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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
新人研修編!?

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第二章 10話 圧倒しろ

ダイエットが終わって

僕は学校に行くのを見送った


あとは…

 牙陪蘭を見送った後2人に合流していた。

「今日は朝速いですねー」

「おはよう!」


「おはようございます。では、行きましょう!!」

 僕達は、軽く話しながら学校へ向かっていった。

 今回はちゃんと行き先を教えて貰っているし心配ないだろう。


「透過出来ますか?」

「ぼくがする!」


「とーれすと!」

 と唱えると、2人は透過していたが何故か僕だけ出来ていないようだ。


「あれ?」

「おかしいですね?じゃあ私がやります。あの、眼鏡を」

 あぁ、眼鏡がないと出来ないんだった。僕は春歌に眼鏡を手渡した。




「よし、これでOKですね!」

 少し頭痛がするがそんな事を言ってられない。透過は出来たし問題ないだろう。


「じゃあ行きますか!」



 ――学校

「ここが学校なんですか?」


 春歌は学校を見上げていた。

 やはり、天空の人は学校を知らないのだろうか?



「魔法とかどうやって覚えたんですか?」

「うーん、学ぶ所はあるにはありますけど。私はウィストリアさんに教えてもらいましたよ」

 天空にも色々とあるんだな。学校らしき機関があるなら少し見てみたいし興味がある。


「ウィストリアさんって凄いんですね。」

「勿論ですよ! 私の恩人ですから」



 ウィストリアの自慢話を聞きながら階段を歩き、僕達は2年生の部屋を覗いた。

「お前凄いじゃねーか!」

「腹筋割れてるし!」


 予想通り牙陪蘭は沢山の人に囲まれていた。周りからの注目の目もある。イントラの効果もあり、最初の滑り出しは順調だが問題はここからだ。


 人は話題性の物にはすぐに飛びつくが長続きしにくい。飽きて捨てられるのは時間の問題だ。



 流れを生かすんだ。

 僕は心配そうにしながらも信じて見守った。



 牙陪蘭は緊張しながらも口を開く。

「俺、筋トレにハマってるんだ!」


 すると、椅子に足を乗せて力を入れた。ピクピクと筋肉が動き生きているようだ。

 言葉が不十分な時は動きでカバーする。言葉より目でみた方が確信出来るし衝撃を直に受けれるからな。



「すげーー!」

 見たかこれが陸上部の練習法!

 足腰だけでなくハムも鍛えているので怪我もしにくい。バランスが最適だ。


 僕は無意識にドヤ顔をしていた。



「俺にも教えてくれよ!」

「お前も筋トレしよーぜ!昼休みしてるから」

「うん。あ、あと、今部活探しているんだけどいい所ないかな?」


「じゃあ、俺ん所の体験してみるか?先生に言っとくからさ」

 そうすると、俺の所も!と他の人が言って言いよっていた。



 これでどちらとも利益がある。ウィンウィンというやつだな。教える代わりに体験をする。

 これで話のネタになるし、スポーツしている時に緊張感が少ない状態で自然に会話が出来る。


 あとは牙陪蘭が好きなようにやればいい。

 よくやったな牙陪蘭。



 ――昨日の事

「いいか、牙陪蘭 明日からが本番だ。周囲を巻き込め。そして圧倒しろ! 弱点をなくした暫くの間、お前に敵はいない。ちゃんと声を出せば流れに乗れる」


「はい!師匠!!!」

 とは言ったがここまで出来るとはな。牙陪蘭は沢山の生徒にお腹を触られていた。



「これでいいの?」

「あぁ。後は遠くで見守ろう。」

 チャイムが鳴った後も、問題もなく安心しながら見守っていた。



「こうこうって、むずかしいね」

「僕も絵ばっかり描いていたから授業が分からない」

「私も分かりませんね」

 クラスをずっと見ていたが問題はなし。本当にいじめられていたのか?



「……」


「??」

 ある休み時間、盛り上がる牙陪蘭とは対称的な雰囲気の3人の男が扉から出て行った。

 ん??



