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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
第5章 天空戦争編(準備)

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第5章 37話 戦い

死は救済と謳うヒロル達、彼らは天空を乗っ取ることを計画していた。


そして今、天空で戦いが始まった。

「「コネパウイア!」」

 女神達がスプラウトに向かい魔力を渡す。スプラウトは魔力を込め揺らめくオーラを纏いながら息を吸った。


「通せん坊兵隊!! 天空を守る砦となれ!」

 大きな魔法陣が現れ、30m程の兵隊が周りを囲むように沢山現れていく。


「いきます。自動回復を付与!」

 スプラウトが付与器を腕に差し込むと、ピンクの光を放っていく。


「これからですね」

「あぁ。作戦通りに行けばいいのだが」

 ウィストリアは後ろに天使を何人も付け城の最上階で全ての状況を確認していた。僕も近くでその様子を見守っている。


「そういえば彩夢。これを忘れていた。」

「これって」


 ウィストリアが指を鳴らすと見覚えのある箱が落ちてきた。開けてみると銃が入っている。


「それは前より格段に魔力を強化する銃だ。ただし微力の魔力では反応しないから気をつけてくれ。」

「ありがとうございます。」


「ヒロルに似た反応があればすぐに呼ぶ。その眼鏡をかけていればだがな。」

「分かりました。では、行ってきます。」


「あぁ」

 僕はすぐに階段を降り、ほかの女神や天使に合流しにいく。



 作戦としては、兵隊で道を制限し、

「ぐるああああああああぁぁぁ!!」


「来たぞ! 」

「やるしかないわっ」

「負けないんだから。」

「数の暴力っ!」


 兵隊の間から入ってきた敵を、待ち伏せしていた複数人で

「ぎしゃああああア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」


 叩く。といったシンプルな物だ。歴史の教科書で見た気がするのは気のせいだろう。多分。


 マリも同じように待ち伏せをして倒しているだろう。

 そして、僕の役目は


「そんなものっ。貸せ、バレント!」

 単純作業を邪魔するのは死呪霊と契約した人間。だから、彼らを捕まえるのが僕の仕事だ。ウィストリアは殺していいと言っていたがあまりしたくない。



「アラストリア、概念付与」

 僕の銃が黒く塗り潰される。

(この銃にあたったものは5分間動けなくなる)


「お前はっ」

 僕は彼との間合いを狭め、死呪霊に銃を向ける。


 バンッ

「―――ッ!!」


 死呪霊が使えなくなれば体術の問題だ。僕は彼の武器を手刀で落とし、腹に膝を入れ倒す。


「がハッ」

 これアニメでやってて1度はやってみたいと思っていたが、案外出来るものだな。

 後は、気絶しかけの彼に覆いかぶさりながら手を紐で縛る。ちなみにこの紐はウィストリアが作ってくれた。


 殺していいとは言っていたが、天空から人間を全員守った人だし情はあるのだろう。


「くそっ」

「この戦いが終わったらほどくから待ってろ」


 中学生くらいの少年は僕を命を懸けているかのように睨みつける。


「待ってろ?戦いが終わったら帰る場所も目的もなくなるんだよ!! 俺は戦い続けなきゃならない、天空を乗っ取りフォルナ様を奪わない限り!!」

「……フォルナはどこいる」


 ウィストリア達はフォルナを打つのが目的なんだが。


「奪われたんだよっ神に! あの金髪の長くて、前髪の1部を三つ編みにしたっ」

「……まじ?」

 僕は簡単に地面に絵を描き指さした。


「あぁ! そいつだ間違えない!」

 クロクじゃね?


