世界:Ⅰ
【エウローヴァ】
この世界の名前。『四大国』と呼ばれる四つの大国が存在する。
ヴェネアーツ、ルベリニア、コーガ、ロウム、アルヴィスの五つの大陸がある。世界創世時には一つの大陸であったが、地殻変動と衝突により大陸が分裂。現在の五つの大陸になり、各大陸――アルヴィス大陸を除く――で国が興り、発展していく。
【魔導国シーベール】
ヴェネアーツ大陸にある国。魔術の国であり、魔術と共に発展してきた国。
人口数は最下位、国土面積は三位。
大きく分けて、五つの都市が存在し、内の一つが王都、残り四つが学究都市である。王都ソニアベルクは水上都市となっており、王都には防御としてドーム状の結界魔術が施されている。生活に魔術またはそれを応用したモノ(魔道具など)が人々の生活に取り込まれている。
東部に湖の『スペリエル湖』がある。アゥキドンとグランティカの中間地にあるため、貿易が盛ん。特産品は魚など。
【第一魔導学究都市アルサティア】
ヴェネアーツ地方の北部に存在する、シーベール国において最も魔術学究に力を注いでいる都市。国内最大規模である魔術学院――シーベール王立ライナリア魔術学院の設立と共に生まれたこの都市は、実に八百年という長い歴史を持っている。石造の街で、都市の中心にシーベール王立ライナリア魔術学院があり、ここの学院長が都市の自治を担っている。学院の敷地内に時計塔が建っており、それがシンボルにもなっている。生活様式はシーベール国の基本のそれと同じ。ときおり、生活に使われる魔道具の中にライナリア魔術学院が試験的な運用しているものがある。
一般的に使用される魔道具は、きちんと国の認可を受けたモノのみだが、しかしここに限って言えば学究都市ということから、試験的に運用されている魔道具も存在する。
そんな事情も働いてのことだろう。魔術学院の授業や、魔道具を開発するための素材や道具を入手するために、この都市は他地域と盛んに交易を行っている。それゆえに、この街は人の賑わいが絶えることはない。
【剣帝国グランティカ】
ルベリニア大陸にある国。剣の国であり、国民はみな何かしらの剣技、あるいは鍛冶に精通している。
人口数は一位。国土面積は二位。
大陸北部に活火山である『メルゼンモースン』が存在し、そこから金属が多く採れ、それを使った鍛冶業が盛んである。特産品はメルゼンモースンから取れる鉱石であったり、それを加工した装飾品。
挙げられる特徴として、『罪を犯すことを是としない』がある。罪を犯すことはグランティカ人にとって禁忌であり、それゆえにこの国では犯罪が起きることは滅多に無い。一種の宗教国家とも言える。
【霊獣国テヴィエス】
コーガ大陸にある国。獣の国であり、自然と共に生きることを是としている。他国との交流はあるが、その繋がりは稀薄なもの。
人口数は三位。国土面積は一位。
豊かな自然があると同時、厳しい自然もある国であり、国土面積の半分が自然で埋められている。人が暮らせる部分は僅かであり、大規模な都市がひとつと、小規模な集落が幾つも点在している。世界に存在する森林資源は主にここから輸出される。
特産品として、テヴィエス独自の技術を用いて作られた民族的な衣装・織物がある。
【商業国アゥキドン】
ロウム大陸にある国。商の国であり、『ここに存在しないものは世界の何処にも存在しない』と言われるほど。
人口数は二位。国土面積は最下位。
三国すべてに貿易を行っている。国土の面積が狭いため、地下に大規模な階層都市を築いている。また、四大国の中で唯一紙幣制度を導入しており、それが商業が盛んな理由の一端にもなっている。
蒸気機関など、この国独自の技術が発達・発展しており、四大国の中では文明度はずば抜けて高い。それゆえ、この国から輸出される製品は他三国――特に、シーベールやグランティカ――にとって非常に需要が高いものとなっている。
【アルヴィス大陸】
エウローヴァ南端に存在する大陸。
不生命の地であり、人類未開の大陸。一面雪に覆われた、未だ謎多き白の大陸である。