第32話[新たなる旅立ち]
とある街の酒場で食事をする中、日菜達は作戦会議をしていた。
あの森での出来事以降、スタリエに元気がない。
その理由は二つ。
一つは、生贄の件。
二つ目は、神獣の件だ。
馬車の中でスタリエは日菜と緑に一生懸命、謝っていた。
「確かに同情するよ」
「可愛い女の子ならいざ知れず、喋る獣が宝石に宿るなんてね」
「私なら絶叫もんだよ」
「だって、愛する日菜ちゃんと美少女の緑ちゃんからの贈り物なんだよ」
一人で喋る勇者を無視して、日菜達は話しを続けた。
「何か、代わりのプレゼントってないかな?」
「でしたら、氷の国の溶けないダイヤなんてどうでしょう」
ダイヤが溶けない何て当たり前だと思いながら、日菜達は話しを聞いた。
「何でもこの国で愛を囁けば永遠になるとか、でしたらこの国で取れた溶けないダイヤをプレゼントして、スタリエさんに永遠の友情を囁くのはどうでしょうか?」
「それいい」
「私もそういうの憧れます」
日菜と緑がその案に乗る。
そんな中、勇者が皆んなにある提案をする。
「あのさ、どうせなら皆んなでお揃いのアクセサリーを作らない?」
「せっかく縁起がいい場所なんだし……、駄目かな?」
皆んなが顔を見合わせる。
そして……。
「素敵です勇者殿」
「私もいいと思います」
「そうと決まれば、次の目的地は氷の国だね」
皆んなが賛成し、次の目的地が決まる。
だが、この時はまだ誰も何も知らなかった。
氷の国が呪われた国だという事を……。
第32話 完
第3部 完




