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ゲームトモダチ~裏野ハイツに住む悪魔~

作者: 緑苔ピカソ

 モンスターが現れた。

 赤黒い不気味なその巨体の前に、七人の勇者達が立ちはだかる。

『最初は俺に任せて』

 先頭に立った一人の男はそう呟くと、自慢の剣でモンスターに切りかかった。

『バサッ!』

 攻撃は見事成功。大きなダメージを与える事が出来た。

 続いて魔道士の女が呪文を唱え始めた。

 これも成功。

 それに続き、三人の勇者達が攻撃を成功させた。

 さあ、次はいよいよ俺の番だ。ユースケは緊張した面持ちで、弓を構えた。

『いきます!』

 そう叫ぶとユースケはパッと矢を放った。それは真っすぐにモンスターの体に突き刺さった。

 会心の一撃だ。あともうちょっとで奴の息の根を止められる。ユースケは興奮して息を荒げた。

『頼むぞ、ゴロ』

 リーダーの言葉に、勇者達全員がまだ攻撃していない一人の男を見た。

 その逞しい体。二刀流剣士の新人、ゴロには誰もが期待を寄せている。

『はい』

 ゴロは固くそう答えた。そして、いよいよ彼が行動に出る。




「……え?」

『ユースケ』こと村田裕(むらたゆう)は、思わずパソコンの画面を凝視した。

 最後にモンスターの前に立った男、ゴロは、『防御』を選んだのだ。

『おい、お前何やってんだよ!』

『モンスターの残りHP見た!? たったの5だけど!?』

 案の定、チャット欄は非難の嵐になった。

 そして、その直後。モンスターのターンが回ってきた。

 モンスターはお得意の全体攻撃で、村田のパーティーを全滅させたのだ。

「……はー」

 またか。この何週間か、パーティー全員で必死にレベル上げをし、ようやくこいつを倒す時が来たと思ったのに。

『あと一人、誰でもいいからメンバーを増やさないと』なんて言って、どこの馬の骨かも分からないこんな男を仲間に加えたからこういう事になったのだろう。

 まあ、仕方ないよな。ゴロの奴、まだこのゲーム始めてそんなに経ってないみたいだし。

 裕はゴロに対する怒りを何とか鎮めようとした。しかし、パーティーの他の勇者達は、さっきから怒りをぶちまけている。

『ふざけてんのかよてめえ』

『ふざけてません』

『は? じゃあなんで防御なんかしたの?』

『よくわからなかったんです』

『お前もういいよ、出ていけ』

『まってください、このげーむのやりかたおしえてほしいです』

『お前みたいな奴に教えられる程優しくないんだけど(笑)』

『ユースケ君教えてあげたら?』

 魔道士の女の無責任な言葉に、村田はいらついた。

『じゃあゆーすけさんにおしえてもらいます。ゆーすけさん、いまからあなたのいえにいきます』

「な……」

 村田はそのコメントに恐怖を覚えた。

 この裏野ハイツ102号室に、俺が住んでいるのを知っているのか?

