表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地平線の仲介者 〜死んだはずの僕が現実で転生を止める役目を受けました〜  作者: 大井 芽茜
第5章 天空戦争編(準備)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/157

第5章 18話 順調

転生前者である真下と出会った。

仕事がない現状を助けるため、社会復帰の手伝いをする。

 町の小さなパン屋と言っても地域から愛されいるパン屋だ。

 朝から夕方まで視野の広さを活かしながら走り周り、初日の長い1日が終わった。



 走り回ったとは言ってもパンの整列やら会計の列の整備などの細かいものだらけだったがな。

 一方、真下もパンを焼いたり、会計に接客したりなど動き回っていて忙しそうだった。



「彩夢、終わったんでしょ?速く話そうよ」

 奈美はオープンと書かれた札を嬉しそうにひっくり返し僕の元へ走ってくる。



「あぁ、最近はどうだ?」

「絶好調よ。高校でも上手くいっているわ!」

 それは何よりだ。

 やはり高校選びは大事だよな。毎日徹夜でデッサンして入学したけど、人というか雰囲気が合わなかったとかもあるしな。


 ……僕みたいに。


「部活とかは入ったのか?」

「えぇ、今はバスケ部に入っているわ。陸上も楽しかったけど、私には少し合わなかったわ。」



「まぁ人によって違うからな。」

「あれって、一回記録でたら中々新記録だせないしずっと自分との戦いじゃない?よくやれると思うわ。前虹は今もしているみたいだけどね。」



 まぁ、あれは個人種目がほとんどだし勝ち負けも他とは違うからな。


「彩夢はずっとしてたんでしょ、いつからしてたの?」

「小学生からだな」

「長くない?」


「まぁな……でも、僕にとっては唯一、存在価値を見いだしてくれるものだったから。小学の時になにとも出会わなければ、いじめを受けただけの自己肯定もクソもない僕になっていただろうな。」

 陸上がない僕はどうなっていたんだろうな。



「きっと助けだったんだと思うよ」

「助けね。今の彩夢がいるのは陸上のおかげだって訳だ」

「そうだな。」

 奈美はうんうんと頷いていた。



「あぁそうそう、高校でねっ」

 奈美は楽しそうに高校で起こった事を話してくれた。

 友達と勉強会をおやつを食べながらしたとか、部活のメンバーでティクフォクした。とか。


 うーん、これは陽キャだな。



「楽しそうにしてて安心したよ。なぁ、奈美1つ聞いて欲しい事がある。」

「ん、なに?」





「お疲れ様です。」

「久しぶりに動いたな。」

 真下は疲れているが目は最初よりも明るくなった感じがする。

 いや、久しぶりに働けて生き生き輝いていると言うべきだろうか。


「今日は、ありがとうございました。真下さんよく働いてくれて助かりましたよ。他の従業員の方も助かっているようですし。もう、ここで働いてほしいくらい」

「あっ……どうも、こちらこそありがとうございました」

 奈美の母はクスッと笑い、真下は満更でもないな表情をしている。



「なんだ?」

「いえ、なんでもないです」

 やはり、奈美の母に頼んだのは正解だったようだな。


「ふふっ。彩夢君もありがとうね。」

「ありがとうございます。今週はいけますのでまた呼んで頂ければ」




「「お疲れ様でした」」

 僕達は片付けをし終えて挨拶をすると、二人で温泉に行き疲れを癒していた。


「いやー最高ですね。」

「俺も久しぶりに働いたから疲れたな」

 真下も少し満足そうにニヤついている。



「どうですか?なんとなく、見えましたか?」

「そうだな、なんとなくやりたい事は見つかった。久しぶりに外で働いたし、感覚も掴めてきた」


「ちなみになんですか?」

 僕は食いつくように、身体を乗り出していた。


「いや、こういうのはなってから語るもんだ。だから教えるのはまだだな。」

「そんなぁ、教えてくださいよ! それに面接とか就職の、あのー紙みたいな奴を見別けるのも得意ですよっ」

 あのファイルに挟まった就職先を見てブラックかどうか見分けるの楽しかったな。

 僕は、教えてくれという目を向けた。



「また、来たときに教えてやるから。そこまでお世話になる気はないしな、だから楽しみにしとけ。」

「また。ですか……」


「どうした?」

「ぃえ、分かりました。」

 歯切れが悪いが真下が決めた事だ。仕方ないし見たかったな。



「ま、まだ4日もあるんだ。そこまでは面倒を見てくれ、信田。」

「はい。勿論です」


 その後、僕達は牛乳を飲み干してサッパリして家まで歩いていった。

「じゃあ、明日。また来ますね。」

「あぁ。」


 家の近くの角へ曲がろうとした時だった。



 何故か、僕が前にいた。

「っ!

「ん、どうした?」



 その僕が角を曲がった途端、腹部から血を流れうめきだす。

 槍?

「これは……」



 未来が見えている?

 その瞬間、僕は消えてしまった。


「……」

「おい、どうした?」


「真下さん、下がっていてください。」

「?、あぁ。」



 僕は、真下を置き去りにしてブレスレットに念を込めた。

『マリ、前に言ってたやつを貸してくれ。スプラウトさんの」

『分かったわ。彩夢、なにかあったの?』


『おそらく、あいつらのメンバーだろう』

 僕はブレスレットの光を消し、前へ踏み込んだ。



 ――っ、ガンッッッッッ!!

鋭い金属音が空に大きく響きわたる。

「オギャアアアああ!!!!!」

「これは困ったな、何日しても彼女の体調は悪いし、やはり彩夢に聞くべきか?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