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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
新章1 第三次世界代理戦争魔人選別編

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青い封筒

 沙緒にTwitoriを見せてもらった。

『青い封筒』若者の中で知らない人はいないほど有名らしい。基準は不明。もし、実力や成績で選ぶなら俺は選ばないだろう。


 ただ1つ。選ばれた人間は、そのつぶやき以降新着がない。インフルエンサーさえ選ばれて以降更新を止めてしまった。


 この選ばれる。という行為にやはり不信感をもつ者が多そうだ。よく分からないけど選ばれない負け感が不服だったり、おだてられてムカついた、アイツらは死んだ。など意見は憎悪や都市伝説が混じりバラバラだ。


「異世界といい、魔力による支配を世界が選んだといい。どうなってるんだこの世は」

「全くそうだ。本当に先が読めない。」

 終縁施設を調べても場所が出なかった。紙には書かれたような隙間があるが、白紙だ。


 本当に魔力がこの世で使えるのだろうか。

 そんなことになれば、強さのバランスは崩壊するだろう。権力、身分、それらを魔力で覆えるようになったら……。


「魔力による支配ねえ。まあ、なんかあったら力になるよ」

「どういうことだ?」

 俺はなんとなくだが自信があった。シャーゼンロッセを使えなくても、銃はまだ手元にある。

 流石に、ここで見せれないが。


「一応使える。」

「異世界に行ったからか?」

「いや、昔から。異世界のイメージがなんか知らないが、死を這いずりまわる人間や神が殺しにくる世界だった。」

 沙緒はポカンとしていた。


「神って優しいやつじゃないのか」

「俺らと同じ言語が使えるだけで、中身がない空気みたいなやつだ。ただ周囲を荒らし邪魔をしにくる。俺の検索を邪魔するTwitoraのスパムみたいだな。」

 俺は勝手に沙緒のスパムをブロックしていった。

 神のイメージとは意外だったらしく、彼はそうかと困惑していた。


「それにしても信じるんだな。」

「お前が1年間も眠るのはおかしいからな。そのくらいぶっ飛んでたら納得する」

「そうか。」

 1年間にしてはあまりにも長かった。天空、現実世界、精霊界、よく分からない奴ら、あの世界。とんでもないな。


「さてそろそろ帰らないとお袋が心配するきん帰るわ。」

「わかった。ありがとう」

 沙緒は俺にお見舞いのプリンを渡してくれた。


「なあ、彩夢。もし……お前が元気なら最後の大会でないか? 俺多分引退するから。」

「大学は?」

「俺、医者になるから。多分出来ないと思う。」

 そうか。俺が眠っていた間に、もう卒業は迫っている。

 今は確か6月。陸上もシーズンはもうピークになり10月には終わる。


「わかった。リハビリ頑張るよ」

「よっし! ユニフォームで写真撮ろうな」

「あぁ」

 俺は沙緒を見送った。


 青い封筒の謎も気になる。だが、美喰楓の居場所も調べなければ。


 その時、LINECOにメッセージが来た。

 幼なじみの美沙採(みさと)だ。メッセージもだるくなり、電話をかけた。


『彩夢、大丈夫?』

『あぁ、1年眠っていたが問題はない』

『そっかあ。ばあちゃんの話で先に聞いてたけど、良かったよ』

 安堵したように息を零していた。

 美沙採に電話をかけたのは、彼が情報通というわけだ。

 彼のばあちゃんが噂好き、電話よりも早く情報を手に入れる。お母さんも同様に市役所で働き情報を持っている。


 俺としては1番相手にしたくない。

「その話はまた会ってからゆっくり話そう。その前に1つ気になったことがあるんだ。夢で美喰楓が危ない目に遭ったから、変に予知夢じゃないかなって。最近美喰楓元気?」

「あー彼か。」

 その後、美沙採は意外な言葉を出した。


「追加で選ばれたんだって。あの青い封筒に」

 俺は心臓に傷が入ったのように感じた。

 俺から全てを奪わったやつが遠くに行ってしまったのだから。



「その青い封筒。俺にも届いたんだ。終縁施設の場所知らないか?」

「ごめん。多分、ここらへんじゃない。国にとって大変そうだし、東京とか?」


「東京……」

 俺のところ。賀志川から新幹線で8時間。しかも、3万はいるだろう。バスにしても1万だ。


「大丈夫?」

「あぁ。ありがとう。色々久しぶりで混乱してるんだ」

「そうだね。この1年間色々あったもんね。僕でよければまた教えるね」

 電話を切り、ため息をついた。

 青い封筒……魔力による支配……美喰楓と悠明の選別。

 嫌な予感しかしない。


「シャーゼンロッセ助けて」

「……」

 仕方ない。今は高校生として生活するしない。

「ぅぐ……」

「どうですか、ユキ」

あの祠から帰って、僕らは寝室にいた。

少しテストがしたいと、使い魔さんは僕の血を採って舐めた後に、ユキに飲ませた。


「もっと……ほしい……もっともっと!!」

ユキは目を大きく見開き僕に手を伸ばした。

使い魔さんのその様子をみて、口に石をいれた。


「やはり血酔いは宿命みたいなものですね。」

「うっ……まずい!」

ユキはぺっぺっと吐いた後、疲れたように座り込んだ。


「ユキ、小型になってください。」

「はーい……」

ユキは倒れ込むと白いキツネのような姿になった。


「今日はユキと寝てください。触ると霜焼けが出来るので布団の上に寝かします。」

使い魔さんはユキを寝かし、僕にも布団をかけた。


でもなんか眠れない。ピンチになってドキドキしてからずっと眠気がない。


「……」

「眠れませんか」

使い魔さんは考えながら口を開いた。


「何か話をしましょう。この世界の昔話とか、なんか聞きたいことないですか?」

聞きたいことかあ。


「使い魔さんが子どもの時の話聞きたい」

「えっ私ですか」

意外な答えなのか驚いていた。

「うん!」

「じゃあ少しだけ話しましょう。これは私が失敗作として殺処分される日に遡ります。」

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