『何言ってんだこいつ』

『ユースケ君、ひらがなしか喋れない野郎の事はほっといて』

 これは俺達を驚かす為の嘘? でも……。

 いまからあなたのいえにいきます。いまからあなたのいえにいきます。いまからあなたのいえにいきます。いまからあなたの――。


『ピンポーン』


「ひっ!」

 玄関のチャイムが鳴った。村田の目線がドアに集中する。

 タイミングぴったりの来訪者。

 よく用もなく来ては勝手にお茶を飲んでいく、201号室の大林(おおばやし)さんだろうか。それとも――。

 村田は怯えながらも、意を決して玄関扉に手を掛けた。


「こんにちは。僕がゴロです」


 目の前にいた者はゴロと名乗っている。だが、村田にはどうもそれが信じられなかった。

 ゴロのアバターは頑健な体、濃い髭、顔中に刻まれた皺から、どう見てもおっさんキャラだった。

 だが、目の前の彼はほんの3歳程の可愛らしい男の子だったのである。

「え……っと?」

 村田は状況が飲み込めず、言葉に迷った。

「本名は新井純(あらいじゅん)です」

「あ。新井さんで確か、隣の部屋の」

「はい、103号室の者です。貴方滅多に外に出ないのに、よくお知りですね」

「ああ、うん……」

 いきなり辛辣な言葉を投げかけられ、村田の心にも刺さるものがあった。

「ちょっとお邪魔させてもらってもいいですか。チャットで言った通り、ゲームのやり方、教えてほしいので」

「はあ」

 ゴロもとい純は早速靴を脱ぎ、丁寧に揃えてから部屋の中へ入って行った。

 全く、ここの住民は他人の部屋に上がるのにも遠慮がない。変わった人ばかりなのだ。村田は溜め息を押し殺して、純を部屋の奥へ案内した。

「じゃあ、ここに座ってくれるかな」

「へえ、良い家具ですね。村田さん、無職なんじゃないんですか? お金はどこから?」

 ……この子は何でそんな事を知っているのだろう。それにこの大人な口振り。明らかに年齢不相応だ。

「ああ……まあ、事情があってね、色々と。お茶でも出そうか?」

「いただきます」

 怪しい子だが、無理に追い出す訳にもいかないだろう。村田は食器棚からコップを二つ、取り出した。




「あ、オレンジジュースだ。有難う御座います」

「いいえ、どういたしまして。で、質問があるんだけど」

「何でしょう」

 男の子は背筋を伸ばしてきちんと座っている。顔立ちは良い。将来さぞモテる事だろう。

「まず、君は何歳?」

「これでも六歳です」

 六歳。見た目から想像していた年齢よりは、少し上だ。

「村田さんはいくつですか?」

「俺は、えっと……三十九か四十か四十一か、そこら辺だな」

「自分の歳も分からないんですか?」

 純は呆れた様に眉間に皺を寄せた。

「祝ってくれる人もいないからね。それで、君はなんでゲームの中のユースケが俺だと分かったの?」

「ユースケさんのユーザー情報を見て、村田さんとそっくりだと思ったので。確信があった訳ではないので、とりあえず会ってみて反応を確かめようかと」

 成程。村田はユーザー情報欄にかなりびっしりと個人情報を書いていた。それがまずかったのだろう。

「うん、大体の事は分かった。じゃあ、君はあのゲームについて俺に教えにもらいに来たんだよね?」

「はい。オンラインゲームをプレイしたのは初めてで、色々と不慣れなところがあって皆様にご迷惑をお掛けしてしまったので」

「ゲーム機は?」

「これです」

 純はズボンのポケットから小型ゲーム機を取り出した。あのゲームはたくさんのゲーム機に対応しているのだ。

 ……しかし、こんな小さな子供がこのゲームをプレイしていたとは。この歳なら俺達と交流し、パーティーに入る事が出来ただけでも凄い。

 村田は目の前の男の子を、天才児として認めざるを得なくなった。

「じゃあ、確認するよ。本当に君は、このゲームを学んでみたいんだね?」

「え? あ、はい」

 村田の真剣な口調に少し戸惑う純。

「そんなあやふやな答えじゃ俺は教えられない。このゲームの奥深さを教えるに相応しい答えをしてくれ」

「え、え?」

「俺はこのゲームの為に命を削ってきたんだ!」

「さ、流石無職……」

「うるさい! 君にその覚悟があるのか!?」

「はぇ……」

 純は二の句が次げなかった。

「もう一度訊くよ。君はこのゲームを学んでみたいんだね?」

「はい!」

 純はもう曖昧には答えなかった。

 村田はにっこりと笑った。それは四十前後の男にしては、とても柔和な笑顔だった。

「俺についてこい」




 それから数週間。純はゲームを教わりに、何度も村田の家を訪問した。

 純はまだ幼いので、当然ゲームの腕前も下手であった。

 が、彼は何と言っても天才児。異常な飲み込みの早さで、瞬く間に彼はレベルを上げていった。

 そして教える技も日に日に少なくなり、二人は別のゲームで遊ぶようにもなった。

 時にはゲームもせず、ただのんびりと雑談して過ごしたりもした。そうやって時を共有するうちに、二人の関係は『友達』に近づきつつあった。




 そんなある日の事だった。

「このゲームなんですよ」

 純は得意気にゲームソフトのパッケージを村田に差し出した。

