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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
現実世界でまた

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第4章 2話 味方

大幅に変えたので投稿し直します。申し訳ありません。


天空の願いは、自ら死ぬ事無く幸せに最後まで生きる事…


転生前者を見つけ、問題を解決し生活をサポートする。それが僕の役目だ。


弥生と別れ、冥界から来たマリと使い魔と共に現実世界にまたやってきた。

 僕が目を覚ますといつもの現実の風景があった。今日は少し雲がかかって少し暗い。

「……」


 店のガラスに自分を写し姿が変わった事を確認する。

 周りを見るとマリと使い魔らしき姿があった。髪の毛は薄ピンクと色が落ち着き周りにも馴染んでいるな。


 服は変わらず露出が多いが。

「痛っこれ滅茶苦茶じゃない! ああ、せっかくの化粧が」


 マリも僕の横で姿を写すと、途端に頭をかかえてうつむいていた。また隣に並んだ使い魔は少し青がかった黒髪を見あげていた。服はカジュアルな感じの服を着ている。



「髪を染めていたはずなんですけどね。」

 使い魔は髪を触りながら困り顔で鏡をみていた。



『天空として死んだ人間をそのまま現実に出す訳にはいかないから少し変えているんだ。あぁ、あまり言いふらさないでくれよ』

 眼鏡からウィストリアの声が聞こえてくる。


「……眼鏡から声が?」

『びっくりしたか?これなら指示も出せるし情報も正確だからな』


「何してくれるの!?」

 使い魔は眼鏡に驚き、マリはウィストリアの声に反応して怒りを見せる。



『恐らく化粧や染め物は地界の魔素の物だろう。魔法を使う時に消してしまったようだ。2人共すまない。』

「「打ち消された。」という訳ですか。 なら仕方ありませんね。姫、怒っても仕方ありません、落ち着いてください。」

 使い魔はマリをなだめていた。



『お詫びというわけでは無いが、天空の資金なら好きに使ってくれて構わない。』

「え、いいの?」

『あぁ。天空が持っていても意味が無いからな。』

 マリはそういうとパッと顔を明るくした。


「ありがとう、ウィストリア! 現実の方がいい物があるしね!」

 ウィストリアに従い、僕は資金を2人に渡してあげた。流石に大金は良くないから3万円。高校生からしたら大金だがな。



「なぁ、本当に手伝ってくれるのか?」

「もちろん! 私に任せて!」

 マリはそう言いつつも、遠くのコスメショップに目が流れていく。少しだけ……いや、女性って1度買い物をすると止まらないイメージがある。


「今から現場に向かう。速くしないと時間が無いんだがどうする?」

 僕はマリの顔を見ると「ん〜」と唸った後、何かに気づいたように顔を手で隠す。



「行くに決まってるでしょ!? でもすっぴんだから! あんまり見ないで。」

 マリは恥ずかしそうに背を向けた。


「あんまり変わらないし綺麗だと思うけど。」

「まっーたく違うの!! 行くわよ、ピーちゃん!」


「という事らしいです。では、また」

 そう言うと、マリは少し跳ねるように路地裏に消え使い魔もついていった。


「大丈夫か?」

『……とりあえず今は向かおう。眼鏡に従って向かってくれ。』


「分かりました。」

 2人の事は何とかなるだろう。僕は眼鏡に映る矢印の方向へ進んでいく。空は少しづつ暗くなっていき、いつしか雨が降り始めた。


「……」

 雨はさらに強くなっていく。僕は足を取られながらも必死に前へ進んでいった。

 30分ほど歩くと大きな川が目の前にある。川。というより濁流だ。水は濁り木の枝が混ざっている。


 僕は眼鏡を服で拭いて必死に目を凝らした。――おそらくここにいる。



「……っ。」

 しばらく川にそって歩いていると1人の女の子が濁流の近くで流れを眺めていた。


 すると、足を前へ前へと運んでいく。



『彼女が転生前者…』

「待って!!」

 ウィストリアの言葉より速く僕は声を上げていた。彼女は驚いた表情で、震えた足を止め僕を見つめている。



「…っ」

 軽く微笑しながらも視線を前へ向けた。


「もう死にますから。ほっといてください。」

 ボソッと呟き彼女は思いっきり足を踏み込む。



「っ!」

 視界を拭いながら僕は必死に彼女の腕を掴んだ。雨で靴が滑りそうだ。膝を地面につけ、彼女が落ちるのを何とか止める。


「待て。僕は君に生きて欲しい。」

「何なんですか! 急に邪魔して!! そう言うのもういいですから! うんざりなんです!」



 バチバチパチパチバチバチパタパタバトバトバタバタッ

 雨がどんどん酷くなっていき、視界がほぼ水だ。



「大変ね。他人の為にこんな事するなんてアタシには分からないわ。」

「そう言う姫も同じような事をしましたけどね。」

「なんの事?」


「いえ何でも。しかし……この雨とても気分が悪いです。」



「誰も私なんか!」

 この雨の中でも鋭い声だけははっきり聞こえてくる。彼女は叫びながら泣いている。腕はだんだん冷たくなっていき振動も大きくなっていく。


『原因は学校のいじめ。友達はいない。高校生の間、ずっと一人でいたようだな。』

 冷たい空気の中ウィストリアの声が耳に響く。



 一人か。僕は彼女ほどの痛みは分からない。けど、誰も味方をしてくれなくて辛くて寂しい気持ちは僕にも分かる。



「僕は君の味方だ。」

「……っ」

「だからここにいる。 君が生きてくれるならどんな事だってする。」

「っ」


 彼女が動揺している間に身体を引き上げた。彼女の足が地面につく。

「…………………え?」

「あぁ。」


 僕は姿勢を戻し彼女と向き合い、静かに頷いた。


「ーっ」

 速く暖かい場所に。僕は彼女に手を伸ばし自分の身体に引き寄せた。


 彼女が僕にくっついた途端

「…あっ」


 彼女が足を滑らし2人で真っ逆さまに落ちていく。嘘だろ。



 ボチャンチャン

 川に投げ出され濁流に飲まれていった。必死で彼女の手を握っているが波の圧が襲う。




「あれ彩夢消えたんだけど。ね、ピーちゃん?ピーちゃん!?」

魔力って色々あるんだけど今回は魔素の種類について説明するわ。


魔力は「魔素」が集まり力として変換したもの。が地界の理論ね。天界は違うかもだけど。


魔素は様々な色があるわ。でも、炎使いだから炎を発する魔素だけを集めないと魔力にならないのか?ではなく、色関係無く集めて自分自身の適正の魔色に染めれるの。


魔色とか集め方はまた今度ね。地界の奥にいけばいくほど浮いてる魔素は黒くなっていき、天界は白くなっていく。最近はその魔素から色んな道具が作られてる。


今回の補足をすると白と黒の魔素は対立するの。量が多い方で決まる感じね。ほら絵の具とかも、黒の上を白で上書きするじゃない?消すって感じ。


あんな感じで、ウィストリアとスプラウトの魔力に対して道具の魔素は弱いから負けたって事かな。


「そう簡単に黒は消せないぞ。漆芸をしていた意見だ」

「それは例外よ!」

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