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家族になろう 4
「もう寝たのね。ありがと。」
あぁ。と答えて彼女と一緒にソファーに腰を下ろした。
随分大きくなったお腹。
なるほど、これを見れば“おねーさん”と言って見たくもなるわけだ…。
「体調はどうだい?」
「えぇ。大丈夫よ。」
愛しそうにお腹をさする彼女は、もうすっかり母親の顔だ。
「やっぱり君の子だね。お姉さんになるから、絵本一人で読めるようになる、って言ってたよ。」
さっきまで読んでいた絵本を見つめてそう言うと、「でしょ?」と笑う。
これは、昔から変わらない。無邪気で僕が大好きな笑顔。
「ねぇ、…ありがと。」
「あぁ。…こっちこそ、ありがとう。」
交わした感謝は、何に対してだって?
それは、もちろん…。
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読んでいただき、感謝いたします。
ありがとうございました。