「『真夏の夜の悪魔』?」

 村田はそれをしげしげと眺めた。

 まさに真夏と言っていい程の猛暑であったその日。二人は、裏野ハイツの空き家である203号室にいた。

 そこは鍵が掛かっておらず、二人の秘密基地となっていたのだ。ゲームソフトやマンガなんかの山が出来ているその部屋で、二人は顔を寄せて話していた。

「裏も見て下さいよ」

 村田は言われた通りパッケージを裏返した。ゲームの簡単なあらすじが書いている。どうやらホラーに分類される物の様だ。

「あ、舞台は夏夜ハイツ、だって」

「そう、それです。その夏夜ハイツ、この裏野ハイツにそっくりなんですよ」

「へえ。例えば?」

「まず住宅情報からして酷似しています。夏夜ハイツの家賃は約5万円です。そして裏野ハイツは4万9千円」

「おお」

「夏夜ハイツは駅に近いとあります。裏野ハイツは駅から徒歩7分」

「おおお」

「間取りが1LDK、これは完全一致。夏夜ハイツはかなり古い建物、裏野ハイツは今年で築30年。木造で2階建て、1階に3戸の計6戸なのも完全一致です」

「おおおおお!」

 村田は感心した。ここまでの証拠が揃えば、このゲームと裏野ハイツとの間には何か関係があるとみて間違いないだろう。

「これだけでも充分なんですが、更に住人情報までよく似ているんです!」

「ええ!?」

「そこでですね、このゲームをプレイしてみてもいいんですが」

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってそれは無理だ!」

 村田は慌てて拒否した。

「分かってますよ、村田さんがホラーゲーム苦手な事位。だから村田さんには、住人調査をお願いしたいんです」

「住人調査……?」

「そうです。住人の情報を集めて、それがゲームと一致するか調べるんですよ」

「とは言っても、俺ここの住人とは喋った事もないよ」

「だからこそ客観的な視点で情報収集が出来るんじゃないかと」

「それも一理あるかも知れないけど……でも……」

「人と喋るのが苦手だ、とかいう無能みたいな理由で却下するのは許しませんよ」

 本心を見抜かれ、びくっと体を震わせる村田。

 村田からすればそれは無理な話であった。人と会うのが嫌で家に引き籠っていたのだから、そんな仕事には向いていないに決まっている。

「大丈夫ですよ。村田さん、ちゃんと髭も剃ってるし、清潔感はばっちりです」

「いやいや、怪しまれるとかそういう問題以前にさあ、また別の問題が――」

「知ってます。でもやってもらいます」

 こいつは将来、SMクラブで女をヒィヒィ言わせたりでもするのだろうか?

 純の将来を心配しつつも、村田はしぶしぶ彼の願いを承諾するしかなかった。




「こ、こんにちは」

 その日の夕方頃。丁度今帰宅した101号室の清崎昭一(きよさきしょういち)という男に、村田は声を掛けた。

「あ、いやあどうもこんにちは。貴方は確か、隣の村田さんでいらっしゃいますよね?」

 清崎の眼鏡の奥の目がにっこりと微笑む。

「はい。あの、実は、ですね、住民調査というのをやっておりまして」

 村田は冷や汗をかいた。普段家に引籠りっぱなしの無職の男が突然話し掛けてきて、しかも住民調査などという胡散臭い事を言い出したら誰だって怪しむだろう。

 この男も温厚そうではあるが、適当に理由を付けて協力を拒むに違いない。

「ああ、左様で御座いましたか。では、わたくしのプロフィールなどを喋ればよいという事ですよね?」

「え、あ、その、はいっ。有難う御座います」

 清崎は村田の想像以上に優しかった。こういう人が詐欺の被害に遭うのだろう。

「わたくしは清崎昭一と申します。生年月日は昭和38年5月10日で、現在の年齢は53歳です。血液型はA型です。現在の勤め先は○○株式会社で、専務を務めております」

「あ、はい、はい」

 村田はその情報をノートにメモした。あまり清崎がすらすらと述べていくので、筆が追いつかない。

「その他に何を申し上げれば宜しいでしょうか?」

「あ、えと……その、同居人は?」

「おります。わたくしの妻、清崎亜紅摩(あくま)と言う者です」

「……アクマ?」

 村田は不気味な気配を感じてぞくっとした。

「ええ、アクマです。亜熱帯の亜に、くれないと書いて紅、摩擦の摩でアクマと読みます。……嫌な感じがする名前でしょう?」

「あ、まあ、そうかも知れないですね」

「本人も自分の名前をつくづく嫌っておりました。彼女の親はまともではなかったんですよ。なのに彼女は良い女性に成長して……本当に立派です、うちの妻は」

 清崎は亜紅摩をとても強く愛している。村田はそう感じた。

「妻とわたくしは高校生の時に出会った同級生です。彼女は名前のせいでいじめに遭っていたのですよ。もう可哀想でなりませんでした。彼女は何も悪くなかったのに」

「それを、ご主人が助けた、と?」

 村田は物語好きの性で、つい先を想像してしまった。

「お察しの通りです、はは。それで付き合いを始め、23歳の時に結婚しました。それからは二人でずっとわたくしの家に住んでいたのですが、五年前程前に彼女が『もっと質素な所に住みたいわ』と言ったので、この裏野ハイツに引っ越したのです」

