エピソード10 鮟堤セ翫?謔ェ
私はとうとう嫌になってしまい稽古の途中で逃げ出してしまった。マドやリーダー、他の仲間達が食事の準備をしている一瞬を狙い私はそのまま街に向かって走った。追いつかれてしまったら何をされるかも分からない。私はただ後ろをふりかえらずに走った。なんとか街に付き大通りは気づかれてしまうかもしれない。そう思った私はなんとか裏路地の方に入った。きっとここならしばらくはゆっくりできるだろう。言い訳、どうしよう。いや、今は言い訳よりもどうやって逃げ出すかを考えたほうがいいかもしれない。いっその事このまま前いた村の方に逃げてしまったほうが良いかな…そんな事を考えている時だった。後ろから何人かの声がする。まさかもうバレた…?そう思い後ろをゆっくりと振り返るとリーダーよりも体格のいい羊が3人くらいのグループになり私を見つけるとニヤリと笑った。「なんでここに人間がいるんだ…?wこんな人通りの少ないところで…」すると羊の一人は私にゆっくりと近づく。何かは分からないがこの人に捕まったらまずい気がする。私はゆっくりと後ろに下がった。するとグループはそのまま私と距離を縮め続ける。私が後ろに下がるとそのグループはゆっくり前へ詰め寄ってくる。「やだ…こないで…」そう言いながら後ろに下がった瞬間、軽い振動が背中を伝えてきた。まさかと思い背中側を軽く触る。すると真後ろに壁がある。まずい…挟まれた…するとグループのリーダーだろうか?一番体格が大きいのが明らかに良くない笑みを浮かべていた。「残念…こっから後ろはもう行けなくなっちゃったねぇ…w逃げられないねぇ?」そう言いながら私を拘束した。そこからどうなったのか、よく覚えていない。覚えていたとしても思い出さなくても良いだろう…私はその場にぺたりと座り込んだ。そのグループはニヤニヤしながらどこかへ行った。そうだ…もうどこにも私の味方なんていないんだ…今まで仲の良かった人も、育ててくれた親も…もともとはあんなに優しかった人たちも、今じゃみんな私の事を嫌がり玩具のように扱う。その瞬間私の中で何かぷつりと切れたような音がした。




