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リミット・オブ・ペイシェント  作者: 岡由秋重
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さみどりの地

「さて、一応ではあるが仕事内容を確認しておく。まず、2人とも関係するものであるが、第5独立即応旅団は、まだ設立されていない」

「では、いつごろ設立予定なのでしょうか」

「設立は、今年6月を予定している。現在、9つある国立高校に、それぞれ、3個小隊レベルの、国防軍員がいる。これらを統合するのが目的である。実際の旅団の規模には程遠いが、大隊では、指揮官の上に対する融通がきかん。それらを避けるための措置と思って差し支えない。つまり、君たちには、この第5独立即応旅団の設立準備に携わってもらう。以上だな、私はこれで失礼する」

幕僚長が、会議室を出ていき、あとに3人が残された。

「こんなところでもなんだから、大河内将補に充てられた部屋にでも行きますか」

秋草課長が言って、3人は、国防省の地下に移動した。


「これは高校生に充てる部屋じゃないよな…」

「確かにな…」

勇の心からの呟きに、翔も同意せざるを得なかった。

聞こえなかったふりをして、秋草課長が説明を続ける。

「国防省の地下にあるこの部屋は、戦略核の攻撃にも耐えることができ、地中貫通爆弾であったとしても、貫通は不可能な位置にあります。国防軍の中枢システムの上部にあり、緊急事態の際は、下のコントロールスペースに集合することになっています。ここが危なくなった場合は、立川の地下に、臨時本部があります。国防軍外部との通信は、別の通信機器をご利用ください。取り敢えずそれだけでいいでしょう」

「お聞きしたいことがあるのですがいいでしょうか」

翔は、最前から気になっていることを聞いた

()()()()()()()()()()、何故国防省の外局の課長でしかないあなたが、そのようなことまで知りえているのでしょうか」

「生ける(しるし)あり」

唐突に、秋草課長が言った。

翔が答える。

天地(あめつち)の栄えるところにあえらく思えば」

「いいでしょう。私の本来の所属は、内閣情報調査局内務部です。早い話、シビリアンコントロールが行き届くようにするために、つけられたお目付け役みたいなものです。しかし、ここ最近の実情を鑑み、国防軍の情報部には極秘で、国防軍との情報の相互交換を行っています。念のために付け加えますがこのことを知っているのは、幕僚長クラス以上の者のみですのでご内密に」

「わかっています」

「大河内将補、あなたへの説明は以上です。只見君、君には続きがあるので、第四課に行きましょう」

「わかりました。じゃあ翔、後でな」

「ああ」

勇は、そういって、執務室を出ていった。

翔は、一人で、荷物の整理をしなければならないことに、10秒後に気付いた。

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