「へえ、奥さんの一言でお引越しを決めるなんて、凄いですね」

「わたくしは妻には逆らえませんから。彼女は本当に天使の様な女性なのです。儚げな、天使……」

 清崎は恍惚として虚空を見上げていた。清崎の異常なまでの妻への愛に、村田は少し驚いた。

 彼とその妻は23歳で結婚して、今50歳。結婚してもう27年になると言う事だ。

 新婚なら兎も角、長い間夫婦をやっている相手を他人の前でベタ褒めする者はほとんどいないだろう。

「あ、有難う御座いました。では、これで」

「いえいえ、またの機会に」




 清崎の隣の102号室は自分の部屋だから、次は103号室に行かなくてはならない。

 103号室には純が住んでいる筈だが、一応情報を集めておかないと、後で彼に怒られてしまってはいけない。

 重だるさと緊張を抱えながら、村田はインターフォンを押した。

 どちら様でしょうかとの問い掛けに隣の村田ですと簡潔に答えると、程なくして純の母親らしき女性が出てきた。

「こ、こんにちは。実は、あの、住民調査、というのをやっておりまして」

「住民調査、ですか? 失礼ですが、それはどの様な組織の方が実施されているんでしょうか?」

 眼鏡を掛けた大人しそうなその女性は小首を傾げた。緩いパーマをあてた髪が揺れる。

「あ、えっと……お、大家さんに頼まれたんです。この部屋に住んでいる方の簡単なプロフィールを述べて下されば結構ですから」

「ああ、はい、分かりました。私は新井文乃(あらいあやの)と言います。旧姓は佐々木です。年齢は35歳、食品会社にパートで働いています。……こんな感じですか?」

「はい、大丈夫です」

「じゃあえっと、旦那は新井正人(あらいまさと)です。年齢は36歳、建築系の会社で働いています」

「で、息子さんは」

「ええ、息子は新井純、6歳です。幼稚園に入れています」

 聞いておきたい事はこの位だろう。この家族はホラーゲームに出てきそうな闇を抱えた人達には見えないが。

「有難う御座いました」

「いえ、大丈夫ですよ。大変ですねぇ、住民調査なんて」

「いやいや、外に慣れる良い訓練ですよ、はは」




 村田は階段を上った。

 次は201号室だ。いつも村田の部屋を訪問してくれるおばあさんの部屋。村田はふっと緊張が解けた。

 インターフォンを押すと、バタバタと騒がしい音がして、すぐにガチャリと扉が開いた。

「あ、あらぁ、裕ちゃんかぇ。珍しいねぇ、今日は自分から外へ出て」

「失礼だなぁ、俺だって外に出る時位ありますよ。実は今日は住民調査っていうのをやっててね」

「住民調査ぁ? 怪しいねぇ、なんか怪しい」

 村田はわざとらしい溜め息をついた。

「はいはい、なんでもいいから調査にご協力ください。じゃあ、自分のプロフィールを述べて下さい」

「ぷろふぃーる?」

「自己紹介して下さいって事です」

「ああ、そういう事。あたしは大林アオ。年齢は17歳」

「…………」

「を、逆さまにした71歳。性格は姉御肌。趣味は散歩」

「ご職業は?」

「お前さんと同じだよ」

「ほんと……そういうの傷付くから止めて下さいよ。同居人はいませんよね?」

「ああ。本当は子供や孫と一緒に住みたいんだけどねぇ、あっちは嫌みたいだから」

 大林さんに子供や孫がいたというのは初耳だ。旦那さんは既に亡くなっているのだろうか。

 このおばあさんはお喋りだから、自分の近状などはたくさん話すのだが、昔の話や家族の話はほとんどしなかった。

「そうなんですか。じゃ、有難う御座いました」

「もう終わりかい? つまらないねぇ」

「住民調査なんて面白いものでもないでしょう」

「それもそうだけど。あ、隣へも行くつもりかい?」

「ええ、一応全部の部屋を回るんで」

「……止めときな。出てこないよ、あいつらは」

「あいつら? あの、202号室に住んでる人って、どんな人なんですか?」

 村田はこれまでに訪問した部屋の住民情報は知っていたが、202号室の住民だけは顔も名前も知らなかった。

「あいつらは……まあ、いいじゃないか。兎に角止めときなさい、お前さんの調査に協力する様な相手じゃないよ」

「分かりました。じゃあ、もうこれで調査は終わっときます」

 村田はノートをパタンと閉じて、ほっと一息ついた。




「で、結果がこれなんだよ」

 翌日。いつもの203号室で村田は、純に調査結果を纏めたノートを見せた。

「ふうん……。割と普通ですね」

 純の視線は103号室に集中した。

「『備考・奥さんは大人しそうな人だった。旦那さんも少しだけ見た事があるが、穏やかそうだった』……か。やっぱりそう見えるんですね」

「そう見えるって? 本当の事じゃないのか?」

「まあね。うちの親はクズなので」

 純はばっさりと親を酷評した。

「君なぁ、何も実の親に向かって――」

