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第9話[二人は仲良し]

勇者とスタリエさんが仲良くなら無いまま、更に数日が過ぎたある日。


「いや〜、助かりました」


魚を届け終えたララちゃんが緑ちゃんにお礼を言う。


「いえ、お姫様とまた会えましたし、それにララ殿にはお世話になりましたから」


「いや、あれはしっかり報酬を抱きましたし、気にする事ではないですよ」


ララちゃんはそう言うが、あの時のララちゃんの協力が余程嬉しかったのか、緑ちゃんはララちゃんに懐いていた。

私はそんな二人の様子を眺めながら、ある事を思いつき、ぽんと手を叩いて、この国のクエストで稼いだお金を手に、ララちゃん近づいた。


「ねぇララちゃん、一つ大人の話しをしない?」


ララちゃんに案内され、薄暗い部屋へ通される。

椅子は三つ。

それぞれが座り、私との交渉が始まった。


「勇者とスタリエさんの事何だけど」


「無理です」


いやまだ名前しか出していないけど……。


「あのね」


「絶対に嫌です」


しばらく沈黙が続く。


「あっ……」


「お断りします」


チキショウ、頑なに拒んで来やがる。

私は緑ちゃんの方をチラ見する。

緑ちゃんは察してくれたのか、笑顔で返し親指を立ててくれた。


「あ……」


「断固拒否します」


ララちゃんの即答に緑ちゃんは小さな悲鳴を上げ、怯んだ。

その様子を見て私は溜め息を吐く。

仲の良い緑ちゃんであれなら、もう絶対に無理だろう。

私は諦めて、何故頑なに拒否をするのかララちゃんに尋ねた。


「スタリエ様は醤油?」

「などを作り、国を繁栄させた方ですからね」

「それに姫様のあの目、スタリエ様に夢中です」


確かに自ら椅子になろうとしたり、スタリエさんの靴を舐めようとしたり、自らがカーペットですとか言って踏まれようとしたりと勇者みたいな変態行動をしていた事を私は思い出していた。


「国の繁栄、姫様の心、それらを手にしたスタリエ様は実質この国の王みたいなものですからね」

「ですからスタリエ様を怒らせてしまえば、私の首が飛ぶのです」


そうか、だからあんなに拒否していたのか。

ララちゃんと緑ちゃんが仲良く晩ご飯の話しをし始め、私は勇者とスタリエさんもこんなに仲が良かったらなと嘆き、溜め息を吐いた。


第8話 完


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