表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/367

第25話[冷酷なメルヘン王国]

倒れる日菜を見て、クスクスと笑うお姫様。

その様子は異常で、勇者はお姫様を睨みつつ、日菜に緑樹の薬を飲ませていた。


「姫様何がそんなに面白いのですか?」


「何がって、毒林檎を食べて倒れるから……」


再び笑い始めるお姫様を唖然と見つめる緑。

勇者はそんなお姫様に罵声を浴びせ、日菜を抱え、部屋から出て行った。


「姫様……、どうしたのです?」

「何故、こんな事を……」


緑の問いに笑顔で応えるお姫様。

そして、お姫様は緑の手を繋ぎ処刑場へと案内した。


「剣士様、これから面白い事が起こりますわ」


そう、お姫様が言うと、緑の前に囚人が連れてこられた。


「この方は我が国が誇る林檎の果樹園の林檎を一つ、腐らせてしまったという大罪を犯しましたの」

「よって、これから処刑されますのよ」


子供の様にキャッキャと喜ぶお姫様を見て、緑は顔を青くし、必死に死刑を取り止める様に周りに訴えかける。

だが、この場に居る誰もが緑の言葉に耳をかさなかった。

処刑が終わり、緑は一人、処刑場から出て行く。

緑の耳の奥に残るお姫様の笑い声。

仲良くなれると思っていた。

それなのに……。

涙ぐむ緑の前に一人の老婆が現れた。


「旅のお方、どうかお姫様を、王様を誤解しないで下さい」


「お婆ちゃん……」


「どうかお願いです、この歳老いた老婆の話し、老人の戯言と言わず聞いていって下さいませんか?」


「話しとは?」


老婆は緑を連れ、城下町の老人達が集う集会所へ案内した。


第25話 完

第26話へ続く。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