「いいんですよ別に。じゃ、このノートは頂いておきますね。それより、村田さん。僕も村田さんについて一つ情報を得てきました」

「え? な、何?」

「もう、村田さんのご家族はいないんですよね?」

「…………」

 一番知ってほしくない事を、知られてしまった気がした。

「じゃあ、お金はどこから湧いてるんですか? ご両親の遺産?」

「……君には関係ないだろ」

 自分でも驚く程低い声が出ていた。

「あ……すみません」

 純は珍しく、申し訳なさそうに頭を下げた。

「……俺、帰るから」

「は、はい」

 村田は音もなく立ち上がり、部屋から去った。




 村田は両親の遺産だけで生活している訳ではなかった。

 もう一つ、毎年増えていく財源があるのだ。

 それは村田の職業と言えなくもなかったが、それを職業とする事は、『契約』を結んだ相手によって禁止されていた。


 それは、村田が大学三年生の時だった。

 その夏、彼の両親は死んだ。近所のくじ引きで当たった旅行券2人分で沖縄まで行く途中、飛行機が墜落したのだ。

 彼は悲しまなかった。息子である俺の事を考えず、2人だけで楽しもうとするからだ、ザマァねぇ。そう思っていた。

 しかし、まだ働いていない彼にとって、金は深刻な問題であった。親の遺産でしばらくは暮らしていけそうだが、就職出来なかったら将来生きていけなくなる。

 不安を募らせていたところに、『そいつ』は突然やってきた。

『私と契約を結びませんか。そうすれば、年末の2日間倉庫の見張りをするだけで、1年中遊んで暮らしていける金を手に入れる事が可能です』

 いかにも胡散臭い誘いだったが、新たな刺激を求めていた若い村田は、物は試しとそいつと契約を結ぶ事にした。

 そして、約束通り年末の2日間、そいつに指定された場所に赴き、倉庫の前でぼおっと突っ立っていた。

 2日間、と言っても丸々ではなく、飯休憩や睡眠は充分にとる事が出来た。おまけに眠たくなって、うとうとしていても誰にも気付かれない。

 村田はこれで本当に金を貰えるのだろうかと思ったりもした。が、それは杞憂に過ぎなかったのだ。

 見張りが終わると、そいつは村田に大きな鞄を手渡した。

『その中に報酬が入っています。何なら今確認しなさい』

 村田は言われた通り中を覗いた。するとそこには、溢れんばかりの札束が詰まっていたのだった。

 村田はそのあまりの額に、愕然として口も利けなくなった。そんな村田にそいつは釘を刺した。

『いいですか、この契約には条件が2つあります。一つは、この事を職業としない事。もう一つは、この契約を他言しない事です。条件を破れば、契約はなかった事にしますよ』

 そう言い残すとそいつは去った。残ったのは大量の金だけだった。


 それから毎年、村田は年末の2日間だけの軽い労働をした。そして毎年、多額の金を手にした。

 村田は急に真面目に働く事が馬鹿らしく思えた。だから大学を卒業しても、働かなかった。

 ゲームを大量に買い、家に引籠って毎日遊んだ。家事に熱中してみたりもした。それでも退屈な時は、環境を変える為遠くへ引っ越した。

 そして3年前。この裏野ハイツに引っ越してきたのだった。




 ……眠れない。

 その日の夜、村田は布団に横たわった。だが、眠気なんてこれっぽっちもない。

 いつもなら、午後11時を過ぎればすぐ眠たくなる。村田はそういう体質だった。

 しかし、今日は妙な胸騒ぎがして、眠る気になれない。これは一体何が原因なのだろう。

 ……隣から物音が聞こえる?

 それはほんの小さな音だった。何とか103号室の方から聞こえてくると判別出来たが、それが何の音なのかは全く分からない。

 ドン、とか、バン、とか、そういう物音であった。一体隣で何が起こっているのだろう。

 それに103号室と言えば……純のいる部屋である。

 村田は布団から出て、立ち上がった。何かが起こる。村田は確信に近い予感を持っていた。

 寝室からLDKを抜け、玄関扉を開けて廊下に出る。優しい夜風が村田の頬を撫でた。

 すると、あの物音が大きく、はっきりと聞こえだした。

 ドン……バン……ドンドン……グシャッ……。

 村田は恐る恐る103号室に近寄った。そして、唇を引き締めてその部屋のインターフォンを押した。

 その瞬間、物音が止んだ。永遠に続くのではないかと思える程の闇と静寂が村田を襲う。

 そしてそれを切り裂く様に、ドアが開いた。

「……こんばんは。どうなされたんですか?」

 昨日と同じく、奥さんが出てきた。しかし、昨日の穏やかな目に比べ、今の奥さんの目には敵意が感じられる。

「あの、この部屋から物音がしていたので、気になって」

「あらすみません、ご迷惑でしたか」

「いえ、別にそんな。あの……何かあったんですか?」


「え?」

 

