第八話
「どうも。私が神です。」
「やめろ!!!そのセリフ!!!なんか危険なにおいがする !!!」
「ごほん、では改めまして、ごきげんよう。私、天照大神と申します。よしなに。」
「うさんくせえええ!!!嘘だ!!いきなり現れてなんなんだよ!!!」
突如三人の中央に煙が上がったかと思うと絶世の美女…とまではいかないがそこそこ美しく神々しい女が現れたのだ。
「おい!!!ばか法師!!!おめー騙されてんだよ!!!!コレ何かちげーーよ!!!」
「コレとはなんですか、コレとは。」
「信じてもらえぬのであれば仕方ありません…私の力をお見せいたしましょう」
「あんでい!!やるってのか!?ああ??」
「なんと暴力的な人間か…よろしい。そなた、なにか欲しいものはあるか?」
「ねえ!!帰れ!!!」
「なんと…して欲しいことなどないのか??私が叶えてしんぜようぞ?」
「…」
一瞬考え込んだ笑鬼だが、刹那の後、にやりと顔を歪めた。
「ちょっと耳かせ」
ひそひそひそ…
「了承した。」
POM!!アメコミの擬音みたいな音と共に煙が上がる。
「何事ですか!?」
「…こ…れは…」
先ほどまでザ・美人秘書だった女、もとい女装野郎の姿が一転、普通のザ・武士道になっていた。
「なあつかしいな〜〜髪も一本まとめで!!!ハハハハハ!!!似合うぜ!」
「……(パタム)」
「倒れましたよ?」
やってることと言い、立香のリアクションといい動揺を隠せない法師。
「倒れたな!!!相変わらず!!!」
「相変わらずって何ですか!!」
法師は苛立たしげに反論を示す。全く、何をやっているのだこの鬼は。
「こいつ自分の男装…っていうのか?まあいいや。が許せないらしいぞ!!!卒倒だ卒倒!蕁麻疹出てるぞホレ!!!」
「わかっててやったんですか!?最悪ですね。」
「ギャグだ!!ギャグ!!!ついでによろしく」
「ほいきた。」
「神様ーキャラ変ってますから!!!一瞬誰かわかんないでしょうってああああああ!!!」
セーラー服(笑鬼)、と、猫耳メイド(法師)。なんでやねん。
「私までーーーー!!!!」
「メイドだ!!!もう時代ぐっちゃぐちゃだな!!!今更か!ははははは!!」
「ははは!じゃないでしょうが!!何やってるんですか!自分まで!!」
「こっからが面白いんだっての!!!まあみてろや!!」
笑鬼、げほっごほっと喉のコンディションを調整。異状なし。
「ねぇ〜起きて〜〜起きてってば〜〜ねーえ」
とりあえず限界まで後ずさる法師。この鬼、先ほどと同一人物とは思えない。その声どっから出してる!!
「ん・・・?はっ!私は…??ええええ?」
「あ、やっと起きた!おはよん!!!」
とりあえず開いた口がふさがらない立香さん。状況把握に5秒ほどかける。
「誰ですの??誰ですの??誰…、あ、確か神様でしたわね」
一人一人指さし確認を始める。さらに状況把握に15秒。
「…あ、ようやく理解しましたわ。(パタム)」
「ぎゃははははは!!だっせ!!また卒倒しやがった!!」
「しますよ!!誰だって!!!わけわかんなすぎでしょうこの状況!!!!胡坐をかくなーーーー!!!」
「は〜もういいや。戻してくれ。神さん。」
「信じてもらえましたか?」
「あんたが冗談の通じる奴ってのはわかった!!!」
「…いいでしょう」
「神様、なんで満足げなんですか??なんかいろいろ間違ってますよ?」
「さて…力を使って疲れました。後は頼みますね。私は天界にもどります。」
「また勝手なことを…」
「おう!!!またな!!!」
「うふふふ…よろしく頼みましたよ〜〜〜…」
自称神様、空の方へフェードアウトしていくのであった。




