが描かれていた。するとマドは持っていた棒のようなものを魔法陣の線に乗せると何かを詠唱し始めた。それにつられるように他の人達も同じ詠唱を始めた。そして少し長い詠唱が終わると魔法陣の線に何かキラキラしたものが乗っかった。その瞬間、何か体が何かに取り憑かれたような感覚になる。どうなっているのかはわからない。頭が……痛い…?痛い…痛い痛い…!!頭を抱えた瞬間、手に違和感があった。つ…角…!?何…これ…!!今まで冷たかった心も何かに触れられているような気がする。わからない感覚が一気に押し寄せてくる。全身が痛い、それと同時に何かが満たされる気がする。すると私は何かが切れてしまったように地面に座り込んだ。すると私の声でない声が響く。【うむ…良い器だ…】そのまま私は意識がなくなってしまった。