 その『え?』という声は、問い掛けの意味を訊いているのではない。『これ以上何も訊くな』という命令を暗に示しているのだ――。

 少なくとも村田には、そういう風に思えた。しかし村田はそこで終わらなかった。

「何かあったんですかと訊いているんです。特に、純君に」

「どういう事ですか? 何かあったかって、貴方には何も関係ありませんよね?」

 奥さんの目は鋭さを増していた。村田はその大きな敵意に身を竦ませてしまった。

 その時。


「村田さああああああああああああああんっ!!」


 物凄いスピードで、部屋の奥から村田の胸に、何かが飛び込んできた。

 純だった。

「村田さん、助けて、助けて、助けて!!」

「分かった!」

 村田は状況を理解するよりも早く、本能で純を抱いたまま走り出した。

 自分の部屋に飛び込み、急いで鍵を掛け、部屋の中に純を降ろした。

 村田は混乱していた。自分が今した事の善悪すら判断がつかない。

 ドンドンドン、と玄関扉が叩かれている。

『おい、開けろ!! 開けろっつってんだよ!!』

『開けろこの馬鹿!!』

 純の両親の声だ。あんな穏やかそうな人達がこんな野太い声で汚い言葉を使うなんて、村田は信じられなかった。

「な、なんだよこの野郎!」

 村田は恐怖を誤魔化す為、大声を出した。しかしその声は可哀想な程震えていた。

『なんだよとはなんだこの野郎が!! テメェ自分が何してんのか分かってんのか!!』

『誘拐だぞ誘拐!! 通報するぞテメェ!!』

 誘拐。なんて不名誉な容疑だ。村田は頭を抱えた。

 しかし、すぐ目の前にいる純を見て気を引き締めた。純は上半身裸の状態であった。その体――普段服で隠れている所には、傷や痣がたくさん出来ていたのだ。

 やはり自分の直感は、間違っていなかった。

「オウやれるもんならやってみろやああああ!! それならこっちはなぁ、児童虐待でテメェら訴えんぞゴラァ!!」

 村田は精一杯声を張り上げた。すると、さっきまでの激しい言い争いが嘘の様に、夜の静寂がハイツを包み込んだ。

 足音が去っていく。村田は大きく息を吐き出した。それから純の方に向き直る。

「大丈夫か!?」

「あ……ありがとう……ございます……」

「いいんだよ、心配すんな。もう大丈夫だからな。こ、この傷ひどいなぁ、いつもこんな事されてんの?」

「はい……。でも……村田さんには、バレたくなかったな……」

「何言ってんだよ、早く言えよこんな大事な事!」

「は、はい……。すみません」

「いいよ。今から手当してやるから、そこ座って」




 傷の手当が済むと、村田は純を自分の布団に入れた。

「怖かったよな……こんな傷つけられて。つらかったな」

「はい……。本当に……怖かったです」

 村田は純の顔を見つめた。こんなに幼いのに利口で、ちょっと子供らしくないところもあるけれど、本当はやっぱり弱くて、可愛くて。

 こんな子を虐待する親は、本当に罪深い。

「でも……親を責める訳にもいかないです」

 村田の思いを知ってか知らずにか、純はそう口にした。

「うちの親が悪いんじゃないんだ。親は真面目で良い人だったんです……このハイツに来るまでは」

 村田は身を凍らせた。

「このハイツには、悪魔が住んでるんだ……そのせいで、うちの親があんな事に……なんで……」

 純は目に涙を浮かべている。村田は純をぎゅっと抱きしめた。それ以外には、何も出来なかった。




 翌朝。

 村田が起きると、隣には誰もいなかった。

 村田は昨日の事を思い出し、純はどこへいったのかと慌てた。LDKの方へ行くと、テーブルの上に小さなメモが置いてあった。

『きのうはありがとうございました』。ただそれだけ書いてあった。

 純は自分の家へ戻ったのだろうか。悪魔の様な親がいるあの家へ。

 ……いや、悪魔の様な親ではない。親に悪魔が憑りついているんだ。

 村田はある事を思い出した。101号室に住む、清崎の同居人だ。

 同居人の名前は確か、亜紅摩。そして清崎の異常なまでの亜紅摩への愛。

 清崎にも、悪魔が憑りついているのだとしたら……?

 更に村田は考える。202号室。明らかに人が住んでいる筈なのに、住民情報はなし。大林さんにその事を訊いても、答えてくれない。

 202号室に、悪魔達が住んでいるんじゃないか――?




