第五話
「はっけ〜ん!!!」
例によって口の片側だけを吊上げにやりと相手を睨む笑鬼。
本物の鬼はというと…戸惑っていた。なんか急にライトアップされて。
「おうおうおう!!!オンステージってか!!!俺っちも混ぜてくれや!!!」
5メートルはあろう岩の上からひょいっと飛び降りると、ガタガタ震える鬼の前に降り立った。
「あぁんだあ?ピンスポ浴びてあがっちゃってんの??涙浮かべちゃって!!その図体でヒロインか!!!!」
3メートルはある赤鬼が許しを乞うている。見逃しますか?
「いーぜ。俺心広いからさあああ!!!さっさとどこへでもずらかれや!!!」
2、3歩鬼が後ずさる。とクルリと身を翻すと全力疾走でとんずらしてゆく。追いかける天上のライト。
「おい!!まて!!!主役は俺だ!!!!つか面白いな!!この術!!!」
絶対今度また見せてもらう、と勝手に誓う。そして、光を追う。
「ハッ!冗談!!逃がさねーよ。弱虫。」
俊足で追いつき背中から切りつけようとして、空ぶった。
「あれ、わざとですか?」
「わざとですわ。」
やっと追いついた二人の傍観者。特に何をするでもない。
「鬼さんこちらってか???ぬはははは鬼・対・鬼だな!!!!」
赤鬼も覚悟を決めたのか全力で相手をする気になったようだ。
地を轟かす雄叫びをあげ。鋭い爪と牙をむき出しにし、目の前の小さな人間に食って掛かる!
「遅ぇ…遅え遅え遅え遅え遅ええええええ!!!!」
腕をもぎ、首をはね、それでも尚かかってっくる胴体の真ん中を大剣が貫く。
盛大に血を噴き出しどったりと倒れたと思いきや、その体はすぐさま砂となって消えてしまった。
「…終わりましたね」
「おう!!!終わりだ!!!あっけねーな!!」
「十分楽しんでいましたわ。」
「ばれたか!!!ははははは!!」
「これでこの町の怪奇現象は収まります。さて、報酬でしたね。何がよろしいでしょう」
「それよりまずは町に戻って体を洗うべきですわ。この方の」
「血だらけですね」
「血だらけですわ」
「おう!!!俺か!!!!服もダメになっちまった!!!!」
「もどりますわよ、早々に。」
「…そういたしましょうか。」
長いプロローグでした!!!
これから物語が動き出す?のか??(知るか
いったんバトルとはおさらばです。




