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地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
第5章 天空戦争編(準備)

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第5章 21話 まだ

僕は彩夢とは違う。そして、あと数日で死ぬ運命だ。


「死ぬとか、本当の彩夢じゃないとか、どういう事よ!?」

「僕だって最近教えられたんだ。隠してた訳じゃない……でも、急にこんな事を言って悪い」

 マリは動揺を隠しきれずに手が震えているが、僕の裾だけは強く握りしめてくる。



「その本当の彩夢くんがいるとして今、彼はどこに?」

 マリを気にしながらも使い魔も僕を困惑するように見ていた。



「僕の中で眠っている感じだとは思いますけど憶測でしかないのでなんとも言えないです。話せませんし、最近初めて声を聞いたくらいです。」

 寝てると言い切るには起きてたし一方的にしか声は来ないし僕が呼んでも反応ないしなぁ。



「僕がこのまま居座ると彩夢は死ぬらしいんです。簡単に言うと乗っ取られる感じ…ですかね。」



「どうにかならないの?なんか方法とか!」

「……例え、生きようと否定してもアラストリアは許してくれないだろう。来る日がきたらあいつは僕を殺す。それだけだ。」

 あの日からもアラストリアの様子はあまり変わっていない。僕にとってはただ傍にいて助けてくれる存在だ。



「なんでそんなに軽いのよっ!?あんた死ぬのよ?消えるのよ??」

 その瞬間、マリは僕の胸ぐらを掴んでくる。



「……僕だって死にたくない。いつ僕が生まれたのか、どこの誰がなんで彩夢を殺そうと僕を作ったのかも分からない。でも、あいつはやり残しがないように僕に教えてくれたし、なにか理由があるんだと思う。」



「じゃあ!!?? 弥生君はどうするのよっ!!?それに転生前者はまだ沢山いるんでしょ?あんたが居なくなったら全部っ」

「大丈夫」



「弥生は助けるよ。それにウィストリアさんの約束は果たす。」

 僕はマリの手を降ろすとまたベッドに座った。



「今言えるのはこのくらいです。あと、他言無用でお願いします。特に弥生には」

 マリや使い魔の表情に目を逸らすしかなかった。

 もうどうしようもないのに。なのに、僕を必要としてくれる人がその思考を鈍らせる。


 覚悟を決めないとやっていけないのに…

「今は明日に向けて頑張って寝ます。」



 僕が寝ようと横になると、マリはため息をつきながらベッドに腰掛けた。

「はぁ……色々言いたい事はあるけど、我慢してあげる。あと、私達の目的を忘れないでよね。」

「あっ」



「もう。私達が協力してあげてるんだからちゃんと責任も取ってもらわないと困るわ。まずは、あのヒロルって奴をぶっ飛ばさないとね?」

「もちろん。まだ死ぬつもりはない」

「ふん、分かればいいのよ」

 僕はマリと視線を交わし眠りについた。

「っ……」

「よく眠ってますね」

「スッキリしたんじゃない?思い詰めていたようだったしね。でも、あれは思い詰めるのも分かるけど。」


「姫、彩夢くんのブレスレットが」

「なにかしらね?……すみません、今彩夢は…………その声っウィストリアじゃない!」



「えぇ。でも、それなら私の方が得意かもよ?」

「姫?」


「よし、明日出るわ。今はそこまで死呪霊もいないし彩夢の負担を少しは減らしてあげなきゃね」

「そうですね。私もなにか出来る事を探してみます。」

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