第7話 潜入へ
転校生として僕達達は学校生活を送る
今は、未空達に接してみるしかない
休み時間になり僕は席を立ち上がった。今は行動あるのみだ。
――狙う標的は決まっている。
「ねぇねぇ、ここの案内してくれない?」
僕は未空といた2人の男子に聞いた。
(こういう時は直に刈り込むのが1番だ)
タイミングを逃すともう聞けなくなる。よくそれで話せなかった事が何度もあった。嫌な思い出だ。
「えっ」
「駄目?」
「……いいけどよ」
2人は少し警戒していたが押し切るように案内してもらった。次々とこの学校にある施設を確認していく。
「サッカーゴールあるんだ!」
「……お前、サッカー出来る?」
「出来るよ! 得意!」
僕がそう答えると、2人が嬉しそうに目を見合わせた。
「なら、昼休み入ってくれよ!人が居なくてつまんないんだ」
昼休みか。本当は他も観察しておきたいが、それで気が晴れてくれるならいいか。
「うん、いいよ!」
僕としてもサッカーは昔からアニメの影響でしていたし得意だった。ポジションやいつからしてたとかの質問に答えながら学校を回りきる。
「これで終わりかな」
「助かったよ。ありがとう!」
僕は、見計らいながら話題を変えた。
「ねぇ。あのさ……あの未空って子、優しいね! 色々教えてくれるし」
「お前、気に入ったのか?」
「うん!」
まずは情報を自然に聞き出す。
僕は転校生だ。人の印象を言っても何ら違和感は無い。
「だってよ〜渚」
僕が最初にやる事は男の除外。
昔、勝手に突っ込んで考え無しに感情論で怒ってくる奴がいた。女子の集団と言い争っていた僕は、女に加勢する男は邪魔だと思っている。
数が多い女の味方をするやつに、いいイメージはない
「えっ何何?」
僕は目を輝かしながら
「じゃ教えてくれたらサッカーする」
「くっ、卑怯だぞ」
「渚は未空好きなんだよね〜」
「こらっお前な」
「だから、頼られたいんだよね渚くん?」
いやー男の恋バナか。
懐かしいし………よくやったなぁ
ま、それは後にしよう。今はその流れから叩き込む事が大事だ。
「へぇ。だから加担したんだ」
「………っ!」
その瞬間2人は震えだした。疑問が答えになった瞬間だ。
「もうしない! しないから!! 未空の味方したかっただけなんだ!」
「殴った事謝る! 許してくれぇ」
渚は腹を守りながら、2人は頭を地面につけていた。
まぁ、分かるがな……気を引きたい気持ちは痛いほど。
だが、思ったより素直な奴だし話せば分かりあえるかもしれない。
もっと性格が悪い奴かと思っていた。
「別にいいよ! こちらこそ蹴ってごめんね。それよりさサッカー好きなんでしょ?じゃ一緒にやろう!」
「…えっ?……あぁ!」
「毎日」
「………分かった! 未空とつるむよりサッカーの方が楽しくなりそうだ!」
観察していくうちに、週に何回かはつるむと見ていた。これでサッカー漬けの毎日にしてやったな。
ま、思い通りにいきすぎて逆に怖いが純粋なんだろう。
「じゃあサッカーやろうぜ!」
「あぁ、そうだな!」
……なんだろう。
上手くいったのに、若き子供から大事な物を取り上げた気がして罪悪感があった。気にしないが。
そして、授業が始まった。
有彩は長い間、入院して勉強していないと言っているし理不尽に当てられることはないだろう。隣で軽く補足をいれながら、作戦を組み立てつつ授業を受けていた。
まぁ、アンモニアを舐めようとした時は驚いたな。
――休み時間
有彩は奈美と話しているし、奈美は一緒にいられる人が出来てうれしそうだった。
(よし、じゃ……僕は)
「うわ〜ノートびっしりだね!」
僕は未空に声をかけることにした。
(大丈夫かな………)
(頼むから変な事すんなよー)
あの2人は遠くから何かするのではないのかと震えている。が気にしない。
「まぁね。勉強しないと」
「へぇ………熱心だね。夢とかあるの?」
「ただ父さんに褒めて貰いたいだけよ」
PTAだったな。何か彼女にも辛い事がありそうだ。
あの鳥のおかげで家でもずっと勉強をしていたのはわかったが。
「褒めてくれないの?」
「父さん忙しいから仕方ないわ。もっと頑張らないと」
やはり、家では寂しい思いをしているのか。家は広いくせに、あまり使っていなさそうだったし。
