エピソード4 黒羊と街並み
今までは森の中で話しをしていたが歩いていると大きい街のような場所に出た。「これが………」昔作ってもらった絵本には目の前で広がるような景色が広がっていた。これはこれでいい…初めての雰囲気で少しワクワクしてくる。今まで村しか見てこなかった私にとっては夢のような感じだ。まるで王国のような舗装された道路、大きい家の数々、今まで見たことが無いような人の数、人とはいってもみんな同じような羊の見た目だが…「す……凄い…!!」私は思わず目を輝かせる。「オマエ…コウイウノスキナノカ?」そう言われる。「今までこんな大きな所来たことなかったの…ほら…私って村生まれだからさ…」そう言うとローブを着た人は私に手を差し伸べた。それに隠れていたがきっと手を差し出してくれているのだろう。私はローブの袖を掴んだ。すると私に合わせて少し遅めに歩いてくれた。「キシャキシャ…」「ナンナラオブッテアゲヨウカ?ダソウダ…オマエハオソイカラソウシタホウガイインジャナイカ?」そう言われる。もしかしたら…悪い人たちではないのかもしれない。そう思った私は小さく頷いた。すると側にいたスーツを着た人が私を背中に乗せてくれた。