エピソード8 黒羊と明るい譌・蟶ク
そんな生活を繰り返しているうちにあっという間に12歳の年になった。今まで音を上げていた修行も今では準備運動にもならない。リーダーより少し劣るかもしれない程度の魔力を持って、マドより少し劣るかもしれないレベルの剣術を身に付けた。勉強も頑張っていたおかげで難しい本もスラスラと読めるようになった。いよいよ明日は儀式が始まる。全てはこのために頑張ってきた。正直、もう元の村に戻らなくってもいいかもしれないとも思っている。村の人と一緒にいるよりここでみんなと仲良く暮らしたほうが楽しいと思えたから。レオは……気にはなるけどきっと別の人を好きになっているだろうし…今日は早めに寝ないと行けない。布団に入り照明を落とす。しかしやはり緊張しているのかなかなか寝付けない。すると布団の部屋にリーダーが来た。「明日はいよいよ儀式だな…今までよく耐えた。本当にご苦労さまだ」顔は暗くて見えなかったが少し涙声になっている気がする。「何言っているんですかwまだまだ終わりませんよw役目を果たすまでが私の仕事ですからw」そう私は笑うとリーダーの影は少し動き優しい声で「そうか、ありがとう」そういい私の頭を優しく撫でてくれた。するとリーダーはそのまま私を抱きしめてくれた。すると私は安心してしまい自然とまぶたが閉じる。するとリーダーから小さく「おやすみなさい、メリー…」そう囁かれ部屋から出る音がした。