彼女は小5だ。まだ小さいんだし色々考えるだろう。
「きっと、心の中では毎日褒めてるはずだと思うよ?」
「………考えた事ないわ。」
「だって、こんなに頑張っているじゃん。少し会話したり、頑張ったこと言ったら褒めてくれるんじゃない?お父さんは嫌な顔はしないと思うよ?」
未空は少し考えながらも口角が緩んでいた。
「忙しそうだから、自分から話したことなかった。少し話してもいいかな。……そんな事言ってくれるのはあなたくらい。」
「やってみたらいいと思う! あっあとね、今からサッカーするんだ! でも……運動場を知らないから教えてくれないかな?」
さっき教えて貰ったが、ここは渚の為にポイントを稼いであげよう。
「えぇ、構わないわ。………あ、呼んでるから」
取り巻きの方へ向かうのを見送ると、僕は渚達にグーサインを出した。
「……?」
2人は顔を見合わせ首を捻っていたが。
――昼休み
「ほら、零!先行ってるからな!」
「分かった分かった」
渚達が行ったあとに未空がやってきた。細かくいうと達だな。
「行くんでしょ?」
「うん!」
そんな訳で僕達は運動場に向かっていた。
「昨日ね、奈美って子のパン屋行ったんだ!」
(とりあえず揺さぶりを掛けてみるか)
「え………」
「どうしたの?」
「いやっ、何でもないわ」
少し気まずい気がしたが、引くわけにはいかない。僕がやる事は奈美についてもう一度考えて貰う事だ。
それで少しでも和解のチャンスを見る。
「あの子いい子だね! 明るくて!!」
「………そうね」
未空は少し何かを考えているようだった。まぁ、この調子で頑張るしかない。
「ここよ」
「本当だ! 案内してくれてありがとう! あのね、渚がサッカーに誘ってくれたんだ」
僕は皆にお礼を言い、ついでに渚の株を上げた。
「へぇ………そうなの。ねぇ、私も見てもいいかしら」
「うん。勿論だよ!」
その言葉が聞こえたとり巻き達はザワザワとしている。
「未空ちゃん勉強はいいの?」
「……たまにはいいかもね」
取り巻きを置き去りにして、未空は枝で正の字を書きながら得点板をしてくれた。
渚はハットトリックを決めるほどテンションが上がっている。
「渚上手いのね」
「やっぱ、俺は1番サッカーが好きだわ」
「そう………」
「零ありがとうな!」
渚は僕が何したのかを察したらしく、僕を揺さぶった。
「はは………良かったよ!」
少し痛いが、久しぶりにサッカーするのは楽しかったな。
「ね、君たちも入りなよ!」
「いいの?」
雰囲気につられた人を積極的に誘い、いつの間にかメンバーが増え20人くらいになっていた。これでつまらないとは言わないだろう。
昼休みが終わり僕達は未空を入れた4人で教室に帰る事にした。
「俺さ……ずっとクラブに通ってるけどスタメンになれなかったんだ。でも、あいつはスタメンなのが悔しくて。それで不貞腐れてさ」
渚はこっそりと僕に話しかけてくれた。
「で、サッカーが嫌いになったんだ。あいつに好きだって事を教えてさ未……未空とつるもうって言ったんだ。」
渚といた子を申し訳なさそうな目で見つめている。彼は、サッカーボールを持ちながら未空と話していた。
「本当は邪魔をしたかっただけ。かもしれないな。」
渚は俯きながら僕に淡々と胸の内を話してくれた。
「……でもさ、サッカーしてる渚。心から楽しそうだったよ!」
「そうか?」
彼のようなタイプの人間が苦笑いをするのは想像つかなかった。そのくらい、それまでにずっと迷っていたのかもしれない。
「うん! それに僕で良ければアドバイスするからさ、スタメン諦めずに頑張りなよ。渚なら出来ると思うし!」
あのハットトリックは見事だったし、ちゃんと力はあると思う。
「本当か?」
「うん!」
僕は力強くうなづいた。すると彼は何かを決めたように胸に手を当てた。
「俺………頑張ってみるよ! ありがとうな零!」
渚と僕はこっそりと拳を交わした。
「おい、遅いぞー」
「ごめんごめん」
「じゃあ、行こーぜ!!」
渚は真ん中で肩を組み、3人仲良く帰った。未空は仲がいいのねと笑っている。
「渚の事ありがとうな」
「……っ。」
やはり聞かれていたか。ま、渚は声が大きすぎるし仕方ない。
(じゃあ未空も聞かれてたんじゃ?)
