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小説ω

変な墓

作者: チリパブロン

 ホラーじゃないよ。

 オチも何もない話。


 先日、帰省したついでに祖母の家に寄ったら「お墓参りに行きたい」と言われたので、私の車で一緒に行くことになった。


 初めて行くところだったが、祖母の案内もあってなんとか到着することができた。足の悪い祖母を霊園の入口で降ろし、私は少し離れた駐車場へ車を置きに行った。


 祖母に少し遅れて霊園に入ると、一際目立つ変な色のお墓が目に入った。上の方が深緑色で、下に行くにつれて色あせて薄くなっている。


 緑の墓なんて見たことがなかったのでもっと近くで見たくなった私は、すぐにその墓の前まで歩いていって、その墓石に彫られている文字を見て驚愕した。


 太く立派な字で「ブロッコリー」と彫られていたのだ。


 私の脳に、疑問符が群になって襲いかかってきた。なんだこれは。


 ブロッコリーが人名だとして、苗字だとして、そこは「ブロッコリー家之墓」とか「ブロッコリー家先祖代々」とかじゃないのか。ていうかあだ名なんじゃないのか。もじゃもじゃヘアーだったとか。


 いや、そもそもお墓なのか? 墓の形をしたブロッコリーのモニュメントの可能性はないか?


 いやいや、お墓の真ん中にブロッコリーの形をしていないブロッコリーのモニュメントを置く意味なんてないだろ。


 でもでもでも、もしかしたらここの住職が頭のおかしい人間で、そういう変なものを作って飾っているのかもしれないし。


 周りに誰もいないのを確認して、角を齧ってみた。歯が死んだ。


 もしかしたらと思って噛み付いてみたのだが、紛うことなき石だった。


 なんなんだよこれ。


 もういいや、帰ろ。


 霊園を見渡す。


 祖母がいない。


 徘徊タイムだろうか。仕方ない、1人で帰ろう。そんな日もあるよね。

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