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第33話[原材料]

勇者達の登場で人と魔物の戦いは終結した。

生き返った幹部達を見て、兵士達が騒つく中、各国の王がそれを沈め、今後の話し合いの為、魔王城の一室を借り、会議を始める事にするのだが、ララの魂を新たな肉体に宿すのが先だと言う勇者の為、各国の王族達は談笑をして待つ事に。


「まあ、これがララ様なのですか?」


水晶玉になったララの姿を見て驚くメルヘン王国のお姫様。

そんなお姫様を見て、緑とララは笑っていたのだが……。


「大変、何か着せる物を用意しないと……」


「えっ?」


お姫様の言葉に戸惑うララ。

そんなララを他所に緑がお姫様に言う。


「水晶なので、服は必要ないかと」


「いえ、見た目は水晶でも中身は乙女、全裸を人前で晒すなどいけない事ですわ」


それを聞いて何だか恥ずかしくなって来たララ。

何だか他人に今の姿を見られたくないと強く思い始めていた。

そんなララに緑が問う。

興奮しますかと……。


「いや、しないですよ……」


そんな話しをする事、数十分。

ララの肉体が魔王城に届く。

男達を追い出し、勇者達がララの肉体をお披露目する。


「これが私の体……」


可愛いらしい少女の肉体に喜びを露わにするララ。


「これはどうやって作ったのですか?」


ララの問いに自慢気に語ろうとするサーベリックの口をアーネが両手で塞ぐ。

冷静に考えてみれば、材料はイカの金玉に精霊の謎の雫、更に小麦にトカゲの尻尾に羊の毛、人間に関する要素が何一つ無い。

その事に気付いた勇者達はララに嘘を吐く事にした。

知らぬが仏、勇者はそう思い口を開く。


「コウノトリが運んで来たんだよ」


「は?」


思わずそう呟くララ。

そんな中、日菜が勇者に小声で言う。


「流石にバレるって」


「じゃあ、日菜ちゃんは何て説明するの?」


不意に勇者にそう言われ、日菜は自信あり気にララにどうやって肉体を手に入れたのか説明する。


「キャベツ畑で実ったんだよ」


「へっ?」


肉体があればララの顔は引きつっていただろう。

勇者といい、日菜といい。

二人は何を言っているんだとララは思っていた。


「全くお二人は、此処は私がララ殿に説明しましょう」


「緑ちゃんが?」

「本当に大丈夫な訳?」


勇者のその言葉に緑は自分の胸を叩き、自信あり気に「任せて下さい」と答えた。

そして……。


「良いですか、ララ殿の肉体は男性同士の熱い愛でお尻から出て来ました」


「えっ」


メルヘン王国のお姫様以外、誰もが思った。

緑ちゃん、それは最早ウ◯コだよと……。


「まあ、素敵です」


そう言って目を輝かせるメルヘン王国のお姫様。

緑と一緒になってBL話しで盛り上がる中、スタリエは頭を抱えて溜め息を吐いた。


「全くあんた達は馬鹿何だから」


「馬鹿……」


そう嘆く日菜を他所に勇者がスタリエを挑発する。


「だったらスタリエちゃんは何て説明するのさ」


勇者の挑発に緑も便乗する。


「そうですよ、お手本を見せて下さい」


「良いわよ、あんたらよりまともな嘘を吐いてやろうじゃない」

「良い、この肉体はそこら辺の男と女から精子と卵子を貰って作ったの」


その場に居る誰もが絶句した。


「スタリエちゃんにはガッカリだよ」

「まさか、ドギツイ下ネタで来るとは思っても見なかったよ」


「なっ、何が下ネタよ」

「普通の事じゃない」


「いや、普通じゃ駄目でしょ」

「魂が無いんだからさ」


「なっ、そこはホラッ、錬金術で魂を抜いたとかさ、色々と方法はあるじゃない」


「いや、それってある意味殺人でしょ」


そう勇者がツッコミを入れる中、日菜が口を開く。


「スタリエちゃんって、意外とサイコパスだよね」


「えっ、サイコパス?」


スタリエが日菜の言葉で傷付いている中、ララはサーベリックにどうやって作ったのか尋ねていた。

そして原材料に不満はあるものの、緑とスタリエの話しを聞いた後では、まだマシかなと思うララであった。


第33話 完

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