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第3話[私も乙女ですから]

水の国でバカンスだった筈なのに、何故か牢屋でバカンスするはめに……。

私は余計な事を言ってしまった事を後悔しながら、嘆き騒いだ。

牢屋の鉄格子を揺らしても、当然ながら微動だにしない。


「まあまあ日菜殿、落ち着いて下さい」

「住めば都という奴です」


そう言いながら緑ちゃんは座禅を組み、目を閉じていた。

こんな条件下でも平然としている何て、緑ちゃんは本当に凄いなと私は思いながら地面に座り、特にする事もないのでボーッとして時間を潰す事に。

どれだけ時間が経ったのだろうか、緑ちゃんは座禅を止め、急に立ち上がり、そしてバケツをしばらく見つめ、刀に手を伸ばした。


「よし、脱獄しましょう」


そう言うと緑ちゃんは鉄格子を切り、牢屋から抜け出して、私達に向かって手招きをする。

私は緑ちゃんに、何故いきなり脱獄を決意したのか尋ねると緑ちゃんは顔を赤くして何も答えなかった。

不思議に思い、私と勇者は顔を見合わせた。


二人は気づいて居なかった。

人間、いや、動物である以上切っても切れない定め。

生理現象とも呼べる行為。

人は物を食べ水を飲む、そして……。

それらの行為を年頃の乙女である緑がバケツで何てできる訳が無い。

住めば都などと緑は言ったが、仕切りも何も無い状態で他に二人も居る状況の中、バケツでしなければならない羞恥。

全然、都になる気がしない。

そう緑は早く牢屋から抜け出して、一刻も早くトイレに行きたかったのだ。

だから脱獄した緑は真っ先にトイレへ向かった。

それを見て、日菜と勇者は緑が何故、脱獄しようと考えたのかを理解した。


第3話 完

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