Ⅱ, 痛い、熱い、苦しい、の三連コンボ。
酷い熱さと雨の音で目が覚める
(ここは…どこだ………)
それよりも信じられないくらい頭が痛い。それに熱い…………
冗談抜きで死にそうだ。
体も言うことを聞いてくれない…………
また、意識が遠のく
「………、!…坊や………大丈夫かい?………体が冷えきってるじゃないか。ほら、私のローブの中へお入り…」
とても、暖かい声だった。
(熱い………)
またも熱くて目が覚めた。
ここはどこだ…?
ベッドの天幕が見える
てか、その前に熱い!苦しい!
頭もガンガンと痛む…
だが今度は体が言うことを聞いてくれた。
苦しくてジタバタと暴れてみる
(熱い!苦しい…!、誰かっ…)
ゲホッゲホッ…!
叫ぼうとしたら喉が焼けるように痛む。
(うぇ…血の味がする…)
喉が切れてるみたいだ…
少しの間もぞもぞと動いていると
ドアの開く音がした。
「おっ、起きたのか?ってあーあー!…これ!動くんじゃない!」
出てきたのは赤く緩くウェーブした膝位まである長い髪の毛の綺麗なお姉さんだ。
「まだまだ体調が悪いのだ。じっとしておれ」
と優しく頭を撫でてくれる。
だが、綺麗なお姉さんに頭を撫でられても苦しいものは苦しいのだ。
こちらはジタバタとするしか出来ない。
「…あ〜、こらこら!動くでない〜!…ったく、しょうがない……ルミネルに任せようと思っとったが、仕方ない………」
そういい、手をこちらにかざす。
《ヒール》
その瞬間空気が震えた。
そして、そのかざされた手から光が溢れ、暖かい何かが僕を包むのがわかった
すると、ゆっくりと少しずつだが、着々と体が楽になっていく
全回復…とまでは行かないが頭痛がだいぶマシに、暑さも正常に戻りつつあった。
(な、何が起こったんだ…!?)
訳がわからなかった。だが、ヒールと確かにそう言った。だから、そういう事なのだろう。
うん。わからん…
「…ふぅ。坊や、私は回復魔法は苦手なのだ…これで勘弁しておくれ、」
と、お姉さんが言い、おでこにキスしてくれた。
魔法と、確かに言った。
(どういう事なんだ…?)
だが、それを考える暇もなく睡魔が襲ってき、意識を失うように眠りに落ちた。