第14章 君との再会
前回のあらすじ
とうとう少女がメリーということを知ってしまったレオンだったが…
シャーフは僕の体に拘束具をつけて離れていたがメリーと言う単語を聞いた瞬間、今まで光なんて発していなかった目が赤く光り僕に向かって襲いかかってきた。僕は僅かな希望にかけて詠唱魔法を使った。なにかあったらいけないからとサンから少し教わってよかった…その瞬間メリーの様な女性の後ろから他のシャーフよりも長い角を持ったシャーフが出てきた。こいつがリーダーなのだろうか?そのリーダーはそばにある装置を押す。すると僕を拘束していたものが「カシャッ」と音を立てて外れた。するとその瞬間メリーの様な女性は手を上げた。するとシャーフの赤かった目は今まで見ていたのと変わらず何も光がない状態に戻っていた。メリーの様な女性は僕を見てニッコリと微笑み「何も変わっていないのね、あの時から」そう言った。この一言を聞いて僕は本当にこの女性はメリーなのだと自覚した。信じたくなくても事実なのだと思うとなんとも言えない気持ちになる。然し僕は正直に思ったことを伝えた。「本当に君はメリーなんだね…小さい頃と比べて凄く美しい女性になってる…本当に会えて嬉しいよ」そう言いながら僕は微笑んだ。しかしメリーは僕を見ると僕のことを突然睨みつけた。なにかまずいことを言ってしまったのだろうか?そう思った瞬間だった。メリーは突然今までの大人しい女性のような雰囲気はなくなり狂ったように笑い始めた。「久しぶりにあって第一声が美しい女性になった?私はあなた達みたいに平和ボケしていないの、あの時あなたは花畑で親方様に私が連れて行かれそうになったときあなたは何をしていたの?結局あなたは私を助け出すことなんてできなかった。親方様が私のことを飼っていた時、あなたたちは何をしていたの?聞いた話によると剣がどうの魔法がどうのこうのって言って自分の村の勢力を自分で削っていただけじゃない!私がボロボロにされた時!私が強制的に武器の鍛錬をさせられていた時!私がただの玩具として感情を殺していたとき!あなたは何をしていたの?何が修行よ!何が護衛しますよ!!あなたは良いわよね!少し傷ついただけで周りから慰められて!少し何かしただけで周りからは褒められて!!」そう言うとメリーは突然静かな口調で呟いた。「私はただ…普通の人でいたいだけなのに…」そう呟いたメリーの目には1粒の涙が頬を伝っていた。しかしメリーはまた強い口調に戻り叫び始めた「何が前より美しくなったよ!こんな気持ちの悪い角の生えた女…!こんなに普通じゃできない傷や痣を全身につけた体…!!どうせあなたは私の体にしか興味が無いのでしょう!?あの時の彼奴等みたいに…!あの時の人間たちみたいに…!!」