第四話
というわけで、現在に戻ってくるわけだが、明日まで待とうという法師の忠告を無視し、
場所を聞いたとたんすっ飛んで行った笑鬼に付き合わされ
こんな夜中にその名の通り鬼ごっこである。
「いねーな!!びびってんのか!??大将さんよ!!!!ハハハハハ」
返り血をどばどば浴びてテンションがぶっ飛んでいる。奇声を発しながら身の丈ある大剣をあちらこちらと振り回す。
「危ない人ですね」
「いつものことですわ」
いつものことなのだそーです。
「しかたない、探しますか。善良な市民に被害が及ぶ前に」
「探せますの?」
「術を使います、下がってください」
お札やら魔方陣やら大がかりなセッティングをテキパキとこなしその中央で法師は目を閉じた。
「っふーーーん!!!」
「…掛声まぬけですのね。私、一本取られましたわ」
立香がさして面白くなさそうに言ってのけた。
「ぎゃはははははははは!!!やべー!!こいつ!!まじやべーーー!!」
立香の分まで笑鬼がフいている。いつの間に来たんだこいつ…
「う、うるさいですよ!それよりあれをごらんなさい!!」
赤面法師が指さした方向には一筋の赤い光。天から差し込んでいるようだ。
「早く行きなさい。効果が切れる前に!!!」
もう二度とやるものか、という決心。そしてまだ笑い転げている笑鬼。見ろっての。
「やべっ!!!まじやべっ!!!ひーひー…腹いてー!!!腹…ハハハハハハ!!」
「…先に行きます。」
あきらかに気分を害した、という感じで法師は夜の闇に姿を消す。立香も無言であとを追う。
「まっ…待て…おれの…獲物!!!!おいー!!!」
腹を押えてよろよろと立ち上がるや否や、とんでもないスピードで追いかけて、いや、追い越して行った笑う鬼なのであった。




