漫画喫茶へ
ファミレスを出ると今度は彼女が
「あなたの名前は何?」
と聞いてきた。
「そうか、まだ言っていなかったけ?名前は鳥谷隆義。年齢は19才だよ。だから、君が高校一年生のとき三年生だったということになるね。」
「そうですね。」
僕は近くの漫画喫茶につれて行った。値段は12時間で、約2000円だった。こんなに安かったかったけ、と思ったけどそう表示されているということはそういうことなのだろう。
「鳥谷さんはどうしてこんなに親切にしてくれんるですか?」
彼女はこちらを見ずに聞いてきた。
「未来予知ができるからだよ。君には親切にしないと危ないと思うからさ。自分で言うのもあれだけど、僕って結構優しいから始めてあった人でもこのあとに残酷なことがあると思うと親切にするしかないんだよね。」
「じゃあ、私はこのあとに残酷な未来が待ち受けているってこと?」
「大丈夫。そうならないためにこんなに親切にしてるんだから。」
彼女はこの言葉を冗談だと思っているのか、顔が緩んでいた。
「この後、飯田さんはどうするの?」
「その場しのぎで、どうにかするしかないですね。」
「そうか、もし困ったらここに来て。」といい、自分の住所を書いた紙を渡した。続けて、「もしかしたらまた、君についての未来予知が見れたらこっちから君のところに行くかもしれないから、その時は無視しないでくれよ。あとこれ 12時間分の値段ともしもの時の金ね。」
「わかりました。」
彼女はそういって、漫画喫茶に消えていった。
僕もどうしてこんなに彼女に親切にするのかは分からない。しかし、過去のトラウマが影響しているのは間違いないだろう。
家に向かって帰る途中に一人の友人とあった。高校からの友達だ。
「鳥谷だよな?こんなところで何してんだ?」
「別に、ただの散歩だよ。それにしても一年しか過ぎてなくても環境が変わるとものすごく前のことに感じるよな。」
「急になんだよ。」
「久しぶりにあのファミレスに行ったんだよ。」
「そうなんだ。俺も今度久しぶりに行ってみるかな。」
「そうしろ。」
「大学の方はどうだ?」
「まだ数ヶ月しか行ってないのにどうもこうもないだろ。」
「そうだな。じゃあ今度いつか遊ぼうな。時には連絡してこいよ。じゃあな。」
風のように彼は去っていった。