奇妙な異変
軽くこれまでの事をまとめよう。
俺は中学時代から高校にかけて神の創った人形に乗っ取られていた。
その原因は、魔力がないはずの世界で人1人をある力で倒せる力があったからだ。
その力とはアラストリア。俺が小さい時から声を聞くことができ、唯一の友達だった。
神の狙いはアラストリア、そして現実世界では起こりえない不可解な力の乱用を抑える。そして、とある期間まで達した時に俺を殺す気だった。何故殺すかはしらない。
俺を乗っ取った人形は、居場所をなくし自殺。
で、天空でのんびりしながら、現実世界にきては死にかけているやつをあいつは助け、その時がきた時にやることをやって自害した。
その後俺は、自分の生命がかかった紙を人質にされ、カミノハコニワへと幽閉される。アラストリアは新たな姿シャーゼンロッセと姿を変え、なんとか脱出することができた。
だが、ひとつ気になることがある。
俺の紙は取り返さなくて良かったのか?確かあの天使と暮らしていた時、彼が帰る際に紙を貰おうとしていたんだ。つまり、あの世界に紙はないのが当たり前なんだ。生きている時は自分の記憶を書き込む紙を身に持っているはずなんだ。
俺は生きて現実世界にいる。だが、紙はあの世界にある。
まあ考えても仕方ない。
俺はそう考えながらもリハビリを行った。
医者は強度の衝撃により意識が飛んだと推測されたが、ここまで目覚めないのは初めてだと言われた。
俺が眠っていた間、神と死闘を繰り広げたなんて夢話、誰が信じるんだろう。
身体は重く、信号が上手く伝わらない。それでも、俺には目的がある。だからこそどんな苦境も乗越えてやる。
「言われたもの持ってきたわよ」
「ありがとう」
ばあちゃんは俺にスマホを渡してくれた。母さんと父さんは共働きだ。ばあちゃんはもう年金だから昼間でも来てくれる。
「彩夢もその歳だし、1人の時間も欲しいから付きっきりはやめとくね。学校本当に行くの?」
「うん。進路は大事でしょ?」
「そうね。ばあちゃんずっと言ってきたもんね。でも、 最近は他にもあるから……」
とりあえずばあちゃんは先生と話すと言っていた。
俺の1家はばあちゃんは金持ちだが、父母は安定とは言えない。どちらかというと黒に近い。
だからこそ、ばあちゃんは中学の時から将来のためにと金を出してくれた。習い事もたくさんした。
公務員になれと耳にタコが出来るくらい言われる。
だから、ある程度は格好をつけないとこの暮らしは続かない。でも、俺はこの人生に区切りを見つけてる。
あいつを殺して、自分も死ぬ。
……親不孝だな。
スマホを開くと、ありえない程に通知が鳴り止まない。
その中でLINECOを開いた。
『ニュース見たよ大丈夫?』
中学の友達からだ。どうやら地元では少しニュースになったみたいだ。
1年前……3ヶ月前。
『あなた誰?知り合いだっけ?』
「……」
『覚えてないのか?』
……。
5時間待ったが返信は来ない。
スタンプをプレゼント出来なくなっている。
「……これは」
そして、俺は親友に連絡をした。
沙緒。俺の陸上仲間だ。
「彩夢!?大丈夫か!」
「あっああ。覚えてるか?」
「もちろんだ! 今どこだ、会いに行くから!」
……。
奇妙な事が起きているかもしれない。俺を認識しないやつと、できているやつ。違いはなんだ?
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「……あの人も乱暴な人ですね」
「あれはただの武器ではない。あれは私、そしてあなた達作品にとっての希望。彼らに、貴方に薬が効かない。それを貫き効果を発揮する」
「根本の否定し作り替える。簡単に言うと、仕組みを破り上書きを可能にする。つまり……あなたの生まれつきの身体も治せる」
「まさか」
「えぇ。あなたは身体に負荷をかけなくても獣化できる。その寿命だって伸ばせる」
「ハカセは心からあなたの幸せを願っている。あなたと姫さんの。」
「ハカセ……そんなことを」
「でも、時間が足りない。選別の時に間に合わない。だから、頼むから一命は取り留めてほしい。」
「……私に頼まれても。それを決めるのは運だけです。」
「だから私があなたが止めます。」
「出来るのですか」
「はい。ただ痛いので、傷になっても恨まないでください。」
「分かりました。」
「さーて仕事も終わったし、姫さんに甘えようかなあ。」
「……」
「冗談です。……失敗作、忠告しておきます。姫さんの血を飲んでおきなさい。選別が始まる前に必ず。その味を忘れないように」
「なぜですか」
「暗闇でも主を見つけられるようにです。」
「レフトバ、あなたに何が見ているんですか。」
「なにも。ただ古く戦場で生きてきた勘です。」
「……」
「さあ帰りましょう。あと、あの少年もそろそろ帰しましょう。そして、ひとつあなたにお願いがあります。」
「何でしょうか」
「にいちゃ!戻ってきた!」
「これは……祠が…………壊されている。彼らは祠壊したんですか。私はあの日、あなたと約束したのに。」
「使い魔さん?」
「今すぐ皆さんを集めてください。私は花を取ってきます。」




