家族になろう 3
「パパ、あーちやんね、おねーさんなるから、ひとりでえほんよめるようになるの。」
“おねーさん”か…。
君も随分と大きくなったんだね。
ついこの間までは、泣いてばかりでハイハイをしていた君だと思っていたのに…。
すっかり、真っ直ぐで凛々しい、母親似の美しい女性だ。
だからきっと、君の下に出来る小さな命は、幸せな子になるだろうね。
いや、必ず僕らが幸せにするよ。…君とその子を。
「そうかい。それは頼もしいおねーさんだ。じゃあ、それまではパパと一緒に読もうか。」
親バカなんて言わないでくれよ?
ただちょっぴり愛娘に甘いだけさ。
あぁ、彼女にはもっと甘いんだけどね。
でもこれは、天然な僕の奥さんは気づいてないから秘密だよ?
本を読み終えてから、頭を撫でてやると、嬉しそうに目を細めて、うとうとし始める。
「さぁ、そろそろ布団に入ろうか。」
軽い体を抱き上げて、ベッドに運ぶ。
虚ろな目で、パパ、おやすみなさい。とゴニョゴニョ言うと、可愛い寝息が聞こえてきた。
エンジェルスマイルで眠る可愛いお姫さま。前髪を優しく撫でてやる。
「おやすみ。よい夢を。」
そう言って静かに部屋を出ると、彼女が笑っていた。
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