少し疑問がありながらも、授業が始まるチャイムがなったので走って教室に向かった。
「なぁ、零。ずっとどこいってたんだ?」
有彩は机に座りながら僕を待っていたようだ。
「まぁ……色々と走り回っていました」
僕はははっと笑い誤魔化した。
「そうだったのか。実は、奈美が図書室?について教えてくれたんだ。あれは持って帰れないのか?」
有彩は真剣そうな顔で僕に訪ねた。きっと、現実世界の本にも興味があるんだろう。
「借りるのは出来ますよ」
「いちよう借りたが、ずっと持っていたくて」
有彩は5冊の分厚い本を借りていた。凄い量だな。果たしてこの量をいつ読むのだろうか?
「えっと……買うことも出来ますよ」
「そうなのか!」
「まぁ1回、図書室で借りて面白い本があったら買いに行きましょう」
「あぁ!」
あっ、あとあの事も言わないと
「あのー。今日、放課後どうしますか?」
「奈美について行くんじゃないのか?」
有彩は違うのか?という表情を浮かべている。
「実は………久しぶりにしたい事があって。陸上を……」
「あぁ、そういう事か。奈美は私が見るから楽しんでくれ」
有彩はニコニコと頷いてくれた。彼女自身、学校が楽しそうにしていて嬉しいな。
そして、僕はここに来てから陸上がしたくてたまらない。今すぐにでも走り出したいくらいだ。
「じゃあ、こっそり見てから帰るわ」
奈美が現れて、有彩の横で混ざるように言いながらしゃがみこんだ。
「陸上って走るんでしょ?」
「まぁ、そんな感じだ。」
別に走るだけじゃないんだが。
こうして授業が終わり、僕が楽しみにしていた放課後が始まった。
「陸上部に今日から入ります。信田 零です。よろしくお願いします」
僕はお辞儀をし、陸上部は拍手で歓迎してくれた。
正直、高校で陸上をしていたから練習はキツくない。しかし、訛っている体にはいい刺激だった。
アップが終わり、個人練習が始まったので僕は高跳びへ向かった。
高跳び高跳び〜。
僕は1m50をピョイっと軽くまたぐ。本当は背面跳びがしたいが小学校は危ないから禁止されている。ここは我慢だ。
「なんだコイツ! すげーじゃないか!!」
「お前1位取れるぞ」
その途端、皆が僕を囲んでおだて始める。それほどでも。
これが唯一……転生物で言うぶっ壊れだろうか?
