第12章 そのモノ達は
前回のあらすじ
写真の人物がメリーかもしれないと思ったレオンは…
色々聞き込み調査をしていたらあっという間に暗くなって来た。昼は村人たちにご馳走してもらいだいぶ精神的にも安定してきた。僕は杖を持ち村の入口の方で見張りをしていた。調査によると入口の方からなにか異常があり来ている可能性が高いと考えたからだ。僕は日が昇るまで見張りを続けていたが特に何かがあるというわけでもなく、村人がいなくなるような雰囲気もなかった。朝日が昇り始めても何も無いことが続いた。僕は村へ戻ると村長から「今日は誰もいなくならなかった、これは勇者様のおかげじゃ…」そう言われた。「勇者様なんて大げさな…僕はただの羊飼いですよ」そう笑って答えると「もし…羊飼い様がよろしければ……今晩も見張りをしてはくださらないか?」そう言われた。むしろ僕にとってもそっちのほうがこう都合だった。「えぇ……喜んで!」そう言うと村人たちから家へ案内され、布団などの寝具類と部屋を用意された。僕は始めは申し訳ない気持ちでいっぱいだったが村人たちから是非お使いくださいと言われ、お言葉に甘えて使わせてもらった。気がつくと僕は寝落ちしてしまい気がつくとお昼少し前になっていた。僕は貸してくれた村人たちにお礼を言おうとするとその貸してくれた人は笑顔で朝食の準備をしていてくれた。ベーコンや卵焼き、ご飯などが机に並ぶ。食事をいただきまた外へ聞き込みをする。するととある人がとても気になる情報を教えてくれた。それはだいぶ前だが羊の角を持っている女の子がいたという情報だった。他の羊は男だったがその中に1人だけ女の子がいた、これは間違いないと言われた。信じたくはないがもしかしたらここにもメリーに関係がある人が来ていたのかもしれない。そう思うとやはりどうすればいいのか、自分の行動が正しいのかと疑心暗鬼になる。暗くなりまた護衛の仕事に戻る。しかし僕が護衛しているのを知っているのか何かを感じ取っているのかはわからないがその日も何も出てくることはなかった。朝日が昇り村長がゆっくりとこちらに歩いてきた。「今日も特に何もなかったので明日まで護衛につかせていただきますね」そういった瞬間だった。突然地響きの様な音がして少し、いやかなり揺れた。もしかして地震か?そう思った瞬間、村の奥の方から悲鳴が聞こえた。僕は叫び声のした方へ行こうとしたが村長は後ろからヨボヨボとついてくる。僕は村長を抱きかかえ急いで悲鳴の方へ走った。悲鳴の先には墓地の様なものが続きそこにはまたあの時の様な黒い液体が土に染み込んでいた。もしかしなくてもシャーフか?そう思った矢先地面から手のようなものが生え、そこからシャーフが出てきた。もしかしたらシャーフは死んだ人の成れの果ての姿なのか…?もしそうだとしたら僕は…そう考えると体が動かなくなった。するとすぐにまた悲鳴が聞こえた。横を見ると村長がシャーフに捕まりナイフで首をはねようとしていた。僕は急いで腰に刺してある短剣でシャーフに切りかかった。するとシャーフは液体の様に地面にびちゃびちゃと溶けた。するとすぐに他のシャーフはこちらを狙ってくる。僕は魔法でシャーフを撃ち抜き、なんとか全て倒すことができた。今生きている人達は救えたが過去に死んでしまった人達は自分の手のせいでもう一度死んでしまった…そう思うともっとなんとかして助け出すことはできなかったのかと考えてしまう。