決勝
二作目だぜ!
まだ異世界には入らないぜ?
第2話決勝
俺は青空広がるトラックにその姿を現した。
「暑い」
ただ一言、言うなら「本当に暑い」この言葉以外出てこなかった
多分30度近く、いや、30度は軽く超えてるだろうと思うような
暑さだった。陸上のスタジアムの地面はタータンと言い、
特性のゴム素材で出来るがこれがまた熱を吸収するため、
とてつもなく暑くなる。
ふと上のスタンドを見るといつも以上に観客がいた。
しかし、俺が気にしたのは観客の多さではなく、持ち物だった。
やつらは、右手に扇子、左手に日傘や、アイス、ソフトクリーム
今にも水滴が落ちそうなキンキンに冷えたジュースなど
火照った体を冷やすには十分なものを持っていた。
この時俺は無性にも腹がたち、
「砕け散れ」
と声に出した。
けど俺は気を取り直して、自分に集中集中と言い聞かせた。
そしてスタブロをセットして走り出す準備をした。
第1レーンの選手から紹介アナウンスが始まった。
地味に長い。と思ったがそんなことはなかった。
「第9レーン、早瀬碧人君、天狗が丘高校。以上8名の出場で
高校生男子100m決勝がスタートします。」
自分のアナウンスが流れたとき俺は高らかに手を天に上げ、
胸を張って一礼をして、スタブロにセットした。