 目を凝らすと薄いが黒いモヤが見える。


 モヤ自体は昔から直感で見えるが、あいつらがいじめていた奴かもしれないな。僕は咄嗟に跡をついて行った。

 トイレで何か話しているらしく僕は耳を澄ましていた。



「ーーー」

「…!ー?っっ」


 ………



「ーーーっ」

 ほう。まだ終わりそうに無いな



「おにいさん?」

 僕がトイレから出ると、光希と春歌もついてきていた。


「どうしましたか?」

「あの3人。なんかモヤが見えませんか?」

 僕はトイレから出て廊下を歩いている3人を指さした。



「みえないよ?」

 ふむ。昔から人間観察しすぎて変な物が見えているのかもしれない。



「………少し、顔が怖ばっていたので」

「そーいえばそうですね。不機嫌って感じがします」

「あやしいの?」



「少し引っかかる。」

 という事で僕達は彼らを中心にずっと観察をしていた。昼になってもいいように弁当を作っておいて良かったな。



「おいしいそう!」

「ありがとうございます! 」

 トイレは人影がない所があったし水の確保もある。これなら長くいられるな。



 ちなみに、牙陪蘭は昼休みに皆に囲まれてご飯を食べているようだ。ずっとダイエットの話だな。



 ま、一日じゃ話のネタが尽きる事はないだろう。


 あとはこれからネタを作っていけばいいんだし。皆も沢山いるからネタが尽きず気まずくない雰囲気だ。僕が見るに仲良しそうだな。




 そして、昼休みには筋トレを皆でしに行っていた。

「クリーンって瞬発力を高めるらしいよ」


「まじで!?知らんまましてたわ」

「俺、バスケだからしないとな」



「でも俺、クリーンとかやった事無くて」

「じゃあ教えてやるよ!」

 牙陪蘭は皆に教えて貰っていて嬉しそうだ。高校は筋トレ道具があるし軽い知識を教えて正解だったな。



 良かったな牙陪蘭。

 僕が後ろを見ると2人共疲れているようだった。

「少し屋上でも休みませんか?立ちっぱですし、きっと暫くは大丈夫です。」



「そうですね!」

「つかれた」

 という訳で、暫く屋上で休んでいた。足が棒になりかけていたし僕も助かったな。昼過ぎだったので、作った弁当を食べてもらっていた。



「やっぱりおいしい!」

「ですねー!現実のご飯も美味です」

 残りもので作ったが口に合うようで良かった。



「ねぇ!おにいさん、みてみて!」

 光希は嬉しそうにペンダントを襟元から出した。


 なにかが中に入っている。

 ……これは光希にあげた僕の絵だ。



「これ!」

「持っていこうとしてたんですけど流石に大きすぎたので小さくしました! いちよう大きいのを複製したものを入れていますので!」

「ありがとう、おねえさん!」

「いえいえ!私は光希くんの女神ですしね」

 2人も仲良くなっているな。最初はあんなに酷かったのに。



「おにいさん、れんらくのやつ! ぼくもできるんだって!」

「そうか。なら繋げとこう」

 僕は光希のペンダントと連動させた。


「やったー!」

 光希はペンダントを持ってはしゃいでいた。



「もしもし!……もしもし!」

 何回もブレスレットが光っているが、まぁ連絡には困らない。それに僕の絵を大切にしてくれて良かった。


「じゃあ、戻りましょう」

 僕達は戻って、なにも変わらないまま残り時間を過ごした。

 いつの間にか部活までしている。


「大丈夫じゃないですかね?」

「ですね。」

 今日はバスケらしい。

 運動神経は僕が鍛えたが少し動きが違うから疲れているな。


 僕達は牙陪蘭の帰りをついてフラフラとついて行った。

「なーんもなかったね」

「そうだな」

 と、思った矢先にあの3人組が待っているように立っていた。やはり、このまま終わらしてはくれないか。



 3人は牙陪蘭を睨みつけ道を塞いだ。

「おい、なに調子乗ってんだよ」

「――!」

現れた3人。 牙陪蘭の目付きは変わっていない

僕の出る幕はないな


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