第8話[自己紹介後編]
勉強もできて運動神経も良い。
初対面の時より好印象で、これから先、彼女となら頑張れると思っていたのだが……。
「なのに、女の子にモテなかった」
「女子校だよ」
「女の子同士、バストの測りあいとかありそうじゃん」
「なのに実際やったら、止めてくださるとか言って本気で怒ってくるし、おかしいよね」
えっ、何言ってんの?
彼女に対しての評価がどんどん下がっていく。
「でも良いの、同級生の合法ロリちゃんとお友達になれたから」
世間一般的に女子校生の時点で合法とは言わないんじゃ……。
まあ、そこの所はいいか。
「それで、何で死んじゃったの?」
私の質問に百合ちゃんは悔しそうな顔をする。
それを見て、少し反省をした。
悪い事聞いちゃったな。
そうだよね。
悔しいよね。
私だって、お父さんとお母さん、そして学校の友達、みんなともっと一緒に過ごしたかったんだもん。
「実はね……」
百合ちゃんはそう言うと重い口を開いた。
その日、台風の影響で午前授業だった。
お友達の合法ロリちゃんと一緒に帰ってた所、雨が強くなり、公園のベンチに一時避難する。
「傘意味なかったね」
愛くるしい笑みを浮かべながら、合法ロリちゃんはベンチに腰掛けた。
雨に濡れた髪、透けて見えるブラ、そして…。
「靴の中までびしょびしょだ」
そう言って、靴下を脱ぎ素足を露わにする。
何て美しいのだろうか、私は固唾を飲み興奮を抑えていた。
そんな時だった。
強風に煽られ、合法ロリちゃんが持っていた靴下が、まるで私を誘うかの様に宙を舞う。
「ちょっと取ってくるよ」
私は合法ロリちゃんの制止も聞かずに夢中で靴下を追いかけた。
後で取れなかったと嘘を吐こう。
そして、靴下を家に持ち帰ろう。
そんな事を考えながら、私は合法ロリちゃんの靴下を掴む。
やった、合法ロリちゃんの私物を手に入れた。
そう思いながら私は気づいた。
増水していた川にダイブしている事に……。
そのまま私は溺死してしまい美しい女神様と出会い、今に至る。
「あと少しで合法ロリちゃんの靴下の匂いを嗅げたのに……」
「本当に悔しいよ」
うるさい、私の今までの評価を返せ。
第8話 完