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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
第5章 天空戦争編(準備)

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最終話 消失

 「……」

 目を開けると僕はよく分からない場所にいる。痛みもなくただ立ちすくんだまま霧が晴れるまでボーっとしていた。気づくと、霧が晴れ僕の目の前に数人が待っていたかのように感嘆をもらした。


「―――――」

「……!」

 言葉は分からない。でも、僕の頭は言葉を理解した。おかえり。と。


 自然に涙が流れていた。分からないはずなのに。……おそらく、これは僕が彩夢として生きる前の記憶と関係あるんだろう。


 やっぱり死んだんだな僕は。

 見たことはないはずなのに懐かしくて安心する空間に僕は浸っているようだった。


「―――」(ずっと待っていたのよ)

「――――――」(私たちの分まで長い間頑張ってくれたの知ってるよ)

「何言って……僕は自殺で死んだんだぞ。意味が」


「――。――(君は知らない。すっごく凄い!何千年も戦ったんだ!)」

「―――。―。―!―(私は生きる事を知りたいって言ったじゃん。答え出来た?教えて!約束したじゃん!)」


意味が分からない。生の意味なんて17歳の僕には。数百年生きていようが、今の僕は語るには短すぎる。


でも、なにもないかと言われたらそんな事はないと思う。何年生きるかより、大切なのは何を得て何を感じて、何を語れるか。1つだけでも何かについて語れるくらい経験したなら僕にも価値がある人生と言えるのかもしれない。


「――。」(混乱しているのから辞めなさい。)

「―。――」(ま、しばらく一緒にいようぜ。俺たちはお前と話がしたい。あと皆でなにかしようぜ)

「―。――。」(思い出なんて何歳になっても作れるよね。なにしよっかなあーここ居心地悪いけど、まあいいか)



「僕は十分に生きたのかな」

「――」(うん)

「――――」(ずっと待ってた。居場所は貴方が居ないとできないから。)


誰かの居場所に過去の僕は必要らしい。なら、十分なのかもしれない。

とあるゲームが人生は旅だと言っていた。その意味が少しだけ分かった気がする。旅をまた行きたいと思うのは終わってからじゃないと感じないだろう。


でも旅は終わってしまったんだ。


「そっか」

「―――」(早く行こうぜ)


「うん」

「「彩夢!」」



「……名前」

12月25日 彩夢 死亡



最終回になりました。ありがとうございます。推敲がある程度終わり次第完結になります。しかし、まだ終わりません。次の引き継ぎも投稿しております。

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