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第34話[誓い]

「うむ、肉体に何処か可笑しな所はあるか?」


「いえ、特には……」


そう言ってララはくるりと回った。

可愛らしいドレスにご満悦なララ。

そして、これからについての会議が始まった。

魔物と人間が共存して生きていける世界を作ると言う勇者の提案に集まった国王達がそれぞれの意見を出し合う。

勇者達が命をかけて守ってくれた世界。

だから出来れば、その提案を受け入れたいのだが、やはり魔物の中には話しが通じない者も居るのでは無いかと不安がる者も居た。


「うむ、だったらその魔物は倒して貰って構わない」


「本当に倒して良いのですか?」


そう尋ねる王様にガチュミは溜め息を吐いて答えた。


「出来れば殺して欲しくは無いが、こればかりは仕方のない事じゃからな」


知能が無い魔物に人間を襲うなと言った所で意味が無い。

それ所かそう言った自分達に牙を向けて襲って来るだろう。

だから、そういった魔物は倒すしかない。


「只、妾達も人間達に要求がある」

「妾達、共存に賛成派の魔物達を人と同じ様に扱って抱きたい」

「でなければ、魔物というだけで暴力を振るわれてしまうのでな」


「ふむ、そうですな」

「分かりました、そうしましょう」


順調に話し合いが進み、各国の王様達が各々の国へ帰る為に席を立つ。

そんな中、勇者が黒騎士に近寄り試練の洞窟で手に入れたアクセサリーを手渡した。


「これは……」


幼い頃、魔王の為に作ったアクセサリー。

黒騎士は勇者にこれを何処で手に入れたのか尋ねた。

試練の洞窟で手に入れた事を聞き、黒騎士の瞳に涙が浮かぶ。

また会いたい。

その気持ちを抑え、黒騎士は前を向いた。


(あの世でお父さんと約束したんだ)


魔王が生き返るのを拒んだ時、黒騎士を含め魔王軍幹部達は共に別の世界に行きたいと魔王に話していた。

そんな魔王軍幹部達に魔王は首を横に振り応える。

皆んなには生き返って人間と魔物達が共存できる世界を作って欲しい。

その魔王の願いの為、幹部達は生き返ったのだ。


「お父さん、私頑張るよ」

「お父さんの望んだ世界……、ううん、私とお父さんが望んだ世界を作ってみせる」


そう言うと黒騎士はアクセサリーを強く握り締め、誓うのだった。


第34話 完

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