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第4章 8話 現れた助っ人

佳奈から、助けて欲しいと頼まれた彩夢。


いつも通りに、学校に通えるように……そして、いじめを解決するために、僕達は動くことにした。


見た目は何とかしたし、あとは学力と道具か…

「使役?知覚動……なんじゃこりゃ!!」

 ガン!僕は肘を机に当てて唸りあげた。



「も〜〜うるさいわよ!」

 マリは、使い魔のブラッシングを邪魔されて怒っている。気づかないうちに声が出ていた。


「すまない」

「別にいいわよ。ん、貸しなさい。」

 マリはプリントを見ると、あぁ。これね。と呟いた。ベッドにはヒヨコが満足そうに眠っている。



「アタシは分かるわよ。これ。」

「本当か?」

 マリは勢いよく頷いた。


「だって、私22歳で死んだから。大学も行ってたし留学済みよ。」

(この人年上なのか?)


「何その顔? さ、ビシバシやるわよ!!」




 次の日の現実。僕はマリ達を連れて来ていた。


「なんか、やつれていません?」

「気のせいだと……思いたいがな。」

 何ヶ月ぶりの勉強だったのか、頭がぼーっとする。ずっと高校で作品と喧嘩していた僕には未修復の内容が多すぎて不安だ。


「今日は、何をするの?」

「護身用と罠用に今回は道具を揃えよう。」

「何する気ですか?」

 佳奈は眉をひそめながら、首を傾げる。


「安心してくれ、準備はしてある。」

「それって」



 ピンポーン

『師匠! 来ましたよ!』

 音と共にブレスレットから声が聞こえてきた。佳奈がそっとインターホンを見ると固まっていたので、代わりに見ると筋肉質の少年がニコッと笑っている。


「……誰。」

「師匠ー! 開けてくださいよ! 師匠の為に1時間走ってきたんですからね!!」

 相変わらず元気そうだな。僕はドアへ向かい鍵を開け部屋の中に連れて行った。



「初めまして! 俺は牙陪欄(がべら)って言うっす!」


(彩夢、彼は誰?)

(魔力は感じませんが)

 マリと使い魔が戸惑いながら僕を見る。


「僕の後輩みたいな感じだ。」

「師匠には恩があるっすからね! たまに相談に答えてくれたり頼りになるんですよ!」

 牙陪欄は何故か口調が変わっているよーな。ま、後でいいか。


「よし、牙陪欄。」

「はいっす!」

 牙陪欄は、パソコンを置くとカタカタと音を立てていく。



「楽ゾンですか?」

「あぁまとめ買いしておくか。これ欲しい、10はいる。」

「…っす! あっでも、こっちの方がお買い得ですよ。」

 凄い勢いで、スクロールされる商品を僕は指さし、牙陪欄は見逃さずにクリックしていく。


「凄いコンビネーションね」

 マリ達は、唖然と見とれていた。



 ――数分後

「これでいいですか?」

「あぁ、完璧だ。」

 僕は項目を確認して頷くと、牙陪欄は手続きを始めていく。


 天空に住所は無いし佳奈の所に大量に届くのも迷惑だ。佳奈はスマホ、パソコンがあまり使えないらしく、ネットに強い牙陪欄に相談してみると飛んできてくれた。


 ちなみに僕がお金を払っている。そこはしっかりしないとな。

「荷物は、師匠が取りにきてくださいね。」

「勿論。」


 牙陪欄は手続きを終わらせると、佳奈達に僕との関係を話し始め始めた。

「……っという事がありまして師匠は俺の恩人なんです!」

「今学校は?」


「師匠のおかげで何とかやってますよ!」

 暫く僕と過ごして問題を解決した話をしていると、腕時計を見てパッと立ち上がった。



「すみません、今日はこれから用事があるので失礼するっす!」

「そうか、わざわざ来てくれてすまない。また何かお礼する」

 僕がそう言うと、牙陪欄は嬉しそうに頷いた。


「はいっす! 楽しみにしてますからね。」

 僕達は玄関から走りながら帰る牙陪欄を見送った。


「あの人も頑張ったんだね。」

「あぁ。色々大変だったけど、大切な事も教えてくれて感謝している。」

「そっか……両方にとっていい結果になったんだ。」

 まあ、大変だったがお互いいい結果になったな。



 その後、プリントを机に置き最終計画を決めていく。


「という訳だ。できる限り、集団で行動しよう。まともそうなのはいるか?」

「っはい。昨日見た感じ、1人は」

 まずはその子の様子を見よう。僕達はあまり群れない方がいいと思うし。


「いいか、何かあったらすぐに声を出せ。佳奈は普通にしてくれたらいい。挑発はするな。」

「うん。分かった。」


「姫と私は違う事をしているので、何かあれば合図を。」

「分かりました。」

 マリと使い魔は最近忙しそうにしているようで大変そうだ。何しているがしらないが。



「じゃあこれで。佳奈、いつからいけるか?」

「えっと。2月23日からにしましょう。先生はいつでもと言っているので。」


 2日後か。その間にもっと細かく計画しないとな。

「分かった。その日に乗り込もう。」

「うん!」






 ――その頃

「申し訳ありません。」

「油断。した……。」



 1人の少年は小さな水晶を見ていた。

「もういいよ。もう彩夢は見つけたし、彼さえいればもういらないし」



「待ってくださっ……お願いします! 」

「捨てないで。僕。頑張る。から……」



 2人は泣きながら、地面に頭をつける。少年はため息をつきながら、立ち上がった。

「じゃあ弥生をさ…」



「捕まえてきてよ。まだ利用出来るし、彩夢の大事な仲間だからね!」

「やあ牙陪欄!やっと来たな。」


「え、誰ですか?」

「あぁ……言ってなかったな。零だ。色々あって女になっているが。」


「あっそういう趣味ですか!? 俺、最近アニメみたんですけど、流行りのコスプレですよね! パットとか何枚入れました!?」

「知らん。というか違うから。これガチなやつだ。」


「えっ?それもですか?見せてください。見たいです。」

「断る。」

僕は胸に手を伸ばそうと近づいてきた牙陪欄に思いっきり右フックをかました。

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