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第12話[えっ、嫌なんですけど]

新たな仲間を迎え、私達は旅の支度をする。

そしてその報告を王様にするのだが……。


「あの、どうして黙っているんですか?」


誰一人として、口を開かない。

王様、お姫様、兵士、城に居る誰もが、私の問いに答えてくれない。


「早く鎧を下さい」


私はすごく嫌な予感がしつつも、気のせいだと自分に言い聞かせ、鎧を催促した。

その様子を見ていたスタリエさんがお姫様に尋ねる。


「何があったの?」


お姫様は弱々しく、呟く様に答えた。


「お話しして、私を嫌ったりしませんか?」


「話さないのなら一生嫌いよ」


スタリエさんの言葉を聞いたお姫様は、嫌われまいと全ての事情を説明してくれた。


「そんな……、海賊に奪われたなんて」


私は膝から崩れ落ちた。

まさかの出来事だよ。


「いや、ワシかて頑張ったんじゃぞ」


そう言って、王様は目を閉じて語る。


王国内に海賊が侵入した事で城内が混乱する中、王様は勇敢にも海賊達の前に姿を現し、恫喝する勢いで叫んだ。


「宝なんぞくれてやるわ」


そう叫び、王様は兵士達に伝説の鎧を持って来させた。

王様は不適な笑みを浮かべる。

馬鹿な海賊達はこれを偽物だと思うだろう。

何故なら、伝説と呼ばれるこの鎧を、そう簡単に渡すとは誰も思わないからだ。

きっと偽物だと思い、受け取らない。

そう考えていた王様だったが……。


「ラッキー、オラっ、もっと出しな」

「まだあんだろ?」

「お宝がよ」


簡単に鎧を奪われただけで無く、更に宝を渡すハメに……。

それを聞いた私は唖然としていた。

そんな私の隣でスタリエさんが王様に問い詰める。


「城の警備はどうなっていたのよ?」


再び沈黙が続く。

堪らず、スタリエさんはお姫様を見た。


「はい、城の上級騎士数名は魚の配達に出かけていました」


スタリエさんに睨まれる王様。

そんな王様をララちゃんが擁護した。


「お待ち下さい」

「王様は悪くありません」

「私達が居てもどの道、宝は奪われていました」


ララちゃんは王国に居た上級騎士達から当時の話しを詳しく聞いていたらしく、その話しによると海賊達はとても強く、城の上級騎士が勢揃いでも歯が立たない程、彼女達海賊は強かったらしい。

それを聞いた私達は何かのイベント何だと理解し、王様に海賊の討伐に出かける事を告げた。

そして……。


「王様、ララ殿の力も借りたいんですがよろしいですか?」


緑ちゃんの提案に王様は頷き、ララちゃんに手伝う様命を下した。


「えっ、普通に嫌なんですけど……」


第12話 完

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