「有難う御座いました、お坊さん」

「いえいえ、料金の方は、ちゃんと貰っていますから」

 村田は202号室の前で深々と頭を下げた。

 202号室に悪魔が住んでいる。そう考えてから、村田は202号室へこっそりと入った。鍵は空き部屋同様、開いていた。

 そして中には当然の如く誰もいなかったのだ。それに家具の類も一切置いていない。全てが村田の想像通りだった。

 村田は寺の坊主に202号室を空き部屋として紹介し、何かが憑りついているらしい、除霊をしてくれと依頼したのだった。

 202号室にはやはり何かがいた様で、坊主は部屋の中で一生懸命お経を唱えていた。

「では、また何かあればうちの寺へどうぞ」

「はい、本当に有難う御座いました」

 村田は坊主を見送ると、顔をほころばせた。

 これで、皆悪魔に苦しめられなくて済むかも知れない。坊主の力で悪魔を消せるかは分からないが、除霊が済んだ時、この建物に流れる空気が浄化された様な感じがした。

 村田は軽い足取りで一階へ向かった。

「あ、村田さん」

 階段を降りきると、廊下に純が立っていた。102号室の前にいるから、きっと今から村田を呼ぼうとしていたのだろう。

「おっ、純君! 丁度いいところに、実は君に報告したい事があるんだ」

「え、何ですか?」

「202号室を除霊してもらった!」

「へ? 除霊って、さっき通ったお坊さんにしてもらったんですか?」

「そういう事。このハイツには悪魔が住んでるって、君も言ってただろう? だから、202号室に地縛してるんじゃないかなーと思って!」

「あ、成程! 流石ですね村田さん、有難う御座います」

 純はぺこりと礼をした。その可愛いお辞儀に、村田は自分の純に対する友情がより深まったのを感じた。

「よし、じゃ、遊ぼうか!」

「あの……今日は、外で遊びたいんです。いいですか?」

 村田にとって外はとても疲れる場所だった。たくさんの人がいる。人混みに揉まれ、視線に怯え、その中で遊ぶなんて、村田にはつらい事だった。

 しかし、村田は、

「いいよ、公園行こうか!」

もうこれまでの村田ではなかった。




 今日は楽しかった。

 その晩、村田は寝室で一人、今日の事を回想していた。

 二人でキャッチボールしたり、サッカーしたり、土を掛けあって砂まみれになったり――。どれも相手が純でなければ、あんなに楽しめなかっただろう。

 村田は今ではもう、純の事を親友と考えていた。だが、果たして自分は純の親友としてふさわしい人間であろうか。

 無職、という肩書きが村田にはどうも気掛かりだった。そうだ、働こう。村田はこの歳で就職するのがどんなに難しい事であるか考えず、極めて楽観的にそう思いついた。

 働いてお金を稼ぐんだ。よく分からないあの契約は、もう破ってしまおう。

 外にも出て、社交的になろう。一般人になるんだ。村田は自分の明るい将来を思い浮かべ、顔をニヤつかせた。

 おっと、もう寝なければ。村田は時計を確認し、布団を出そうとした。


 ……ぴちゃ……ぴちゃ……。


 手が止まる。

 なんの音だ? 少量の水が落ちる音の様だが……。

 蛇口の閉め忘れだろうか。もったいないから閉めてこよう。

 村田は寝室からLDKに移った。

 電灯を点けて、キッチンのシンクに目をやる。蛇口から水が零れている様子はない。


 ……ぴちゃ……ぴちゃ……ぴちゃ……ぴちゃ……。


 耳を澄ますと、音は風呂場の方から聞こえているのが分かった。

 風呂はさっき入ったばかりだから、その時に閉め忘れたのだろう。

 それにしても、よく寝室まではっきりと音が聞こえてきたものだ。

 村田は脱衣所へ入った。音はだんだん大きくなってきている。やはり風呂だったのだろう。

 村田は風呂の電灯を点け、曇りガラスのドアを開けた。まずシャワーの方を見る。水はちゃんと止まっている。

 次にノズル。これもちゃんと止水していた。

「あれ?」

 狭い風呂場を見回してみる。どこかから水が零れていないかチェックするが、風呂場はもうどこもかしこも乾ききっていた。

 気付けば、いつのまにか音が止んでいる。単なる空耳だろうか。かなりはっきりと聞き取れたのだが……。

 村田は風呂の電灯を消し、LDKまで戻った。

 そして寝室の扉に手を掛けた、その時。


 ジャーーー!


「え!?」

 突然、シャワーを全開にした時の水の音がした。明らかにこの家の中のシャワーだ。

「何で、どうして……」

 村田を言いようのない恐怖が襲った。

 ――俺以外にも、誰かいるのか?