まぁ、名前を残す訳にはいかないし大会には出るつもりは無いが。
しかし、なんだか懐かしいな。
高校になってから、スランプで渚みたいに高跳びが嫌いになりかけていたからな。
少し休んでいると高跳びの場には奈美を避けていた友達がいた。前は仲が良かったらしいが。
その子は1m25cmを跳び反動で落ちた眼鏡を探していた。
「これでしょ?」
彼女の手に眼鏡を渡す。
「あっ、あり…がとう」
「高跳び上手いね!」
「………でも私。1m30cmをいつになっても跳べなくて。」
彼女は拳をを握りしめていた。そうそう高跳びにとって5cmの壁は高いんだよな。
ちなみに1m30cmなら、県大会でかなり上が目指せるはずだ。
「じゃあさ、一緒に練習しようよ」
「いいの?」
僕は鉄棒に行き片足をかけてぶら下がった。これは、小学校で秘伝として伝わっていたやつだ。
噂によれば身長が伸びきるとかあるが多分嘘だろう。
「やってみてよ!」
「うん…」
すると、他の子もやってきて皆でする事になった。
小学校の時も皆でやっていたな。
ストレッチを終わらし、僕は彼女の跳躍を見ていた。
「助走が詰まってる。距離より角度変えてみて」
「分かった」
「勢いが前にかかりすぎてる」
「うん!」
少しづつだが、彼女は何か掴めそうな表情だった。しかし、まだ掴めないまま練習はあっという間に終わってしまった。
「バイバイ零!」
皆に手を振り、僕は高跳びの子と一緒に帰ることにした。
「ね、高跳び好きなの?」
狙いがあると言うよりは、高跳び友達と久しぶりに話したかった。
「好きというより」
彼女は口を少しずつ開く。
「私………弱いから、その、変わりたくて陸上を始めたんだ。そしたら高跳びが出来て」
なんか僕に似てるな。僕も些細な事で高跳びを勧められたんだ。
うん。この子の決意を応援したくなる。
「きっと高跳びが背中を押してくれてるんだよ。」
「でも、私度胸が無くて」
緊張で色々と考えてしまうんだろうな。分かる。
「高跳びの時も?」
「うん、怖いから…」
僕もそうだった。考えて考えておかしくなっていく。
でも、そういう時によく教えられた言葉がある。
「じゃあさ。少しでいいから自分を信じてみて」
「自分を?」
昔、中学校の先輩から教えてもらったことを思い出した。
「自分を信じてあげなきゃ跳べるものも跳べないよ。僕は絶対跳ぶ! 跳べるってね」
「…」
「そしたら変わるよ、きっと。」
「分かった。頑張って信じてみる!」
彼女は何かを決めたように嬉しそうに帰っていった。少しでもヒントになればいいんだが。
――さて、今から奈美の家だ。
お腹は空かしたから大体は美味しく感じるはず。
その時、未空の取り巻きが僕の前に現れた。
(流石に詰め込みすぎじゃないか? こんな1日があってたまるかよ。今からが大変なのに)
僕は、苦虫を噛み潰すような顔でため息をついた。
「何?」
「これ以上、未空をはぶらかさないで」
「私の知ってる未空ちゃんじゃない!」
そうだ。問題の対象にこいつらもいたんだ。というより、1番の問題か。
なら、やるしかない。頭を回せ僕。
「はぶらかすって何?」
「あなたのせいで、未空がどっかに行ったのよ!」
そうだそうだと周りが同調する。前と違う子もいるし、一体何人いるんだよ。
「それは、君達が依存しすぎてるだけでしょ。僕はただ視野を広げるきっかけを作っただけだ。」
「何よそれ!」
大まかすぎて理解されないに決まってる。こんな事言って変人だよな僕。
「人生において大事なのは、広い視野を持って色んなものや人を見て学び、楽しい事や、やりがいを見つける事だと考えている。」
「意味分からない!」
僕が暇な時に考えた持論だし、高校の時にこんなことを考えていた時点でおかしい。
さっきから疲れきった僕の思考は説明出来ずに悩んでいた。わからないなら……見せれるものは見せよう。
「じゃあついてきなよ」
僕は奈美のパン屋へと連れて行った。さっさと見せた方が早いだろう。
「まだよ、余熱があるの! 有彩さんそのコーヒー牛乳しまってください」
作業室では、奈美の母に2人はしごかれていた。地味に声も聞こえる。あとは黒こげのパンや材料が散らばっていた。
