Ⅳ, ユニコーンミルクのマジックハーブ煮〜新品の布を添えて〜
子供の頃は粉ミルクでした。
2人が奥の部屋に消えて騒々しさがなくなった後は特に何をすることもなくボーッと過ごした。
ただ、分かっているのは僕が死んだ事そして僕が赤ちゃんになっていたという事だけ。
藤堂司死亡→赤ちゃんになってた。
という事だ。
所謂、転生ですよね…??
死んだ後ってこんなに早く転生するんだ…
いや、もしかしたら1000年位地獄に居たけどその記憶が無いだけかもしれない………
考えたところでわからなかった
▼僕は考えるのをやめた
ドタドタ!ばたばた!
走る音が振動となり伝わってきた。
おや…あのふたりが帰ってきたのかなぁ?(´-ω-`)
ガチャ
ドアの隙間から二人の顔がそっと覗く
「ほぉぅら坊やぁ……!ミルクの時間ですよー…!」
「ほぅら、お腹がすきましたでしょう…??」
赤い髪の人と青い髪の人が言う。
その顔は何故か疲れているようで
笑顔がとても怖い。
うーん…ご飯持ってきてくれたのは良いけど…
何でそんなにやつれてるの…?
「へへへへ……」
「ふふふふ……」
こ、怖いなぁ、…?
そのミルクに何が入ってるのか聞きたいような聞きたくないような…
そしてこっちに近づいてミルクを見せてくる。
色は普通だ。よかった。
それにとてもいい香りがする。
でも、問題は…、味…なぁ…?どうなんでしょ…
でも、病み上がりの赤ちゃんに変なものを混ぜるような人は居ないでしょ………
そして青い髪の人がそのミルクの入った木の皿に綺麗な布を浸し始めた。
うーん…?何をしようとしてるんだ?哺乳瓶は無いのか???
そしてその布を適度に絞り、こちらに寄越してきた
吸えってことかい……???
かなり原始的な方法だな
哺乳瓶を愛用していた僕には抵抗があったけど
柔らかないい香りのミルクが…じゅるり
要は勢いだ!イタダキマス!
あむ!
じゅーじゅー
……………………ふぁぁ!!
美味しいいい………!!!
なんだこの甘味は!なんだこの舌触りはぁ!
クリーミーで味わい深い味だ…
甘いのに素朴な味でとても心が温まるぅう!
それに少し香草か何かが煎じてあるのか少しスゥっとする爽やかな香りが口に広がる…
美味しい!
「あうぁ!あぅあ!」
もっともっと!と僕はねだるために二人を見やった
そりゃもう仏のような微笑みでこちらを見てました
まぁ、赤ちゃん可愛いもんね…。/////
でもそろそろ戻ってきて欲しいかな…
ミルク…
その後も2人が代わる代わる僕にミルクをやってくれた。とっても美味しくて満足……
げぷー…!
促される訳でもないのに自然とゲップが出た
満足の意味の方が強い
そしてそのまま寝る……
おやすみチャーン……zzz