駆け出し
進みだす碧人。
訳の分からない世界で生き残れるのだろうか。
第7話駆け出し
俺は新たな装備“インチュウソード”を背中に斜め掛けするかのようにしまった。
「めっちゃ冒険者って感じだぜ!!最高かよ!!笑」
剣を手にしたのがよほど嬉しかったのか初めてこの世界に来て笑うことが出来た。
しかし、問題はここからであった。
「んー、でもなぁ、どっちに進めばいいのか・・・
まぁゲーム感覚で歩けば街とかには着きそうだが。」
しかし目印も何もなくただ道が一直線にあるだけだあった。
すると、碧人は左手の人差し指を口の中に入れ、人差し指に唾液をつけてその指を自分の顔と同じぐらいの高さまで上げた。
「風は、あっちの山から来てるってことは、あっちの山側は北か、よし決めたぞ。うん。多分北だよな。うん。」
もちろん、適当である。この推理は昔見ていたアニメで主人公が道に迷ったときに風の動きを感じて道を決める時に使っていたのをたまたまさっき思い出しただけであった。
「まぁここで止まって居ても何も変わらないし、じゃあ左に進むか。よし、決めた。」
そういうと、碧人は自慢の走りでその道をダッシュした。
しかし、馴れない服、馴れない靴、肩に背負ってる剣があるせいか90mぐらいで走るのを止めた。
「想像と違ってまだ動きやすかったけど、普通に体力消費するじゃないか・・・」
と、息を少し切らしていった。
その後、とにかく道にそって進み1時間ぐらい移動した。
「かなり進んだな、休憩でもするか」
そういうと、近くにあった岩の上に座った。
「ギュルギュル・・・・・・・・・・・・・・」
「お腹が空いた。」
日本なら10時ぐらいだろうと思った。
腹が空いてもおかしくはなかった。
「近くになんかないのか・・・・」
すると、数本あった木のうちの一本に赤い果実が見えた。
「りんご・・・?そうだ、あれはりんごだ!!」
俺は走ってそのりんごを取りに行って無事に2個取れた。
俺は嬉しかった。早く食べたかった。
口に持っていこうとした時、足音が聞こえた。
「ん?なんだ?」
俺はりんごの木の横にある少し高い草むらに
何かがいることに気付いた。
「で、でてくるなら来やがれ!」
そういうと背中に背負っていた剣を取り出した。
相手も同じタイミングでその姿を現した。
尖った爪、大きな巨体、マンモスのような鋭く立派に育った2本の角、そして頭からもう一本、2本の角よりも太くでかく、そして渦上のラインが入った角をした“動物”と言えるのかも分からないがこの世界に合わせるなら”モンスター“が現れた。
俺はあまりの圧倒さに腰を抜かしそうだった。