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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
第5章 天空戦争編(準備)

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第5章 42話 思い出のもの

フォルナを取り戻すために、天空へ戦争をしかけるヒロル。

ついに、僕とヒロルの最後の戦いが始まった。

 叫びと共に全身が焦げるような熱が襲う。視界が消えてはぼんやりと見えて意識も気を失えば消えそうだ。

 その焦げるような意識に何かが、記憶のようなものが何描き殴られた。知らない人が僕に微笑みかけてくる。



「ウルアアアアアアアア!!」

 僕の後ろに現れた影は、鋭い隻眼を見せ唸りをあげる。身体を押しつぶすような魔力が全身に流れていく。

 爪を向けた獣に対し、アラストリアは牙を向け噛みつき払い除け、僕はシャングリアに銃を向ける。


「魔力を奪えっ」

 噛み付くアラストリアを踏み込み飛び上がりながら―銃を構えた。魔力を詰め込んだ銃弾は刹那の勢いで貫く。



 シャングリアは地響きを起こすように叫び倒れ込む。

「シャングリアッ」


 僕は体制を崩しながらも、もう片手から弥生から貰った石を投げ込んだ。魔力量に耐えられないように震える石はヒロルとシャングリアに紅炎が襲う。


 熱風からアラストリアは僕を守りながらも、まだ炎を見ていた。

『油断するな』

『分かってる』


 心臓が痛い。身体がギシギシ言って思うように動かない。それでも、僕らはトドメを刺さなければならない。


 揺らぐ意識の中、炎の中からポツンと見えた光が炎を飲み込んだ。

「……っ」


 シャングリアがいない。ただ、見えるのは煙の中に立つ人影。

『よく見ろ』


 金属のような音が鳴り響くと、大きな翼が人影から生え煙を払う。


「……やってくれたね。やっぱり彩夢、あぁ弥生も邪魔だね」

 煙が消えると、光を失い地面に張り付くシャングリアと泣きそうになりながらも歯を噛み締めながら笑うヒロルがいた。


「……っ!」

 なぜか頭に既視感が襲う。何かを思い出させようとしているのか酷い目眩がする。



『彩夢。』

『わ、分かってる』

 ヒロルも僕も後がない。ヒロルは顔の半分が羽が浮かび、大きな翼を引きずるように歩いていた。



『僕には取り返すものがあるんだよ!!力を全部寄越せっメイアッ!!!』



「――ッ!!」

 瞬きした途端に空間全体に光の糸が張る。この身体に更に不可がかかり胸がちぎれそうになる。


 ヒロルは命を掛けてでも僕を倒したい。僕も大事な母代わりを助けるならそうするだろう。ただ、お前は



「……んなもん分かってんだよ! 大事な人を取り返したい気持ちは分かる。でも、お前は、大事な人以外何も思っていない。お前を大事にしてくれる仲間を、お前を頼る人をお前は全部裏切った」

 その時、僕の指輪から炎が流れてくる。


『彩夢、使いなさい。なんか獣の声が聞こえたから心配したけど大丈夫みたいね。』

『割り込むのはマズイと思いまして。ただ姫が助けたいというので提案致しました。ご武運を』



「……ありがとうございます」

 指輪から流れる炎は糸を焼き焦がす。煙の中でヒロルが輝く剣を向けた。

 ギシッ


「僕には……友なんていない! お母さんしかっ!!」

「お前は友がいないんじゃない。作れないんだ。人が怖いから。敵に見えるから。フォルナと他の仲間は同じくらいお前を想っているのに信じない。」

 あいつに教えられた僕には分かる。その怖さが、踏み込めないまま終わり、裏切られる未来が見えてしまう事が。


 それでも信じて踏み込まなくてはいけないんだ。どんな目に合っても、前よりはマシだと少しづつ苦しみながら関係を築かななければ自分の殻からは出られない。居場所は出来ない。


