僕と君と隔たりのある世界 - Another Day -
2015年4月1日にエイプリルフール用として書いた小説です。
まだ書き始めてもいない「僕と君と隔たりのある世界」というオリジナル小説の前日譚と後日談を書いてます。
かなり読者を置いてけぼりにしているので、予めご了承ください。
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「嘘」であることを誰も知らなければ、それは「真実」と変わらない。
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私は一度死んでいる。
私がこうして生きていることは、嘘であり
私が実は死んでいるということは、私以外の人には嘘である。
5年前―――4月1日。
私は、車に撥ねられた。
その衝撃は凄まじいものだった。
その時、鏡でもそうそう見たことがない自分の背中が見えていた。
眼下に広がる光景は、私の腕、私の脚も、私の体・・・
見事にバラバラ、まるで舞い散る桜の花びらのように宙を舞う私の肉片。
この世から意識が切り離される最後の光景。
それは、私で散らかった、いつもの商店街の俯瞰風景だった。
/ 暗転
5年前―――4月1日 / 改。
私の『死』は嘘になった。
あの痛みも、あの風景も、鮮明に覚えているのに、紛れもない現実なのに、そんなことは無かったことになっていた。
私を撥ねた大型のトラックは、私の前を猛スピードで走り抜け、数十メートル先で横転していた。
奇跡的に誰を巻き込むことなく、商店街を半壊させ、運転手はまるで脱皮したかのように、内蔵を撒き散らして、皮だけはフロントガラスにひかかっていた。
「ちょっとばかし奇跡すぎちゃったかしら。通行人を20人くらいは巻き込むべきだったかしらね?ま、4月1日だし、いいか」
そんな事を言って、いつの間にか私の横に立っていた女性が私の肩にぽんと手を乗せてきた。
不思議そうに彼女を見上げると
「あら?私のこと覚えてない?」
と言われた。
「え?ご、ごめんなさい・・・。どこかでお会いしましたか・・・?」
少し考えて思い出そうとしたが、どうしても思い出せない私は、そうやって謝りながら尋ねた。
「そうね。会ったといえば会ってないし、会ってないといえば会ったことあるわね」
彼女はそんな意味不明な言い回しで答える。
これが、私と彼女・・・四月朔日咲夜との出会いだった。
この2年後、私は彼女に弟子入りすることになる。
/ 暗転
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「嘘」を貫き通せば「真実」になる。
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四月朔日咲夜。
世界に10人も居ないと言われる「魔法使い」の一人。
通称、『嘘つきの魔女』。
能力は〝言霊使い〟。
詳しいことは知らないが、何かしら条件が整っていると、彼女が言うことが〝現実〟になるという。
しかし、それが本当かどうかも定かではない。
「ちょっと出てくる。心配するなすぐ帰ってくるよ。鍛錬は怠るなよ?」
そう言って、2ヶ月前に出て行ったきり彼女は帰ってこなかった。
生きてるのか、死んでいるのかも分からない。
私たち「魔法使い」は魔導機関から、〝保護指定〟されている。
私から言わせれば〝指名手配〟。
イギリスの情報機関、SISの魔導部署主導で行われていて、稀少な〝能力者〟を・・・というか〝能力〟を〝保存〟するために、保護するというもの。
しかし、〝能力〟を発動させる遺伝子のようなものさえ〝保存〟できれば良いらしく、使用者の生死は問わないというのだ。
「魔法使い」は〝能力〟とともに戦闘能力も高いため、結果、SISの工作員たちも殺し屋のような人間ばかりで構成されている。
私も「魔法使いの弟子」ということで狙われたことがあったが・・・
私の〝能力〟はその時はまだ不明で、「魔術」もろくに使えない「魔法使い」として、「最弱の魔法使い」という称号とともに解放された。
だから私は、「魔法使い」でありながら〝保護指定〟から外された。
師匠が、〝保護指定〟の奴らに捕まったとは思えないが・・・万が一ということもある。
そこで私は、師匠を探すためにある決断をした―――。
「六月一日愛々。君のコードネームは『JUNE』だ。安直で面白くないかい?君の師匠さんが『エイプリル』だから、良いと思ったんだがね。ふふっ、それではようこそ、SIS、魔導部署へ」
/ 2015年4月1日
水無月和です。
初めまして。もしくは、お久しぶりです。
なかなか、技術的にも気持ち的にも書きたいものを書きたいようにかけず
しかし、やはり書きたいと思っている今日この頃。
毎年、何かしらエイプリルフールネタで小説を書こうとして、いつも話がまとまらず断念してました。
今年も、結果としてはエイプリルフールネタにはならなかったのですが・・・
書き上げたというには、内容がお粗末すぎますが・・・
僕の中で「出来上がった」ので掲載します!
これを期に、せめて「僕と君と隔たりのある世界」をしっかり書き始めようかなぁ・・・とか思ったり思わなかったり・・・
読者が一人でもいらしゃるのであれば・・・頑張らなくっちゃなぁ・・・
ってなわけで、水無月和Reboot!のきっかけになればと思い掲載しました。
このような駄文、読んでくださりありがとうございました。
感想を書きづらい内容でしょうが・・・
何かご意見ご感想があればなんでも申してください。
あ、とある作品のパクリじゃね?ってのは承知の上なので、そこは暖かくスルーして頂ければ幸いですw




