家族になろう
「ねぇ、パパ、えほんよんで。」
小さな両手に、この前買ってあげた絵本を大事そうに抱えてやって来た愛娘。
ピンク色のパジャマには、大好きなキャラクターのプリントがされている。
もう、赤ちゃんじゃなく“女の子”にまで成長したんだね。どんどん大きくなる君は、本当にすごいよ。
「あぁ、いいよ。こっちおいで。」
自分が読んでいた文庫本を机の上に置いて、あぐらをかくと嬉しそうに笑って僕の上にちょこんと座った。
そんな笑顔となびいた髪は母親似だ。
本当に、嬉しい時に目尻を下げ首を傾げて笑うところは、君にそっくりだよ。
「今日は、どこからだい?」
「うーん…さいしょっから~。」
でも、暗記が苦手なのは、僕似かな…? もう少し大きくなったら、学校の勉強でも一緒にやろうか。
君のママは、そこまで厳しい人じゃないけど、君のママみたいに沢山の周りの人を笑顔にできる人になって欲しいから、沢山の「言葉」を知っていて欲しいんだ。
この絵本みたいに、愛情溢れる言葉のぬくもりを。
『 これは、すてきなせかいの、
すてきなすてきなおはなしです。
そこには、えがおかがとてもすてきな おひめさまがすんでいました。 …』
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