「あれは奈美?パン作れないって………」
取り巻き達はその様子にビックリしてた。ま、その事を知っているなら話は速いな。
「奈美は辛い事が沢山あったのに、それでも目標を見つけて、向き合う為に何回失敗しても諦めずに頑張っている」
「絶対にもう一度!」
奈美は額に汗を流しながら必死に作っていた。
顔が小麦粉だらけだが、彼女は全く気にしていない。
不器用なりにゆうと紅佐飛の為にパンを焼いていた。
僕は奈美の姿を見て涙が出そうになったが、必死に平常を保ち取り巻きをみると彼女達も見とれている。
「……君達はあんなに頑張った事ある?」
「…!」
「そんなの分からないわよ!」
取り巻き達はずっと未空しか見てなかった、だから、視野は未空以上の物がない。自分すら見ていない。
「だったら、色々やってみて沢山の人を見る事だ。今じゃなくてもきっといつか自分のやりたい事が見つかるもんだよ」
「そんなの、見つかるわけ!」
「君達はまだ長いでしょ? 未空以外にも人はいる。じゃ、僕はこれで」
見とれていた取り巻きを置き去り、僕はパン屋に入った。これで少しはなんとかなったらいいんだが。
「こんにちは………」
「零、お帰り! いいタイミングね! 丁度パンが出来たの」
ノートにパンを焼いた数を書いている19回!?そんなに失敗したのか。
焦げたパン以外は見つからないし、おそらく食べたんだな。そして、これが20回目。
「食べて食べて」
僕は多少の信頼をおきながらも小さく噛み付いた。
――これは
「…ん!美味しい!」
丸パンは最初と比べ遥かに変わっていた。ちゃんと丸だし、焼き色も綺麗だ。
「ゆう達にはクロワッサン作る予定なの。難しいけどね。でも、もっともっと! 上手くなるんだから!」
「奈美は昔から………元気で頑張って…」
お母さんはその様子に涙ぐんでいた。
「貴方達が提案したんだってね……奈美が変わった…のは…ひっく…あなた達の…う…」
「もー母さん!」
奈美が必死にお母さんをなだめている。
「あとね……有彩ちゃんの食べたら体が元気になったのよ」
お母さんは元気そうに腕を曲げた。
「最初は、ビリビリしたから心配したんだけどねー」
あの痺れのやつは健康に良かったんだな。また、貰おうかな。
帰り際に、また奈美達から大量のパンを貰ってしまった。
「ね、零ありがとう!」
「僕達はあくまで提案しただけだよ。それを実行したのは奈美だ。」
「もう、零は私に背中を押してくれたの! あなたは凄いの! このまま……何も出来ずに死ぬところだった!」
最初とは見違えるようになっていた。奈美の言葉に急に涙が出そうになる。
「ありがとう奈美。……でも」
「えぇ分かってるわ! もう一度ゆうと紅佐飛と話して、未空とも和解するんだから」
奈美の目は光が輝いている。
「あと、将来零みたいになる!」
「それだけはやめといた方がいいと思うよ?」
――天空――
「パン美味しいです!」
有彩のパンも格段に美味しくなっている。
「だろだろ?」
僕がパンを食べているのを、ウィストリアはとても喜んで見ていた。
机の上には本が新しく乗っていた。これは昼休みに借りたやつか。
なになに?美味しい料理の作り方?
「私も現実の料理に興味が出てな。手始めに作ってみたんだ」
「へぇいいと思います!」
僕の前にハンバーグが並んでいた。
「パンを代用してみたんだ」
すっかり安心しきって一気に口に入れた。
「んぐっ…ん!!!!!??????なっ何をいれました?」
美味しいがなんか変な感じがする。
生々しいというか。
「いやハンバーグの中に獣魂の骨を入れて」
「骨!?」
「食感を上げたんだ。」
有彩はどやっとした。
その瞬間、僕の口の中で何かがピシャピシャと動き始めた。不意に何かが僕の喉を刺す。
「いったああぁいやあああああ」
僕はまた気絶して頭を机にぶつけていた。
色々変化した5年2組。
奈美は未空との和解に乗り込む
その時僕は良からぬ事に巻き込まれていた
ちなみにもう1人の男の子は名前が増えすぎる為省きました。
いちよう名前は肢柄にしています。