 村田はそんな考えを振りほどいて、脱衣所に入った。さっき消した筈の風呂の電灯が点いていた。

 そして曇りガラスの向こうには、何か赤い物が見えた。

「こんなの……有り得ない」

 誰だ、誰がいるんだ。村田は立ち竦んだ。もうこのドアを開ける勇気は残っていない。

 しかし、村田は歯を食いしばった。もうこれまでの俺じゃないんだ。俺は生まれ変わったんだ、そうだろ?

 村田はドアに手を掛け、一気にそれを引いた。


 バァン!!


 大きな音と共に、村田の目の前に赤い物が広がった。

 錆びた鉄の様なにおいがする、ドロッとしたそれは、シャワーから流れ出て、床に落ち、村田の足にまとわりついた。

「あ……あ……あ……」

 村田は叫び声すら出なかった。その場に崩れ落ち、頭を抱えた。

 

「血! 血! 血! 血! 血! 血! 血! 血! 血! アアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


 村田はようやくそう叫んだ。喉が張り裂けそうだった。もう村田は正気ではいられなかった。

 シャワーから流れる血を見た瞬間、村田は悟ってしまったのだ。

 このハイツにはまだ悪魔が住んでいるんだ。そして俺の契約、あの夢みたいな良い条件の契約の相手は……悪魔だったんだ。

 何故そんな事が今分かったんだ? 理由は簡単だ。

 そこに奴がいるからだ。奴が俺に分からせたんだ。

 今、このタイミングで、分からせた理由は――。

「アアアアアアアアアアアアアア!!! 悪魔ァァァ!! そこにいるんだろ、出てこいよ!!」

 村田の頬を涙が伝った。もうこの恐怖に耐えられない。

 ごめん、純君。もう少し、君と遊んでいたかったな――。


 村田の背中を、冷たいモノが撫でた。




 ある、六畳の狭い部屋。

 その部屋の隅っこに座り、俯いて涙を流す一人の少年。

 新井純。

 彼はある男の死によって、強い悲しみに襲われた。

 もういっその事、僕も死んでしまった方がいいのか。そう考えてしまう程に、彼は追い詰められていた。

 そんな彼の肩を、誰かの手が優しく叩いた。

 彼は顔を上げて涙を拭く。そこには見た事もない女の人がいた。とても綺麗な顔立ちをしている、髪の長い、女。

「坊や、どうして泣いてるの?」

 彼女は透き通った声で少年に問うた。

「……誰、ですか」

 少年の声は掠れていた。

「私は悪魔」

 彼女はそう言って微笑んだ。天使の様な笑みだった。

「……何故悪魔の姿をしていないんですか」

「あら、悪魔にだって色々種類があるのよ。私はね、この裏野ハイツに住む悪魔の集合体。この姿は、『山野亜紅摩』という人間を騙った悪魔の体」

「お前が村田さんを殺したんだろ!!」

 少年はいきなり叫んだ。悪魔は驚く様子もなく、ただ小さな笑みを浮かべたままだった。

「あの人がいけないのよ。除霊なんてするから。ね、お分かり?」

「村田さんを帰せ!!」

「悪いけれどそれは無理よ。それにね坊や、私だってあともう少ししたら消えてしまうの。除霊って、悪魔にも効果があるのよ。だけど完全に悪魔が消滅するまでには時間が掛かる」

 彼女は窓の外に視線を移した。

「だからその時間に、村田裕を殺したのよ。だってそれもしょうがない事なんじゃない? 彼ってね、私達悪魔と契約を結んでいたの。だから無職でも優雅な生活が出来たのよ」

「嘘だ……」

「悪魔と契約を結んだのなら、悪魔に殺されても仕方ないわよ」

「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!」

「そうやって全てを信じずに生きていくといいわ。あの人を失った今、貴方の生き方なんてそれしかないものね」

 悪魔は冷たく言い放つと、少年をまじまじと見つめ、可愛い猫撫で声を出した。

「これで良かったんじゃないかしら。だって私が消えたら、貴方のご両親やこのハイツの住民がまともに戻るのよ。被害を受けたのは薄汚い無職の男だけ。ね、素敵でしょう?」

「……黙れ……消えろ……」

「分かった。消えるわよ。それで満足なら。じゃあね」

 そう言った数秒後、悪魔の体から色が徐々に抜け落ち、やがて彼女は完全に消え去った。

 誰もいない部屋の中で、純はずっと蹲っていた。




 村田さん、僕は貴方を一生恨みますよ。

 貴方は最初で最後の、僕の本当の親友になってしまったのだから。





お読み下さり有難う御座います。


ホラー企画参加間に合って良かったです。


P.S.ご評価・ブックマーク有難う御座います!

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