「だまれ!」

 銃で無理やり受けているがいつまで持つか。相手の剣の動きを見計らってはすぐに反射し受け止める。



「女神だから仕方ないが人間の母としては失格だな。」

「――!!」

 黒く染まった銃は剣に耐えきれずに手が離してしまった。


「普通は、子どもが笑顔で生きてほしいと願うんだ。」



「子ならお前が教えろ。フォルナが、お前の笑顔を、人生を自分のように誇れる生き方をしろ。母に愛されたと唄うなら」

 ヒロルは一瞬動揺したが、すかさず僕に剣を振り下ろす。しかし、僕と彼の間合いに強風が走った。ヒロルは風に飛ばされ地面に叩きつけられる音がする。


「彩夢!! 大丈夫か」

「大丈夫ですよ。何故ここに?」

 ウィストリアは空中から羽を広げて降りたった。血をかぶりながらもいつもと変わらないように魔法書を広げている。


「大きな音が聞こえたから心配でな。彩夢は私の大事な付き添い人だからな。」

「ありがとうございます。でも、後は僕に任せてください。」

 ウィストリアは糸を完全に壊し、魔法書を他のページにする。周りからはヒロルの仲間達が向かってくる。



「だが、これは天空の過ちで」

「僕がやります。同じ現実の人間として終わらせます。だから、他の人を」

 ウィストリアも周りを見渡し、結界が弱っていることに気づく。


「……なら託そう。私はお前を信じているからな」

「はい。」


 ウィストリアが下がり他へ向かう。その姿を見る間もなくヒロルの柱が全方面から現われた。

「お前だけはっ!! 逃げるなウィストリア!! 速く死ね!」

「……っ」


 アラストリアは咄嗟に現れ僕を守るが、柱の圧に耐えられず身体が潰れていった。



『……彩夢』

『ごめんな。これまでありがとう、違う僕と一緒に居てくれて』

 ギシギシとアラストリアの身体が壊れていく。


『後でまた』

「ウルアアアアああああああああ」

 最後の足掻きのように雄叫びと共に柱が消えていく。だが、これで僕の手札はほぼゼロだ。


「君の負けだよ彩夢? もう武器もない、アラストリアもいない。そんなお前に何が出来る?」



 地面は歪み、剣が空から降り注ぎ、また柱が僕を襲う。

「バイバイ彩夢!」


「……っ」



「ここで死ねるわけないだろ。僕はお前みたいに自分の力に頼りきらない。この生きてきた実力と大事な仲間の力を借りて勝つ。」

「なら勝ってみなよ!」

 一点を集中させ、淀んだ地面を蹴りあげ武器を避ける。柱は鏡で跳ね返し投げ捨てた。1人ではいけないとコイツに教えてっ……


 ザッ

 真っ暗で血が染まった知らない景色が不意に浮かぶ。知らないのに出てくるな。今は関係ない!


「……邪魔をするな!!!」

 左目に力を入れゾーンを使う。足が沼る前に次の足を出せ。



「お前とは場数が違うんだよ! 生きてきたな」

 降ってきた剣がゆっくり見える。その武器を1つ取ると、混じり合う柱に向けた。


「アラストリア、姿なくてもいけるだろ?最期に力を貸せ!!概念付与(エクチェコンセプション)

 投げた剣は前に向かう柱を打ち壊し一筋の光が見える。ヒロルがみえた。周りから向かう障害は指輪からマリの炎が焼き消す。


 ヒロルが目の前にいた。

「何もないのにどうやって僕に勝つんだよ!?」

(彩夢はまた詠唱がいる。その時に何が来るかを判断して対象……)

 そうヒロルが構えた時には既に右足を伸ばしていた。ウィストリアから貰った靴が既に黒く輝きヒロルの首元を


 へし折った。

「コイツ!!」

「邪魔。するな!」


「も…いいですわ。どうせ死ぬなら」

「道連れ。する」

リカを倒した後、液体の飲み込んだ死呪霊は身体が破け、四方八方に広がる物体が使い魔に遅いかかる。



「ギギギッ」

歯軋りしながら向かい打つも全てに反射しきれず、身体全体がやぶれていく。すぐに四足歩行で距離を取り再生を始めるがしつこく追いかけてくる。



「ギリッ!」

(最近これの使いすぎか頭が……そういえばハカセに頻繁に使うなと忠告されましたね)

あの液体のせいで毒を抜いても身体の負荷は大きくまだ後遺症が残っていた。休む暇もなくマリを追いかけた使い魔は身体を無理やり起き上がらせる。


その時、伸びた手をマリの鎌が奪う。

「……!」



鎌は平たい円を描き、マリが手に取り前に構える。

「ピーちゃん長い話は無しよ。アタシが前でやる。援護お願い」

「……」

使い魔は揺らいだ意識の中コクッと頷き、影から銃を取り出した。マリはニヤケながら伸びる手を切り落とし黒い痣が全身に回る2人に歩いていく。



「あれ、前より老けたんじゃない?」

「だ…まれ!」

「あの獣…より弱いわ。……その顔面、消してやる!」


「出来るもんならやってみれば? アタシはアナタ達とは違って守るものがあるの。あーあと」



「主が使い魔より弱い訳ないでしょ?」

マリは嘲笑いながら髪を上げる。涙は乾き、悲しみを飲み込みながら目を見開いた。


「冥土の土産に全力をみせてやるわ、アニマ、アニムス!」

マリの鎌から炎と稲妻を放っていく。そして、2つの鎌を組み合わせた。



「願い、想いを貫け。ソフィア・ラバー!」

鎌は1つになり黒い大鎌になっていく。マリの背後にはベールを被り竪琴を持っていた女がいた。



『……』


「……っ!!」

「こんな…隠していたなんて」

痣が全身に伝わりながらも、2人は死呪霊を向かわせる。


カチッ

どこからかレバーの音が聞こえると、死呪霊は影に引きずり込まれ動きが止まる。


「楽にしてあげるわ。」

マリはすぐに飛びかかり2人に向かい鎌を振る。その瞬間、ソフィアは竪琴を弾いた。


「……」

「っ……」

鎌による傷は見えずも、2人は一瞬で意識を失い倒れ込む。




「本当は話を聞きたかったんだけど、もうダメそうね」

マリは2人の痣を撫でながらため息をついた。


「姫お怪我はありませんか」

「大丈夫よ。それに、それはアタシの台詞。ちゃんと飲んだ?」

「はい。」


使い魔は身体を抑え足を引きずるようにしながら女のポケットに手を入れ三角の液体を取り出した。

「それって」



「使い魔だけでなく、人間、死呪霊をも狂わせる薬をほっとく訳にはいきません。もし、冥界の彼らが目を付けたらただでは済まない。なので、至急ハカセと中身の解析と対策を考えます」

「確かにそうね。おそらくあのヒロルって子が創ったのでしょうけど一応誰が創ったのかもハッキリさせた方がいいね」



マリは2人を木陰に座らし手を合わせると、立ち上がった。

「もうすぐ消えるわ。次に行きましょ」

「あの、姫。……勝手な行動を取ってしまい申し訳ありませんでした」



「行くよ、ピーちゃん」



「……はい。姫」



―――

完全に出すタイミングを見失いました。

ここにあげておきます。

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