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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
第三章 精霊界徘徊編!

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第3章 21話 新しい風?いや、不穏?

クロクと共に精霊達の病気を治すことになった。


しかし、クロクの調子が悪化する。そんな時に来た知らせは魔力を持つ人間が現れた…だった。

「クロク!?」

 小屋の周りを探してもクロクの姿は無かった。必死で見ようにも暗闇では何も出来ない。


「……」

 1度戻り、『精霊達の事は任せた』という木の板を見ると、書かれた字は少しふらついていた。


 あの状態でクロクに何かあったら。例え、あの力が使えないと分かっていても心配だ。僕はすぐにナイフを手に持った。


「よし。」

 日が明るくなったら出かけよう。そう自分に言い聞かせ決意する。


 足でまといになるかもしれないが、それはその時に考えればいい。今は何よりクロクが心配だ。




「………っ」

 その頃、クロクは多少足元をすくわれながらも歩いていた。物音一つ立てず目を見開きながら。


 ――パシュ

「……っ」


 突然、何処からか向けられた弾丸をクロクはヒラリと交わす。

「これ」



「バレましたね。この暗闇の中、まさか反応出来る人間が居るとは」

 遠い木の枝に「姫」と名乗る女といた男が、細長い銃をもち唇を噛んでいた。


「相当な魔力量を持っている。これは姫に伝えなければ。……ん?」


 そう立ち上がった時にクロクの姿がない事に気づいた。彼が目を疑った瞬間に

「――!」


「誰君?」

 たった数秒でクロクは遠くの男の首元にナイフを突きつけた。


 しかし、男はこの状況でただ笑っていた。

「これはこれは。とんでもないものに喧嘩を売ってしまったようです。」



「ねぇ、誰って聞いてるんだけど?殺すよ?」

 クロクは低い声でナイフを首元に近づけていく。刃は首筋に触れ血が流れ落ちる。


 すると男は、はぁ……とため息をつきながら

「ピヨッ」


 黒いヒヨコの姿になると、体勢を立て直しクロクの前に姿を見せる。



「貴方に会いに来ました。話でもしませんか?私は怪しい者ではありません。」

「君、地界の使い魔かい?地界から僕に何の用?」

 クロクは疑うことを辞めず質問を続ける。男はその質問を聞かず話し始めた。



「私は我が主の為、ある人を探しここに来ました。貴方は詳しいと聞いたので人探しに協力してください。」

 男はポケットから紙を取り出しクロクにみせる。そこにはある似顔絵が描かれていた。



「――!」

「何か、知っているようですね。」


「……君に教えることは何も無い。」

 とクロクが離れようとしたが、足元を影が掴む。振りほどこうにも足を固定されたクロクは身動きが取れない。


「……っ。いつもなら簡単に」

「少しでいいんです。何か教えてください。」


 逃げ道が無いと察したクロクは仕方ないと呟いた。かまえていたナイフを下ろし彼に詰め寄る。


「なら僕と賭けをしないかい?」

「賭けですか。」

 クロクは腰にナイフをしまうと、ニコッと笑う。


「今から戦って、君が勝ったらその子について教えてあげる。」

「知っている。と言う事で?」

 男の問にクロクは頷いた。


「でも、僕が勝ったら……君を天界に連れていく」

「私を?何故ですか?」


「気にしなくていいよ。どうせ君が死ぬんだから。さぁ、どうする?」

 意味が分からない条件に悩みながらも男は口を開いた。



「分かりました。我が主の為、この生命を賭けましょう。」

「そう?あははっ、いいね。久しぶりに楽しめそうだ。」


 クロクの足元にある影が消え、男が左手に文字を書く。

「じゃあ承認してもらうよ?」

「勿論。……アドセント」



 男の腕に鎖が巻きつくと、2人はすぐに距離を取る。


「じゃあ死んで貰うよ。」

「こちらも同じような意見ですね。」




 暫くして日が出る頃、彩夢は立ち上がった。花には光が当たり嬉しそうに葉を広げる


 いつもは綺麗だと見つめていたが今はそれ所ではない。


「おはよう!クロクは!?」

 僕は暗い間に作ったご飯を渡すと精霊達は予想通りの疑問を抱いた。


 皆はクロクが居ない事を不思議に思っている。昨日、彼の様子が悪かったし、その分皆は心配するだろう。


 とりあえず起きた事を精霊達に伝えると不安そうな顔をしていた。……が、すぐ明るくなる。


「大丈夫! クロクだもん!」

「クロクは強いから!」


