第3話[驚く女王]
二人を宿屋に待機させ、三人は事情を聞こうとお城へ向かっていた。
そして……。
イケメンからそうじゃない者達まで多数の男達を侍らせ、男達の椅子に座り勇者達の前に君臨する女王。
それを見て、勇者は虹を吐いていた。
「大丈夫ですか?」
心配そうに勇者の背中を摩る緑。
勇者は緑にお礼を言うと立ち上がった。
「ちょっと男酔いしちゃった」
「それより、女王様……」
勇者は女王様に此処に来た経緯を説明した。
「ふむ、なるほど」
「残念ながら彼女達を戻す術はありません」
「ですが勇者様はお二人の事、好きなのでしょ?」
「なら良いではありませんか」
「良くないよ」
「こんなので両想いになるのは良くない」
「私は二人と本当の意味で両想いになりたいの」
その言葉を聞き緑が感激する中、ララは思った。
(二人のアレを解いてしまったら、多分一生両想いになれないと思うのですが……)
勇者の言葉を女王は声高らかに笑う。
そして女王は下僕の男に勇者に告白する様、指示を出した。
これはマズイと思い、男を止めようと呪文を唱え始めるララだったが……。
「勇者様、僕と付き合って下さい」
間に合わなかった。
ララは顔を歪ませる。
この女王、分かって告白をさせている。
悪の元凶はコイツなのでは?
どちらにせよ、勇者さんが敵に回る。
仲間内での戦闘。
少し気が引けるがやむを得ない。
ララがそんな事を考えていた、その時。
「気持ち悪いんじゃ、私に告白してんじゃねぇ」
勇者の渾身の一撃に倒れる下僕。
告白されても何の変化も起きない勇者に女王は眼が飛び出るくらい驚いていた。
第3話 完