「……」

「なんだよ」


 僕は焦りながら眼鏡を振った。

「ウィストリアさん。ちょっといいですか?」

『なんだ?』


「実は……」



『そうか。そうだな。なら、私たちは防御を徹底しヒロルから強い順に倒し戦力を削ろう。クロク様にも連絡してみるが、あの人の事だから来ないかもしれない』

「大丈夫です。よろしくお願いします。」

 よし。


「これで辻褄は何とかなった。……で、この戦いが終わってからだがお前の面倒は天空が見る。」

「ここでのんびり暮らせってか?嫌だね。俺は復讐するんだ。俺を嘲笑ったアイツらを俺は絶対に許さないっ! 俺はこの力で」


「お前は死んだんだ。普通に死んだやつが復讐するとか怪奇現象もいいところだろ。で、実際に天界が怒ってフォルナを連れて行ったんだし。」

「……それは」


 僕も多分、ヒロルに拾われていれば同じようになったかもしれない。気持ちは分かるがな。


「僕らが許されているのは声を出すくらいだ。で、なんでそんなに復讐したいんだ?時間は無いが少しくらいなら声を聞こう。」

 僕は周りを確認しながら彼を木陰に引きずった。



「お前に何が分かるかよ。俺は死に際を何回も味わった。だから、遺言を書いて死んだ。俺が死んだことで復讐できると思った。」


「でも、国は裁かなかった、町は隠蔽した。俺はその事を聞いて絶望した。じゃあこの恨みをどうしろって言うんだ?お前も言うんだろ?過去を忘れて前向けって。死ぬほど辛い思いして死んだ俺には過去しか感情が動かないんだよっ! 何をしても振り落とせないんだよっ!」



 何も言ってないんだが。いや、おそらく言われてきたんだろ。カウンセラーやら先生、家族やらに。


 前を向けと。


「……そうか。復讐しないと先が見えないか。」

「あぁ」



 僕は彼を引きずりながら声を出す。

「なら手伝ってやる。」


「え?」

「遺言は残っているな?」


「……お母さんが持ってる。」

「なら、この戦いが終わって自由になったら会いに行け。要するに声を出せて皆に伝わるような場所が欲しいんだろ?」


 僕は、人影がない場所に連れて行きウィストリアが感知できる石を持たせた。

「僕は提供できる。本当に恨んで藁にでもすがりたいなら、社会的に終わらせる方法を教えてやる。殺すより苦しいし社会への影響あるだろうからな。」

 彼はただ黙り込んでいた。


「なあ、お前は死んで良かったと思うか」



「……現実で力があれば俺は幸せだったのに。死んでも俺はここでずっと苦しんでる。生きても死んでも変わらない。」

「そうか。」


 僕が彼を置いて暫く歩いているとウィストリアの声がした。

『彩夢か。範囲を拡大したところ、ヒロルらしき者が所有している檻にいる事が分かった。』


 檻?確か何人かは捕まえている。という事は


「おそらく仲間を助けるつもりです。分かりました、すぐに行きます。」



 僕が檻の場所につくと人影が、ボロボロになった檻の前にいた。見張りの女神はたおれていて、遠くに見える兵隊は頭がなく崩壊している。


「おい、僕の事は覚えているよな」

「……」


 彼は目を光らせるような眼光で剣を創り持った。


「何か言ったらどう……」

「――っ」

 気づけば目の前で剣を向けていた。まずい


 キッ

 僕は銃を使い剣の先を外に向け立て直す。


 話すつもりはないらしい。僕はもう片手にナイフを持った。

「アラストリア、これが最後の戦いだ」

『……』


「『概念付与(エクスコンセプション)』」

「なぁ、マリ」

「何よ?」


「僕、まだやりたい事が終わってないんだが。」

「どうせしょうもない事でしょ?」


「せっかくこういう世界に来たんだから、ネタをもうちょっとさせてくれてもいいじゃないか?」

「なによネタって」


「スマホでドヤるとか、ずっと同じ音がする剣の戦いとか、スライム、刑事の声がする犬、防御、VRゲーム、学校ルートにアトミック、回復系」

「……絶対やらなくていい。本当に意味不明なの混じってるし、時間と文字数の無駄よ?」

「はい。僕もそう思います。」


「そんな事より、檻壊れるの簡単すぎない?ザルすぎるでしょ」


「ウィストリアさん曰く、檻の精度は前よりいいらしいが屋根と地下の仕組みが分からないらしい。」

「映画とかでも檻壊すことはめったに無いけど、穴掘ったり上の排水溝とかの展開はよくあるわよね。いや、ちゃんと調べて教えた方がいいんじゃないの?」


「だなあ。」


「時間があればねぇ」

「だなぁ。まあ、どうにかなるか。なってほしいな」

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