 精霊達は声を合わせて同じようなことを言いだした。そうだな。この場所はクロクがずっと守ってきた。


 だから、皆は彼を信頼しているんだろう。でも、何か胸騒ぎが。嫌な予感がする。


 クロクの事だけじゃないかもしれないが。空気が風の流れが重い。


「……」

「見てきなよ。彩夢」

  振り向くとウェディが掃除道具を持って現れた。


「心配なんでしょ?私がここを見てるから。」

 自信満々な顔のウェディに釣られるように、私も!と他の精霊が声をあげる。


「もう守られてばかりじゃいられないよ!」

「私も守るから。クロクは大丈夫だと思うけど様子を見てきなよ。」


 そう言ってくれるなら頼もしいな。

「ありがとう、皆。お願いします。」

「うん!」


 僕はクロクが磨いでくれたナイフを持ち外に出る。門の扉まで歩くと、何処からか新しい、新鮮な匂いの風が吹いてくる。


「あっアンタ。ちょっといい?」

「……はい。」


 門に向かってくるように女の人は近づいてきた。桃色がかかった薄紫の髪を左に結んでいる。サイドポニーというやつか。


 服装は腹出しスタイルに光が掛かった白い上着を着て、短い短パンに片方は布を巻きスカートのようになっている。


 凄い格好だな。

「ねぇ、この人知らないかし……ん!?」

「???」


「んンンンンンン!」

「なんですか」

 女の人は何度も紙と僕を繰り返し見て、口をアワアワさせながら開いた。


「アンタがっ私の運命の相手!!!!」

 ………は?


「は?」

 しまった。つい思った事が口に出てしまった。それにしても意味が分からないな。


 これは変な事に巻き込まれそうな気がする。逃げるべきか?いや、逃げるべきだな。


 僕はそう決意した。


「僕「運命」って言葉、この世で1番きらいなんですよね。つまり興味ありません。以上です。」


 僕は淡々と喋り門を閉じ後ろを振り向いた。


「ねぇっ私と付き合って! 結婚しよ?」

「ーー!?」


 いつの間にか僕の前に現れ、門に手を付いた。壁ドンのような状態になりながらニヤッと笑う。

「っ……ふざけるな」


 何が運命だ。何度その運命という物に犠牲になったか……僕は女の人の腕をすり抜けて帰ろうとすると、


 ――シャキ

 と聞かない物音が鳴り首元に何かが向けられた。


「……!」

「ねぇ。アンタこの紙の人に似てると思うの。」

 鎌が首元に光り先には紙が付けられている。絵を見ると線がブレブレで特徴を捉えられない。


 髪は棒みたいだし目は丸。5歳児が描いたのか?


「何だこの絵は。僕だってこれよりは上手く描けるぞ。」

「これ、ア ナ タに〜似てると思わない?」


 僕の問に答えず話を続ける。この絵と僕?これ?


「思わない。」

 僕は鎌の持ち手を掴み地面に落とす。そもそも何だこの物騒な物は。この世界に合ってない。



「待ってよ!ねぇ!」

 後ろで声がしたが僕は気にせず小屋に戻る。しかし、歩いていると足元に鎌が2つ飛び刺さった。



 鎌は何故か動きブルブルと震えている。

「……違う!こんな陰キャみたいな人、運命の相手じゃないわ!」

「おい、陰キャに謝れ。」


 僕がすぐに突っ込みを入れると、女の人は髪を掻きむしりイライラしていく。


「そこじゃあ無いでしょ!!??それになに「自分は陰キャじゃないです。」って顔してるのよ!?」

 足元の鎌はスっと、女の人の方へ飛び両手に渡った。凄い怒りのオーラを放ちながら僕を睨んでいる。


 ……ヤバいぞこれ。僕がそう察した時には既に手遅れだった。彼女はふん!っと鎌を投げつけ、凄い勢いで小屋の壁を破壊する。


「はっ!?」

「もういいわ!………死になさい! アンタを殺して、また1から探せばいい。」

「……まてよ!」


 これは思ったよりやばい。それに小屋を壊される訳にはいかない。なら、場所を変えて時間を稼いで突破口を見つける。


  これが僕が瞬時に考えた結論だった。



「待っててね。私の運命の人」

 そう彼女は微笑する。

「15000文字越えてヒロイン出すとか馬鹿なの!?」

「大体3000文字くらいには居るものですよね!?」


「誰がヒロインなんて言ったんだ」


「姫はヒロインですから!」

「そうよ!そうよ!」


「ふむ。えーと、毎章…毎章…ヒロインが変わっている気がするんだ。」

「と言いますと、つまり…?」



「もう終わる。」

「はっあああああああ!?」


「……はい。そろそろ本筋に戻そう。君たちは後書きをなんだと思っているんだ。という事で…また次回。」


「それ!やりたかったの。また次回!」

「おいっ」


「ピヨッ!」

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