表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/13

第九話

相変わらず倒れたままの立香を差し置き、二人の会話〜



「で、何だったんだ?結局??」



「私にも何が何やら…と、とにかくですね!もっと強いモノがいて、倒してほしい、ということなのですよ」



「ふぅん…ま、いいけどさ…お前…」



また獲物を狩るときの顔付をする笑鬼。



「なんですか?」



また背筋が凍る法師。



「お前…人殺したことあんだろ。」



「何故です?」



「目がな…10年…いや、まだ7、8年つったところか。一人や二人じゃねえ。ざっくざく人を殺ってた目だ。」



「…隠せないものですね」



そう自虐的に笑む法師。



「隠せねえさ。死ぬまでな。」



淡々と返す鬼。



「昔ね、出家する前のことですが。盗賊だったんですよ。」



「ほう…意外だねぇ。それにしちゃきれいな顔してやがる」



野盗などは職業柄顔に傷を負う者も多い。だが法師の顔は頬に傷一つない。



「体の方は傷だらけですよ。」



胸に手を当て尚も自虐的に独白は続く。



「酒も、金も、女も…それこそ飽きるほどありました。実際飽きていたんでしょうね。



スリルも分の悪い賭けですら飽き飽きでした。命なんていつ無くなってもよかったんです。」



「バカだな。」



「バカでしたねぇ、ほんとに。そんなとき出会ったのが彼女です。」



「彼女ってあの神さんかい」



「そうです。…一目惚れでした」



盛大にずっこけた笑鬼。おいおいおい



「しかもなにやら不思議な力をお持ちでしたので!もう骨抜きにされまして!!」



「それで改心したっつーのかい」



「それはもう。」



「今はどーなんでい。無欲、じゃねーのかい?」



「今は、まあ尊敬というのでしょう。下心はありませんよ。」



「神様に欲情ってのもな。ま、あいつは確かに人間臭えがな!!!」



「一回いいところまで行ったんですがね〜逃げられちゃいまして〜」



「うっせーよ!これ全年齢対象だから!!!やめい!!!」



「…うるさいですわ」



むくりと立香が起き上がる。



「何やらひどい悪夢を見ていた気がしますわ。気分が悪い。」



「おう!!すっきりさっぱり忘れちまえってこった!!!ハハハハ!!!」



「なぜか腹が立ちますわ。ええ、なぜか。」



「それより!あれだ!!!次はどいつを殺せばいいんだ??法師さんよ!!」



だんだん二人のやり取りに慣れてきた法師は思う。あぁこの方々、確かに恋愛云々の関係ではないな。



「えぇ。その事なんですがね。改めてお二人に確認を取らなくてはなりません。あなた方は…」



二人に向きなおり、真剣な面持ちで切り出す。



「あなた方は「神」を殺す事ができますか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