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第6話[最高の能力]

スタリエさんの生い立ちを聞き、私はまた変なのが来たなと思いながら、出されていた紅茶を啜った。


「んっ!?」


何これ甘い。

この紅茶、甘くて美味しい。

感動を胸に抱きながら、今度はクッキーを口にする。


「嘘、美味しい」

「美味し過ぎるよ」


どうせ味気ない物とばかり思っていた。

だけど、ここへ来て味がしっかりついている物に出会えるなんて。

感動する私の様子を見て、スタリエさんはニタリと笑った。


「これが私の能力よ」

「私はどんな料理でも美味しく作れる力や調味料を開発できる力を手に入れたわ」

「更に、どんな不味い料理でも死なない生命力を得た」


食が原因で死んでしまったからなのか、どうやらスタリエさんは食についての能力を選んだようだ。


「砂糖、塩、醤油に味噌」

「私の能力を使えば、この世界でどうすればそれらの物が作れるか分かるわ」

「そしてそれを利用して作った料理がこれよ」


スタリエさんはパチンと指を鳴らし、しばらくして料理が運ばれて来た。

私達の前に置かれる海鮮丼。

スタリエさんが両親との思い出を振り返りながら作ったと説明し、私達は宝石の様に眩い輝きを放つ海鮮丼を見て喉を鳴らした。

さっそく海鮮丼を食べようとスプーンを手にした、その時だった。

私は嫌な予感がして、食べるのを躊躇する。

これ、このまま食べて本当にいいのかな?

魚って中には毒を持っている奴がいたよね。

フグとか……。

私のだけ、そんな魚が入ってたりしない?

大丈夫だよね?

数多くの毒にやられて来た私は不安になり、その事をスタリエさんに話した。

それを聞いたスタリエさんは私を鼻で笑う。


「私の能力は完璧よ」

「毒があるかどうか、料理を見れば分かる」

「だから安心して食べていいわよ」


それを聞いて安堵した私は海鮮丼を頂き、海の幸を堪能した。

久々の醤油、新鮮なお刺身、私達はあっという間に海鮮丼を食べ終えた。

数時間後、私は海鮮丼に入っていた貝に当たり、トイレから出られなくなった事は言うまでもない。


第6話 完

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